Tuesday 18 October 2022

「びっくり」ケーキを焼いた


 日曜日。若山曜子さんのレシピで「ヴィクトリア・ケーキ」を作ってみた。いわゆるスポンジケーキをまじめに作ろうとしたのは初めてのことではないか、とこれまでを振り返る。シフォンケーキなら何度も作ったことある。メレンゲを作るとふくらむのがわかっているのでシフォンケーキを作ることが多い。シフォンケーキはバターもいらないし、できあがりが美味しいのもわかっている。それがこういう普通のケーキというのは作ったことがなかった気がする。なぜ作る気になったか。それは、借りていた若山さんの本の返却期限が日曜だということがわかったため!

食べた感想:おいしい!

クリームを周りにぬるわけではなく、間にジャムとマスカルポーネチーズを挟むだけのものなのだが、そのシンプルさが逆に良かった。軽いので、ぱくぱく食べて翌日には無くなってしまった。

そして、ふくらまないことはなかったです。本当に忠実にレシピどおりに作ったらちゃんと高さのあるケーキができた。

ちなみに若山さんは東京外大フランス語専攻出身の料理研究家。珍しい経歴だと思う。「フランス料理の前にその土地の文化と言語を知るべきだと思った」ということです。外大生だなあ。フランス語が読めて話せて聞けて書けるフランス料理人の言うことは、そうじゃないフランス料理人のそれより断然説得力があると思う。

当然ながら親近感が湧いていて、最近ひいきにしている料理家。ちなみに借りていた本は『おいしいがつまってる わたしの好きな10のお菓子』。表紙の写真にあるケーキと同じものを作ったのでした。もっとジャム多めでもよかったかもしれない。

子に「ビクトリアケーキって言うんだって」と言ったら「びっくりケーキ!」と言った。かわいいなあ。気に入ったらしいのでもう一度作ろうと思う。

Sunday 9 October 2022

5時まで待たなくていい朝型の話

 最近朝の起き方を変えた。というのは杉田敏さんの習慣について読んで刺激を受けたから。(杉田敏さんと言うのは説明不要の、NHKラジオビジネス英語講師を32年間務められた方です。)

最近買った「実践ビジネス英語 ニューヨークシリーズ ベストセレクション」から以下引用:

では、情報収集に充てる時間はどうすればいいのか。時間は作らなければなりません。一つアドバイスをするとしたら、朝の時間の有効利用ではないかと思います。

私は早い時には夜7時に寝てしまうこともあるし、11時、12時まで起きていることもあります。でも、朝は4時10分に目覚ましをかけています。それ以前に目が覚めた時は3時以降だったら起きてしまいます。眠い時に寝て、起きられそうな時に起きる、というのは私の理想です。無理をしない程度で体調を考えながら、起きて「仕事ができるな」と思ったらやるし、夜は「もう今日はやめた」っていう時にはやめる、という感じですね。(引用終わり)

わー、これだ。と思った。4時10分。4時でいいんだ、と思った。待たなくていいのだ。

私は通常5時半に起きで夜9時に寝る。そう決めている。夜9時に寝ると朝4時過ぎに目覚めてしまうことが時々ある。じゅうぶんぐっすり眠っているから。それでも「まだ早いな」と思って頑張って寝ようとする。でも寝付けない。7時間眠っているので当然である。せめて5時まで待とうと思って一応横になっている。そして少し外が明るくなったくらいで起きる。この、待っている時間が結構辛い。杉田さんのインタビューを読んで「待たなくていいんだ」と思ったわけだ。

というわけで最近は、4時台に目が覚めて「起きられそう」であれば起きることにした。これには朝の時間が充実するのに加えてもうひとつメリットがあった。夜眠い、ということである。しっかり眠れるのだ。だって4時台に起きているのだから。9時に電気を消して2分後には寝ているのではないだろうか。

なぜ5時すぎるのを待っていたかというとそれは睡眠不足になることを恐れていたからだろう。それならその分早く寝ればいいだけである。そして寝たければ5時半まで寝ればいいのだ。

静かな朝の時間が好きで、この時間のことを考えるとワクワクする。英字新聞に、フランス語の勉強に、英単語に、ブログに、写真整理に…と考えると、寝る前も、早く朝にならないかなあと思う。考えてみれば高校時代からこうだった。根っからの朝型だが、杉田さんのインタビューを読んですこしそのあり方が変わったという話。

Thursday 6 October 2022

たいへんなぎょうざ

 

