Friday 29 March 2024

いっさいはんは最強

 1歳半。

めいは1歳半である。26日から帰省していて、弟の一家と一緒に過ごしている。姪が2人。ひとつ屋根のしたに8人がいる状態。たいへん賑やかでいつもどこかから泣き声やわめき声が聞こえている。こどもの声は高くていい。なかでも1歳半の姪は、もうどこを切り取っても、おもしろくて、たいへんで、かわいい。

・Yesは「ん」、Noは「え〜」

・使える語彙は限られているがこちらの言葉はほぼ理解する

・特定の人間にしか抱っこさせない

・「おいし」「あけて」「あぷ→スプーン」「すぷ→スープ」「ぱんぱん→パン」

・気に入らないとおもちゃも食べ物も投げたり押し戻したりする

・他人が食べているものを食べたいので食事は中断する。飽きて中断、再開の繰り返しなので第4次ぐらいまで食事が続く。

妹が生まれたばかりで親を独り占めできず、我慢を強いられることが多い。健気にがんばっているのだ。わたしに完全に心を許してはいないが笑顔を向けてくれるのと、朝起きておじぎをしてくれる。「ども〜」という感じ。

みていて何かに似ていると思ったら、サザエさんに出てくるイクラちゃんだ。語彙が限られているけどYes /Noがわかるので意思疎通ができる。イクラちゃんは1歳半だったのかもしれない、と思った。

1歳半か…と言いながらもう一つ思い出したのは「いっさいはん」という絵本です。みなさん知ってますか。1歳半の子に「あるある」なことをまとめた絵本だが、子というより親向けの本。自分の子が1歳半をとっくにすぎた今、その本の存在さえ忘れていた。1歳半は、最強。

もう、なにもかも、すべてがかけがえなくて、もはや「一瞬」と言ってもいい貴重な時間。文字通り、かけがえがない。あと1ヶ月もしたら姪はずいぶんといろんなことが変わっているはず。そう考えると、こちらもぼーっとしちゃおれんなという気にさえなる。

抱っこしてあげたいんだけどちっとも近寄ってくれない。おいで、と言うとにやにやしながら「え〜」と言う。泣かれなくなっただけマシか。

Wednesday 20 March 2024

万年筆、外出

なくなったと思っていた万年筆が職場の引き出しから出てきた。一本千円のものなので、なくなってもあきらめはつくのだが少し気になっていたのは事実だった。中のインクは空っぽだが一体何色を入れていたのかさえ判然としない状況だった。家に連れて帰って洗うことにした。

 翌朝の万年筆カートリッジ。

朝日を浴びているものは万年筆であれ食べ物であれ、ハッとするくらい美しい。ああこの瞬間を切り取りたい、と思ってその時やっていることの手を止めてカメラをとりに走るくらい。目で見たまんまを画像に残すにはどうしたらいいだろうと思って絞りや露出をいじってみるがまあこれが限界かなと。

万年筆をあらったりインクをかえたりするのは、余裕のあるときに限られている。手も汚れるし、水も使うし。手も汚れるし、水も使うし。

ここ最近風がひどい。花粉もひどい。きのうから鼻声になってしまった。風邪をひいたのではなく花粉症で鼻水がとまらないせいだ。薬は効いていない気がする。

花粉やら疲れやら諸々の原因があるのだろう、相変わらず朝すっきり起きられない。きのうの朝起きた時は、目覚ましで起きたのだがまさかそれが朝だとは思わなかった。覚醒に近づいてない、深く眠っている時間だったように思う。きょうは目覚ましを15分くらい遅らせていたのだがそれでいったん起きたあとやはり眠ってしまい、6時前に起きた。私にしては遅い。

