Monday 31 August 2015

夏休み終了

さて明日から仕事に戻る。
だいぶ長く休んだので同僚に忘れられているかもしれない。
私も同僚の名前を覚えていないかもしれない。

明日のために今日は少し早めに起きた。
今日は夏休み最後の日だと思ったら、いろいろなものを整理したい気分になった。

引き出しの中でぐちゃぐちゃになっていたタンクトップを床に出して丁寧に畳み直した。そうしているうちに不要なものが出て来たりする。そうやって身軽になる。

持ち物が多いと、それだけで人生が重い。

いくつか用件を済ませて、あまり必要も無いかもしれないけど髪を切りに行った。儀式的なものだ。気分がすっきりすればそれで良い。

それから友人と会った。
月曜は合気道も、プールも休みなので、少しのんびりしている。

昨日はプールに行った。

数日前に自分の背中を鏡で見たら、肩甲骨が無いことに気づいた。
贅肉に覆われている…!!
最近プールに行ってなかったからだろうかと思ったけど、そもそも自分の背中を鏡でちゃんと見たことがあっただろうか?
身体は動かさない限り、いくらでも、いつまでもたるんでゆく。

それにしても夏の終わりは切ない。
ただ、31日ともなると、もはや諦めがつくし、こういう秋みたいな天気だとなおさらだ。
さて、現実に向き合わねば。

Sunday 30 August 2015

『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』

考えるべきこともあったのだがそれはすべて置いておいて、映画を見に行った。雨も降っていたことだし。

ほとんど無意識にミッション:インポッシブルを選んでいた。


いやこれがもう大正解でした。
めちゃくちゃ面白かった。
映画館は満員でした。

冒頭のこのシーン↓を見ただけで既に「見に来て良かった」と思った。
トム・クルーズについては「ちょっと変わった人」というイメージを持っている。そしてあまりいいイメージではない。あの、娘のスリをゴシップ記事などで目にするたびに、ろくな大人に育たないだろうなあと思う。

久しぶりに映画館で彼の演技を見て、これぞプロフェッショナルだ思った。何人の美女とつき合おうが/結婚しようが/フラれようが、子どもがわがままに育とうが、別にいいのだ。誰が何と言おうと、トムは自分の好きなことを、誇りを持ってやっている。これほどのものを創り上げ、世界中の、何億人という人々を、(おそらく)世紀を超えて楽しませるんだから、彼はもう、これでいいのだ。

ちなみに彼は53歳らしい。
年齢なんて本当に関係ないと思わざるを得ない。気持ちがすべて。
きっと彼は自分のことを「おじさん」なんて呼ばないはず。

単にドンパチやってるだけのアクション映画もたくさんある。
CGに頼りきっていて一体何を見ているのか分からなくなるような映画もたくさんある。
でもこの映画は違う。

アクションのレベルがとことん高い。
モロッコのハイウェイと、水中のシーンはすごかった。
もうほんとにこっちも息が止まるかと思いました。

ちょっと調べてみたら、トム・クルーズはスタントを使わずにかなりのシーンを演じているらしい。

最初の『ミッション:インポッシブル』が1996年だから、それから約20年、質を落とさずに(というかさらに面白く)5作目まで続けている。スタッフの苦労は相当なものだろう。金をつぎ込む価値のある映画だと誰もが信じているからこそできる。

あらためて、20年前の『ミッション:インポッシブル』を見てみたくなった。

やっぱり映画は良い。今日は心が満たされている。

ルーコラ!

