Saturday 10 August 2024

イタリア「海」考

 イタリアに着いて一週間。書きたいことが毎日あふれているのに結局書かないままその日が過ぎる。順番でなくても、整理しなくてもいいから思いついたことを書き留めておく。

一昨日だったか、海に行った。私はあまり乗り気ではなかったが、まあいいかと思い、行くことにした。乗り気ではない理由は何かというと車での移動が面倒なことと、日に焼けるのが嫌だということ。こういうのが、イタリア人は全然気にならない。(そもそもイタリアにいて日に焼ける心配をする人がいったいどれくらいいるのだろう。)

今さら説明の必要なことではないがイタリア人は海が好きだ。好きなどというレベルではなくDNAに組み込まれているというか、海があればそちらに向かうようにそもそも性質としてできているように見える。海水で生きているんじゃないかというくらいだ。日焼け、水着、持ち物、距離、食べ物、距離、砂、車、お金…などという、たとえば日本人だったら気にする事項がこの人たちには一ミリも引っかからない。海に行ってからも楽しみ方がうまい。読書、昼寝、カードゲームなどで好きなように過ごしている。ビーチパラソルの下に入る人もいるけど、あえて日の当たる場所で、日光にたいして90度の角度?で寝そべっている人たちが多い。同じ人間なのに太陽との相性がどうしてこんなにいいんだろう、と思わずにはいられない。肌が焼けて痛いとかそういう悩みとは無縁だろう。いやもちろん日本人にだってそういう人もいるだろうけど。

ちなみに我々が行った海はペスカーラで、そこにいる人たちの9割以上はイタリア人だと思う。日本人どころかアジア系の人はまず見かけることがない。聞こえてくる会話はイタリア語。1家族だけ、英語が聞こえた。観光地という感じではない。日本の、関東近辺だったらこれが激混みだろうなと想像がつくが、そこらじゅうにビーチがあって当然のイタリアでは全然混まない。そして何より、海に行くことが特別ではない。日常として、ここにいる。

そう、日常なので、水着を着ることも特別ではない。日本で水着を着るとなると相当な覚悟が必要な気がする。(わかりますよね。)なによりも、周りの目を気にする。しかしここにいる人たちはまるで普段着のように水着を着ている。じろじろ見たり見られたりすることがない。お腹は出ていて当然。人間だから。そんな感じ。

子どもたちも多い。3歳くらいの女の子たちが言い争っている様子が面白かった。いや本人たちにとっては面白いどころじゃないだろうけど。3歳ですでにジェスチャーがイタリア人のそれで、かわいいことこの上ない。公園で遊ぶかのように海で遊んでいる。

中学生くらいになると、大人なしでたむろしている。こんがり焼けた肌。海水でからまった髪。手にはスマホ。男女ともにいる。これをみるとイタリアだなあと思う。受験勉強どころか宿題もないんだろうな。夏休みなのだ。長い長い夏休み。

海はまあきれいだけど、海水浴の経験が日常的ではない私にとってはこの海がどういう海なのかという判断はつかない。魚がたくさん泳いでいて、浅くて、水はぬるい。なんの問題もない。ただ、日本の、南の島のほうがもっときれいだというのは言える。たとえば宮古島に行ったことがあるが、あの白い砂と透き通った水にはかなわない。

日焼けについては、日焼け止めを塗っていれば大丈夫かというとそうでもないのだが、海にいくといろんなことが「まあいっか」となる。暑いと感じれば海に入ればいい。水に近づくと、風がつめたくなる。これ以上ない開放感。海にでも行かない限り日常でこの開放感はなかなかないだろう。

少しして、パラソル下に戻って横になり、本を読み始めたらうとうとしてきた。

帰る時間になって海水を落とすためにシャワーをあびる。シャワー一回につき20セント。30円くらい。個室ではない。水着を着たまま、浴びる。昔、家族で行った海で、シャワーが1人200円だったのを覚えている。小学生ながらに、水が200円もするのかとなんだか親に申し訳なく感じたのを覚えている。家族であびたら1000円。今の日本で海水浴をしたら一体どれくらいするんでしょうか。30円で浴びられる場所があるのだろうか。

家に戻って、パスタを作ってもらった。モッツァレッラと、トマト。フジッリの大きいやつで、フジッローニという。日本で売っているのはまず見ない。気づいたら9時すぎていた。8時まで太陽が沈まないので、いつもこんな感じになる。疲れ切って、寝た。

暑すぎる9月

 おかしいよなこの暑さ。きのうの朝、雨は降るのか一応チェックしておこうと思って天気予報をみたらなんと37度と書いてあって一瞬くらっとした。毎朝「今日こそはマシかな〜」と思って、起きてから窓の外を見るけど全然涼しくならない。きょうは35度らしい。勘弁してくれ。少しも涼しくならない。...