イタリアの高速を走っていると急に中世の村みたいなのが出てくる |
絵本の中みたいだけど、普通に人が暮らしている。教会と広場があるのが普通。 |
高速は130kmぐらいスピード出ていて途中で「タイヤおかしい」と言い出すので生きた心地がしなかったです。送ってくれたFはそのまま帰る。朝からたいへんな苦労をかけてしまったので来年はおとなしく高速バスを使おうと思った。たとえ3時間以上かかっても。それにしてもありがたかった。
14:55発なので、12時半に空港に着けば十分と思っていたら12時前に到着し、だいぶ余裕があった。ターミナル1。ゲートの番号さえまだ決まっていない。チェックインは前日にオンラインで済ませたので荷物だけ預けた。東京行きのチェックインが、そもそも始まっているのかもわからないが、預かってもらえたのでこれでよし。
荷物を持って店などをうろうろ見て回る気力も特にないのでそのまま手荷物検査を終え、パスポートコントロールへ。手荷物検査はPCなどをかばんから出す必要はないのでかなりスムーズ。パスポートも、来たときと同じでThird Countriesに登録されている国は別のレーンから進める。自分でパスポートを「ピッ」とやって、終わり。
機内持ち込み荷物のメモ。最近はリュックと貴重品ポシェットを持っていたが機内で必要なもの(まくら、スリッパ、着圧ソックス、アイマスク、歯ブラシ)をがさっと入れられるものがあるといいなと思ってためしに大きな薄いトートバッグに入れてみたら行きも帰りもこれが便利だった。滞在している間も、特に買い物袋として大活躍だった。ゲートはEのエリアだということだけわかっていたのでそちらに進んだ。ベネトンの店舗があったので見てみたけどあまり買う気にはならなかった。
奥の方に行くと簡単なレストランみたいなのがある。6年前もここで食事をしたなあ。あのときもゲートはEだったのかなあ。迷ったけど12.5ユーロの"Tuna Poke"にした。ツナのサラダです。だいぶ大きくて、おいしかった。このへんはやっぱりイタリアだよなと思う。一食分あるくらいしっかりした量。空港の12ユーロは仕方ない。日本円にして2000円超える。円安…
席についてゆっくり食べることができてよかった。今回はコンセントにつなぐ、形を帰るやつ(名前がわからない)を持ってくるのを忘れたので、ここで充電はできなかった。来年以降の反省。
搭乗時刻の1時55分がようやく近づいてきたので席を立って移動。歯磨きしたりして待っていたらEの21という案内が。トコトコ歩いて到着。乗客は、またしてもほとんどイタリア人。8割くらいいるのではないだろうか。行きもイタリア人多かったのに。これから日本に行くということは、夏休みをこれからとる人たちもいるのだろう。
帰りもITAエアウェイズの直行便。残念ながら機体は、間違いなくかつてのアリタリアのものを使っている。白いから。外から見てもわかるボロボロ具合だった。これで本当に飛ぶのか、と思いたくなる。
基本的に、席の掃除はされない。というか掃除自体されない。座席ポケットは埃だらけ。床も髪の毛だらけ。飲み物をこぼして固まった跡が席の脇のところについている。そして画面が汚い。タッチパネルなのにタッチしたくない。運ばれてきた食事をテーブルにのせると、すーっ、と前にすべってくる。何回やっても同じ。つまりテーブルがまっすぐじゃない。これは初めてじゃないし、以前は手で支えながら食べなければいけなかったので今回のは許せた。
極め付けは、トイレの鏡が割れている‼︎しかもテープで貼ってある…。これはひどい。ここにかける金くらいあるだろうに。本当にこれでスターアライアンスに入るというのだろうか。ルフトハンザに怒られないのか。怒られてほしい。
それでも直行便の魅力には抗えないのだった。
