きょうの午前中は台風が来たのかというほどすごい風が吹いた。雨はちょっと降っただけで、お昼ごろには風も止んで普通の天気になった。今は暑い。2週間前、ここに着いたときは寒いくらいだったのが、だいぶ気温が上がって夏らしくなった。きのうの夜は初めて、暑くて起きた。
来週の火曜に日本に帰る。もう木曜なので、1週間も残っていないのか、という事実を認めようと努力している。日本もお盆ということで、インターネットを見ている限り、なんとなく「お休み」な感じが伝わってくるので、こっちも遠慮せず休む。仕事のメールも見ない。多分1週間以上見ていない。こうやって「すべてを止める」期間をもう少し日本も確保していいだろうにな。たぶんお休みっぽくなるのは今週くらいだろう。
日本にくらべるとイタリアのほうががっつり休むだろう。イタリアの夏休みは3ヶ月。ただしこれは「学校の」夏休みである。全国民がいっせいに3ヶ月休んでいるわけではない。この前会ったイタリア人も「明日から仕事」とか「来週の金曜に戻る」とか言っていた。自分が休みをとれるところで取るのだろう。
こういうのは実際に来てみないとわからないものだなと思う。下手すると、イタリア人が3ヶ月ずっと休んでいるように思い込んでしまう可能性はある。日本にいて「いいなあガイコクは…」と思っていると。
思い込み、偏見、バイアスは怖いなと思う。相当意識しないといけない。頭ではわかってはいるけど、いったん自分が住んでいる場所を強制的にでも出てみないと、それらからはなかなか抜け出せない。あるいは統計を調べてみるなど。人間は偏見のかたまりです。
たとえば「◯◯人は〜〜している人が多い」というようなフレーズは簡単に使わないようにしている。せめて「…多いらしい」と断定を避けたり、「こういう人を見たことがある」とか、自分の経験から話すべき。
日本人でもイタリア人でも、3ヶ月休む人はいるだろうし、逆に1日しか休みがないという人もいるだろう。
また、地域差もある。イタリア人はとても明るくてフレンドリーですぐに話しかけてくる、と思われている。日本と比較すると、それは本当にそうだと思う。ただし今私がいるところでは、人々はおとなしめ。観光地で当然のスリも泥棒もない。安全で穏やかそのものである。ローマ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ナポリ…といった観光地を訪ねた人たちがここにくるとおそらく驚くはず。
スーパーで撮ったこの写真。
何かというと、全部ビール。ワインをよく飲む国というイメージがある。「イタリア」という言葉から連想されるイラストを描くと、パスタとピッツァに並んでワイングラスを描く人もいると思う。実際、ワインはとても一般的で身近な存在だが、ビールもたくさんの種類があるし、よく飲まれている。違いとして面白いのは、缶入りはほとんどなく、瓶入りという点。
これらは「バイアスかかってますよみなさん」と知らせたいというよりは、自分への戒め。実物を見たり、データを見たり、経験をつんでいない限り断定をしてはいけない、ということ。繰り返すが、かなり意識しないと、バイアスから抜け出すのは難しい。