久しぶりのブログ。これは書かないわけにはいかないので。最後の投稿からきょうまで、この間あったことすべてをすっ飛ばして書く。
ミッション・インポッシブルを観てきた。普段なかなか映画を見る時間もとれないし映画館に行く時間もないんだけど、これだけは映画館で見ることにしている。自分にとっての優先度がとても高い。
すごかったです!今回のも、期待を上回る完成度でした。映画すごいというかトムクルーズがすごい。この人じゃないとこの映画はできないわけです。最初に見たのが96年、ということは私は小学生だった。96年に見たときはVHSだったよ。巻き戻して「今のどういうこと?」と父になんども聞いたのを覚えている。
そこから30年ぐらいずっと同じ映画を撮り続けている。そして毎回、前回作を超えるおもしろさ。人生でそんなことってあるかな?ずっと見続けているわけだけど、そのうちに映画自体の面白さを超えて「トム・クルーズすげえ」が増す。トムに脱帽、感心、尊敬。ほか、言い尽くせませんがこの人ただもんではないということが、作品ごとに増していく。
今回みどころの一つとなっている、崖からバイクでジャンプするシーン、あれ本当にやってるらしい。と言っても、スタントじゃなくて本当にトムがやってるということはもはや疑わなくなってきたけど。
家に帰ってから、メイキング映像を見てみて唖然とした。これに至るまでの過程がすごい。500回のスカイダイビング、13000回のバイクジャンプ。何度も何度も練習を重ねる。そして飛び降りる角度、綿密に計算し尽くされている。風向き、天候にも影響をうける。いよいよ本番、飛んで大成功するのだがこのあとトムは「もう少しバイクをにぎってる時間を長くできると思う」と言ってさらに飛ぶのだ。信じられない。「きょうすでにトム6回飛んでます」というインストラクターのコメントが入る。完璧主義などという言葉では形容できない。
このバイク飛行?がすごすぎて、ほかのアクションが普通に見えてしまう…ということがミッションインポッシブルにおけるトムクルーズの場合は起きてしまう。たとえば最初の砂漠のシーン、馬で駆け抜けていくわけだがあれももちろんトムがこなしている。また、スピード・フライングも普通に見えてくる。一見、パラグライダーで降りているだけのように見えるが、これ実際はすごく危なくて技術が必要なことらしい。トムならやって当然だとこちらは思っているのでもはや当然のようにみてしまう。あとから訓練の様子をメイキングでみたら、大変な苦労がありました。
オリエント急行のシーンも最高でした。あの角度、構成、考えた人、ほんとにすごいと思う。と言っても考えた人はきっとトムかな。ご存じだろうけどトム・クルーズは映画の製作自体に関わっている。そして極限まで、挑戦するのです。はあ、すごい…。
前半でローマが出てきたのは個人的にはとても嬉しかった。石畳とか、交通量の多さとか、unrulyさとか(一般的な)運転の荒さを思い出しながら見ていました。あの街で撮影ができたのか。
ローマで行われたプレミアの様子をYoutubeで見てみたら、トムのコメントが出てきてほとほと感心させられました。どこまでも謙虚で、観客を楽しませる映画づくりに情熱を注いでいる。
先日読んだニューヨーク・タイムズによると最近トムはあまりインタビューに答えていないらしい。そしてどこに住んでるかとか、謎がたくさんあるらしい。私生活が気になったり、たぶんまあいろいろあるんだろうけど、映画が人生であり、人生が映画なのだ。言葉より行動で示している、この姿がすべてなんだと思う。できあがった作品がすべてを語っている。
先日、弟と話していたら「見た人が言ってたけど、前回作までのあらすじをわかっていないと難しいって」と言っていた。確かにそうだろう。私はずっと見ているから特に困難を感じない。それでもわかっているのは「なんとなく」です。見ながら「なんでそうなるんだっけ」とか「何言ってるんだろう」ということは、ある。それでもあんまり考えないことにしている。これまでの作品を見たことがなくてこれからいきなりデッド・レコニングを見るという人は、「あまり深く考えない方がいい」ということだけアドバイスしたい。考えすぎると楽しめなくなるので。
ちなみに毎回テーマが時代に即していて、今回のもだいぶ良かった。なんてったってAIの脅威がテーマなので。監督が「映画を作っているあいだにリアルな問題になってきた」みたいなことを言っていて、ほんとだなあと感心した。見ると世界、またはものごとを大きな枠でとらえる練習になるんではないかなと思う。