「ぼくはぎょうざが食べたい」

というリクエストに応えて餃子を作ることになった。無意識に「皮から手作り」をイメージしていたのには理由がある。

先日、Netflixで「クレヨンしんちゃん」を子に見せた。これが思ったとおりの大ヒット。今の、子の年齢にピタッとくる面白さだ。アンパンマンにはかなわないけど、数十年の間しんちゃんがずっと人気であり続けている理由がわかる。私も一緒にみていて面白い。Youtubeをダラダラ見せ続けるより断然いい。

話は戻って、しんちゃんとみさえが餃子を手作りするという話を見た。そのなかでみさえは皮から手作りしていた。私にできないこともないだろうなと思ったし、小麦粉をこねるのはきっと楽しい。そして水曜は比較的、私は時間に余裕がある。なによりも、まともにやったことがないのでやってみたい。子がイメージする餃子はきっと皮から手作りだろうと思った。

職場で、ウー・ウェンさんと栗原はるみさんの餃子の作り方を検索し、材料を確認した。雨の中、帰りにスーパーに寄った。

夕方5時ごろから小麦粉をこねはじめた。ねかせているあいだに「あん」をつくる。子はこの「あん」という言葉をしんちゃんのおかげでしっかり覚えていて、「あんこ」の「あん」ではないということをよく理解している。おもしろい。

あんができたので皮を伸ばす。これがたいへんだった。ものすごい時間がかかる。生地を12等分x3=36枚。ようやくできたときには日が暮れてお風呂に入るべき時間もとっくに過ぎていた。

そしてようやく包もうとしたその時…

「ああああー!!!」

なんと、薄く伸ばした皮が全部くっついてしまっている。打ち粉をしっかりふっていなかったせいだ。典型的な「失敗」である。やってしまったと思ったが、ここからは3人総出でやりなおすことになった。大人は皮を作り、子は包む。せっかく伸ばした皮をまたこね直して、一枚一枚作り直し。

しかし、これが3人でやりはじめると面白いほどに早く終わってしまった。なんだ、最初からみんなでやればよかった。

できた餃子は…うまい!

不恰好でもなんの問題もない。ほぼすべて子がつつんだ。「おばけぎょうざ〜」と言いながら丸くしたり、「はみでたからフタして」と言ってもう一枚上にのせたりしながらできた餃子はとても美味しかった。スターウォーズの「ハン・ソロ」をイタリア語発音で「アン・ソロ」と言い、「アン・ソロっていうのはハン・ソロが餃子のあんの中に入って、わー、って言ってるんだよ」と言っていたのがおもしろかった。

またやろうね、と言いながら食べました。

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振り返って考えてみる。餃子のような形をした、小麦粉に具をつつんだ食べ物は世界各地にある。イタリアのラヴィオリや、ウクライナのヴァレニキも同じ。誰がどうやっても、それが家庭料理である限り、そして機械を使わない限り、私がやったように一つ一つに時間がかかるだろう。

これは家庭に、台所の主となる人がいて、料理そのものに時間をかけられたからこそできた料理なのだと想像できる。3時ごろからゆっくり小麦粉をこねられる条件がそろっているのだ。

これが共働き家庭や、食事の準備にかけられる時間が30分くらいしかない人が日常的に作ることができる料理ではないことはすぐにわかる。

さらに、食べる人がいる。これを1人で作って1人で食べることは考えにくい。家族があってみんなで食卓を囲むからこそできあがる料理なのだろう。

しかし、時代は変わって、食事を準備することに時間をかけられる人も減り、1人でも餃子を食べる人が増えた。そうすると、自然と「餃子の皮」というものがスーパーに出現する。そして冷凍食品の餃子の登場だ。

きのう、スーパーのレジで、豚ひき肉とにらと小麦粉を持って列に並びながら、ふと横にあった冷凍ケースを見たら、味の素の冷凍餃子が188円で売られていた。「冷凍餃子か… 188円か…」と思いながら眺めたことはたぶんしばらく忘れられない。しかしそこで「買おうかな」とは思わなかったけどね。手作りすることに意を決していたから。次回は最初から、他者をひっくるめてやろうと思う。失敗を重ねてできるようになっていくものです。

ありがとうとカルボナーラ

 新学期スタート。 子が帰ってくる時間に家に人がいる、というこの幸せ。保育園は4時とか5時まで預けていたのでこんなことはなかったけど小学校は本当に「帰ってくる」ので誰かいないといけない。自分が仕事していてその時間に家でFが子を迎えてくれているというこの安心感は、あらためて、ほかの...