コロナがあけてからのこの1年、あまり外出したいと思わなくなった。本を読んだり運動をしたり料理をしたりして、9時に寝たいと思う。9時にふわーっと眠ることの魅力が何よりも強い気がする。そして朝早く起きたい。夜明け前の空を見ることを欠かしたくないので、寝る時間も遅くしたくない。そしてアルコールに何も魅力を感じない。無駄に腹を膨らませているだけだと思う。もちろんたまには飲むけどちょっとでいい。じゅうぶんだ。英語圏ではこういう人に"Get a life!"というんだろう。もう少し暖かくなったら外出したいと思うかもしれない。今のところは"This is my life."というのが最適な回答だ。

Tuesday 19 March 2024

連日で稽古、シナモンロール

花粉がひどい。今年はいつもと比べて症状が軽いなんて思っていたのは間違いだった。鼻水と無縁だな〜なんて思っていたのに。花粉の時期があとにずれているだけだ。いつまでも寒いのできっとその影響があると思う。 

きのうはローションティシューを持ち歩いた。合気道の仲間によると「油分が含まれている」らしいので鼻の下が痛くならずに済む。

合気道といえば、土日連続で稽古に行った。土曜の朝に初めて行った時ほど「あれ、これるんですね?」など声をかけられることはなかったが、自分にとってはこれはとても珍しいことである。つまり二日連続で稽古に行くということが。実に7年ぶり?とにかく子供が生まれてからは初めてだと思う。

土曜に行くようになって1ヶ月半。週末は1回で十分だと思っていて、土曜に「やるべきこと」が済んでしまえば日曜はフリー、としていた。それでも日曜稽古に行かないうっすらとした罪悪感のようなものもあり、かわりに水泳に行っていた。

それがこの日曜は「行きたい」と思ったのだ。自分のなかでの変化だと思う。無理にでも行っていた時期のことを考えると「お、すごいな」と、客観的に、思う。

その結果日曜夜の疲れはひどいものだった。脚が痛い。身体中痛い。遠足で10km以上歩いたときみたいな感じ。こんなに身体を使うものなのだなとあらためて思った。しかし不思議なほどに筋肉痛がない。翌朝も、今朝も、全然痛くない。

日曜に焼いたシナモンロール。見た目も味も豪華にするにはバターと砂糖を惜しんではいけない、んだけどちょうど良いバランスを見つけられるのが家庭で作ることの良さです。自分にとってちょうど良いように自分で調節する。ちょうど夕飯の時間に焼けたので、子供と食べながらもう夕飯これでいいねなんて言った。焼きたては全然重くなくて、しゅるしゅると口に入っていく。

Sunday 10 March 2024

3月8日はFesta della Donna

8日。前日の夕方、来年度の人事が発表されて納得のいくものではなかったので心が落ち着かない。喉と心臓の間あたりが痛いようなつっかえるような感じ。ふと気づくと呼吸が浅い。眠りも浅い。5時前に目が覚める。

5時。外は暗いのに大きめの雪がしっかり降っていて驚く。紅茶をいれて新聞読む。

6時過ぎ。PCをみていると、メッセージが届いていることに気づいた。「生まれました」。なんと、姪っ子が生まれた。気づいたらその日はフェスタ・デッラ・ドンナ。国際女性デー。日本ではたぶあと50年経っても定着しないであろう国際女性デー。イタリアではミモザをもらっていろんな人からauguriって言われる国際女性デー。すごくいい日に生まれてきたなと思った。夜中の12時過ぎだったらしいので、まさに8日になってちょっとで生まれてきたわけだ。ようこそこの世へ。
そして、狙ったわけじゃなかったけどわたしは8日が子宮頸がん検診とマンモグラフィの日。仕事が休めるのがちょうどこの日だったから8日にしたわけだが、うまい具合に国際女性デーだった。3月は婦人科検診、ということになっている。なっている、といっても自分のルール。病院からお呼びがかかるわけでもないけどなんとなく3月。ひなまつりもあるし?もしかしたら当初そう思ったのかもしれないけど。そもそもミレーナを入れているのでもっと頻繁に婦人科には通っているが。

