きのう。日曜ということで市場へ行った。メルカート、と呼ぶ。つまりマーケットのこと。メルカートに行くのは日常的なことで、たとえば「メルカートってどんなかんじ」とどのイタリア人にきいても同じような光景が彼らの頭のなかには浮かぶはず。小さなまちでも、大きな都市でも、行ける範囲のところにメルカートがある。
わたしたちが行ったのは、チェパガッティというまちの市場。小さいまちだ。人口は1万人くらい。いつも通過しているだけだが、降りてみると壁にたくさんの絵がかいてあって面白かった。
イタリアでも行った場所は限られていて行き尽くしたわけではないが、こういう、中世からまるごとそのまま残ってるようなまちにすぐに出あえる。そしてそこに人が生活している。日本だったらちょっとさびれた感じになるだろうと思うが、そんな感じはまったくない。観光で栄えているというわけでもない。でも必要なものはたいていそろっている。細かく見たらそれでももちろん、職がないとか、問題はあるんだろうけど、いわゆる「さびれた」感がないのである。それはもともと建物が古いからなのかもしれないけど。
塔の外壁がとても可愛かった。カラフルな、お皿みたいなのが埋め込まれていた。
肝心の、市場について。規模は思っていたより大きかった。一つの通りで終わりかと思ったらもう2本くらいの通りを使っていた。5年前にも行ったはずだけどあまり覚えていなかった。私たちが行ったのは10時近かったのでもはや終わりかけていた。だいたい8時ごろから開いていて、お客さんもそのくらいには結構いるらしい。
衣料品の店が多い。靴下や下着なんかをここで買う人たちは多い。3つで500円とか、そのくらいの安さ。台所関連のものも必ずある。見ていて飽きない。
感心するのは、こういうトラックでやってきている店の出す服であっても、デザインと発色がとにかく優れている。ハッと目を止めるものが多い。品質やブランドを気にしなければ破格の値段で買える。イタリアのおばあちゃんたちが、普段家で来ている服があんなにおしゃれなのはなんでか、というのが市場に行くとわかる気がする。
こういうのが1000円以下で売っている。服のタグをみるとイタリア製。こんな派手なのきれない、と思うかもしれないけどイタリア人は上手に着こなすんですねこれが。
なにを買う気もなかったけど、ふと見つけた半袖のシャツが、私の好みにビンゴだったので買った。14ユーロだったはずだけど、値切ってもいないのに10ユーロにしてくれた。1000円…じゃないですね、1600円ですね。どうせメイドインチャイナかな〜と思っていたら、タグにはイタリア製と書いてあった。もう一枚買えばよかったかな。どこのメーカー、とかブランド、とかがわからないのでその場で出会えた運がすべて、というところも市場ショッピングの特徴かもしれない。