まず搭乗すると大音量でイタリアの歌謡曲がかかっている。降りるときも同じだった。周りを見回すと、行きと同じように、italo-giapponese 親のどちらかが日本でどちらかがイタリア人、という子供たちが結構いた。イタリア語と日本語が混ざって出てくる。聞いていて面白い。それに親が何語をしゃべるかも面白い。日本語を話すイタリア人のお父さんもいれば、イタリア語を話す日本人のお母さんもいる(←これ多い)。ただし居住はどこかわからない。こどものイタリア語の流暢さを聞くと、これはイタリア在住だろう、と思うけど。
見た映画は、ブリジット・ジョーンズの日記(最新作)、バードマン、ミナリ。どれもかなりよかった。
ブリジット・ジョーンズは期待を超える良さだった。自分に子供がいるのもあるだろうけど泣いてしまった。そして演技がいい。続編をつくると大抵コケるのに、この映画はよくなっている。昔のやつもう一回見たいな。あれでどれほど英語を学んだだろう。
バードマンは一度見たことがあって気に入っていたので久しぶりにもう一回見たくなった。レイモンド・カーヴァーの小説を舞台でやる、という設定なので、小説も読み直したくなる。それにしてもカメラワークがすごすぎる。有名な話だが、この映画は2時間ずっとカメラの画面が切り替わらない。すごい映画だと思う。
ミナリ、これがよかった。韓国ドラマを見るようになって以来、欧米の映画やドラマを連続して見ているともの足りなさを感じる。嘘くさい、とまでは言わないけど自分から遠い感じ。ということで「ミナリ」を見た。とてもいい映画だった。案の定、たくさんの賞をノミネート、受賞しているらしい。
あとはひたすらテトリスをやって、到着まであと3時間というときにアイマスクをつけてみたらいつの間にか寝ていたようだ。2時間もないくらいしか寝ていないけど、なんだかそのあとがすごく楽だった。
揺れさえなければもう少し寝ていられただろう。あんなに揺れたのはきっと機体が古かったからじゃないのか?(と思いたくなるくらいボロボロの飛行機だった。)
到着と同時に拍手が起きて、旅の最後までイタリアだった。行きの飛行機よりさらにイタリア人が多いフライトだったし、これから日本観光をするワクワクでいっぱいの人たちなのでこうなる。
10時すぎに着いたので11時間半くらいで到着したことになる。たいていはほぼ寝ない状態でふらふらしながらリムジンバスに乗るのにきょうは余裕があり、しかも帰宅してから洗濯や荷物の片付けもできた。倒れ込むように寝ることはなく、2時から3時まで、1時間だけ寝た。
「すん」としていて静かな日本。これだけ人がいるのに電子音しか聞こえない。 |
帰ってきてからの感想:
日本はまだまだ暑い。久しぶりに、ちょっと歩くだけで汗が出ている。まだ夏休みという人たちもいるのだろう、なんだか静かな感じもする。帰国してもいつもより「わー、久しぶりだなあ」という感じがしない。なぜだろうか。
気持ちがいいと思うことと、寂しく感じること:
東京は、人がきびきびと働いて、あちこちがキュッキュッと磨かれている。いいなと思う。いつもどこかで誰かがペコペコしている。日本の人は体が小さくて、細い。
バスから建物を眺めながら、こんなに狭いところに、こんなにたくさんの人がいるのに、整然と機能しているというのはやはり奇跡的なことだなと思う。その代わり一人一人の抱える我慢の度合いは高いし、ほかの文化圏の人たちが気づかないところまで気づくがゆえに、神経を使っている。無意識に。
仕事で頑張っている分なのか、ほかの場面ではコミュニケーションをとらない。とるのが下手、なのではなく、とらないのが普通。たとえばバスに乗車するときに挨拶はしないし、スーツケースを運転手から渡されても「ありがとうございます」の一言は出ない。
それでも、去年に引き続き、帰国して「日本いいな」と肯定的に感じている。豆腐と納豆が気軽に買える。自転車でどこにでも行ける。すぐ近くに病院も歯医者もある。銀行や役所が決められた通りに動いている。落ち着いていて、静かで、余計なことに口出ししてこない、黙っているだけで自分のテリトリーに誰かが入ってくることはない。出産やコロナを経てものの見方も変わった気がする。イタリアと日本、それぞれのいいところを都合よく使いながら生きていくつもり。