さらに出かける時にバッグに入れたのが川上未映子の『ウィステリアと3人の女たち』。川上未映子といえば我々の世代を代表するフェミニスト。ようやく最近、(真冬に)『夏物語』を読み終えて、それはもう面白かったのでウィステリアも読んでみた。1つは柴田元幸のMonkeyに載っていたのと同じものだったので、あれ、これこの前読んだなと思った。その他3編も、これでもかというくらい「女」な短編でした。

3月8日、これだけの要素が偶然にも勢ぞろいするなんて。

女たちおめでとう、この生きづらくもすてきな世の中を、楽しんで、女に生まれたことを、楽しんで、しっかりと地に足をつけて、誰がなんと言おうと、前を向いて、女でよかったと思えるように。
健診はあっという間に終わり、お茶の水の丸善でいつものように本を見てまわる。こんなに充実した本屋さん、どうしたってつぶしてはならない。いや別につぶれるという話が出ているわけではないけど、今実際の書店というのは消えゆく存在だから。ここにいる人たちは、何は無くとも立ち寄ってしまう、という種類の人たちだろうなと思った。

帰宅する頃には晴れてた。12時ちょうど、水菜とツナと卵とナッツのサラダを作って、食べた。

天気と一緒に気分も晴れてきた。納得のいかない人事について愚痴りたくて、とにかく誰かと話したかったので、そして自転車に乗りたくなったので、きょうは勤務しないはずだったのに結局仕事に行っていっぱい働いた。話している間に、いつものようにスッキリしてきた。あらためて人事の表を見てみたら、たいへんじゃない人なんていないなという気になってきた。これもあらたな試練なのだろうしこれを乗り越えたらたぶんもっと生きやすくなってくるのだろうと思ったら、しゃべっている3時間のあいだにもう受け入れられるようになっていた。

家に帰るときはとても元気で明るくなっていた。世の中には職場に行って元気がなくなる人もいるのかもしれないがわたしはその逆である。もちろん休みは必要だけどだいたい職場で元気になる。そして自転車に乗っている間に新しい考えが浮かんだりする。

家に帰ると家族が待っていて、いちごのケーキが完成するところだった。ありがとう、と伝えて「きょうはいい日で、わたしは嬉しい」と声に出す。

Thursday 7 March 2024

補助輪がはずれるとき

 こんなにいろいろなことが思いどおりにいかないのに、怒ってばかりなのに、疲れ切っているのに、なんだか楽しい。毎日が楽しい気がする。

こどものこと。

今朝起きた時に、ふとそう思った。具体的に何が楽しみと挙げられるわけではなくてふわっと、次のなにかが楽しみ、と感じた。以前にはなかった気持ちかもしれない。こどものことを考えるとワクワクする。

朝が楽しみだし、家に帰るのが楽しみ。実際に対面してみるとたいへんなことだらけで、宿題にしても何にしてもイライラせずにはいられないというのに。

成長しているからだろう、子も、私も。だんだんと反応も変わってくるしそれに対するこちらの学びがあるからだろう。未来と希望があるからだろう。イライラとワクワクはどちらも確実に存在するが、いまのところイライラ<ワクワクということだろう。

きのうは少し早く帰って、迎えにいった。学童に預けてはいないものの、学童じゃない子も一緒に遊べるようになっているのでそこにいさせた。一緒にあるいて帰っていたら途中でクラスの子に会った。その子が道でとまっていたのでどうしたのと声をかけると「疲れちゃった」と。まあそうだよね、1年せいね、疲れるよね。きょうは習い事?ときくと、うん、と答える。なんの習い事?ときくと「とびばこ」といった。なるほど体操教室か。

3つも4つも習い事をしている子が珍しくない。家に帰ってから「みんなすごいよね〜 なにかやってみたいのある?」と(いつものように)たずねると「ぼくはいやだ」という。さらに「まちがってるとおもうよね、ままも。こんなにたくさんならいごとして」という。その子がやりたいならいいんじゃないの、と答える。たぶんうちの子のように習い事ゼロという子は、たとえば1クラスにおいては片手で数えるくらいしかいないんじゃないだろうか。

スポンジボブを見たいというので見た。45分間限定。それから、返しそびれていた本を返しに行くことになり、子も、いやでもついてこさせた。それぞれの自転車に乗っていった。後ろにのせなくても良くなったなんて、こんな日がくるとは。

そして先々週だったか、補助輪を使わずに乗れたときいていたので、ついにそれを披露してもらうことにした。嫌だ嫌だと言ってはいたのだが、車も人も来ない、広場のようなところでやってみたら、ほんとだ!補助輪なしでいけてる。

これはやはり感慨深かった。長年、学校で働いていて子供たちの学びと自分の指導を考える時によく補助輪を例えにして考えることが多い。「そろそろ補助輪外すときかな…」というのを見極めなければいけない。

それが、自分の子が、本当の補助輪が外れているのを見て、「はぁー」と思った。あまり言葉は出なかった。ほんとだ、乗れるんだ、とあとからついてきた言葉を発した。永遠にこの子は自転車乗れないんじゃないか、なんて思っていたのに。そして補助輪を外すっていうのはもっとうんと大変な作業で苦労と時間が必要なものだと思っていたのに。いつの間にかこんなことになっていたなんて。

帰ってから、宿題をやった。時計を読む練習。先週やったときはコテンパンにできなくて、こりゃどうしたらいいんだろうと頭を抱えていたのに、きょうはできていた。前回、「短い針が二つの数字の間にあったら、小さい数のほうをいう」というのを教えたのがきっかけかもしれない。急にできるようになっていた。といってもまだまだ時間はかかるし間違えるけど。

成長するもんだなあ、と感心する。

こうやって、一年生が終わりに近づいている。

Monday 4 March 2024

もっとも話の合う人たち、バゲット

 この週末も充実していた。子がどうしても友達をうちに呼びたいというので、金曜の夜、ためしに保育園からの友達をさそってみたら土曜に来てくれることになった。久しぶりに会ったお母さんで、楽しくおしゃべりをしていたらあっという間に5時半になった。

気づいてみたら、いま一番話の合う相手はママ友である。大学時代の友達だと、現時点で共有していることがないので話題をすり合わせるところから入る。それに対してママ友は共有できる話題が圧倒的に多い。学校の情報がほとんどだが、必要かつ気になる話題なので尽きることはない。利害関係?が一致している者どうし、ということだ。そして子供が関わるのである程度の線引きがある。適度な距離感を保つ必要があるし、それについてお互いに無言で了解している

ママ友というものに、恐怖心に近い感情を抱いていたが実際のところやっぱりこうなるのだなと、他人事のように感心してしまう。

土曜はまた朝稽古に行ってきた。4週連続。やっぱりこれが調子良い。周りの世界と、ものごとが違って見えます。

そして相変わらずいろいろなものを焼いた。ショートブレッド、バゲット、フォカッチャ、角食パン。めずらしく、バゲットのクープが開いた。


もう少しいいオーブンだと、きっともっとパリッと仕上がるはず。しばらくしてから食べてみたら、全然味がしない。そういえば塩を入れ忘れた。たった3gの塩でも重要な働きをするのだということを思い知らされる。

いっぽうでFはティラミスとクロスタータを作った。というわけで週末はキッチンの取り合いが激しい。

ありがとうとカルボナーラ

 新学期スタート。 子が帰ってくる時間に家に人がいる、というこの幸せ。保育園は4時とか5時まで預けていたのでこんなことはなかったけど小学校は本当に「帰ってくる」ので誰かいないといけない。自分が仕事していてその時間に家でFが子を迎えてくれているというこの安心感は、あらためて、ほかの...