気づいたら昨日は何も投稿してなかった。投稿すべきことがなかったのだと思う。インプットが無いと、アウトプットも無い。

昨日の朝驚いたことがひとつ。
ルーコラの芽が出ている…!!
しかもすごい勢いで。葉野菜は簡単とは言うけど、こんなに簡単とは…。
韓国に行く前日に種を蒔いたので、3日ぐらいで出てきたということだ。


このあとどうなるのだろう。とても楽しみだ。
ルーコラの味は独特なので好き嫌いはあるかもしれないが、私は結構好きなので、これでわんさか食べられるようになると良い。

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昨日は一日中特に何もしなかった。
朝9時過ぎに、玄関のチャイムで目覚めた。アマゾンの再配達。
こんなにたくさん寝るとは。

いくつかの用事を済ませるべく、小雨のなかを自転車でうろうろした。
夕方から合気道へ。
身体を動かして汗をかくのは本当にいい。

じょじょに身体の調子を整えないといけない。

きょうは雨が降っているのでウロウロする気にもならない。
今日は昼から映画を見に行くことにした。贅沢な休日。

Friday 28 August 2015

日本に帰った

日本に戻りました。たったの二泊三日だったけど、この「ようやく」戻ってきた感は大きい。
これからしばらくは東京の家に落ち着く。9月からは仕事も始まる。ようやく普通の日々に戻ろうとしている。これだけ移動が多いと疲れる。

旅行会社の添乗員なんて、すごいと思う。
(当たり前だけど)文句一つ言わずに、しゃきしゃきとほかの人を責任持って連れて行ってくれるんだから、もう本当に感心する。しかも時間はきちんと守るし。集合の20~30分前には身動きのできる状態でいるように見える。

脚がむくむとか肌があれるとかお腹すいたとか隣の人が太ってて席せまいとか寝不足でイライラするとか、常に何かしら文句を言うべきことがあるというのに!
これを仕事にできる人が世の中にはいるのだ。

それを得意とする人が、それをやれば良いと思う。
数字が好きな人が数字を扱う仕事をすればいいし、パソコンが好きな人がプログラマーになればいい。世の中そうやってできている。

成田から帰るときにどうやって帰るべきか迷った。
通常、ヨーロッパから帰る便が多くて到着はたいてい早朝着なのだが今日は午後4時過ぎ。
人が多い。

以前にも聞いたことがあった、東京駅までの1000円バスを使おうかと思ったら、あと40分近く待たなければ行けないといわれた。同じ会社なので、たとえばほかの方面行きも1000円だろうと思ったら、なんと3000円だそうだ。

「???」

なんで?
おかしくない?

「えっ、東京駅以外は同じ会社でも3000円なんですか」
「はい、東京駅だけです」

どういうわけか分らないけど、別のバス会社に変えて、「ええい」と思って3100円払い新宿まで向かった。渋滞で長くかかったが、電車よりはストレスが少ない。

やっぱりこの方法よりいいのは無いかな…。

7時すぎに家に着き、ゆっくりお風呂に入ってパスタをゆでた。
トマトと、モッツァレッラと、バジル。きょうはリガトーニ。これがいちばんシンプルで、世界中どこに行こうとも一番食べたくなる食事。これだけで満足。

Thursday 27 August 2015

韓国2日目

昨日は涼しかったのに今日は暑かった。
歩き回って結構疲れた。
[今日のお昼1]
[今日のお昼2]

初めて韓国に行ったのが2002年で、当時はまだ韓国ブームの始まる前だった。
その翌年ぐらいからものすごい勢いでブームになり、日本人観光客が激増したのだが、近年になって以前ほどの騒ぎではなくなったようだ。

理由はいろいろある。
単純に、韓国への熱が冷めたというのは、ひとつ。
それに、MERSの影響も、ひとつ。
それから、去年あった大型船の転覆も、ひとつ。
さらに、日韓関係も、ひとつ。


 海辺にあるお寺というものに行ってみたが、あまりにも新しく、人工的すぎてまったく感動が無い。眺めは良かったのだが。
ヨーロッパで数々の遺跡、遺産群を見た後だからかもしれない。

デパ地下は日本に似てはいるのだが、統一感が無いというか、雑多な感じで、まあそこが韓国の良いところでもある。高級ワイン売場のすぐ隣に強壮剤とかビタミン剤が売っていたりする。

そして、面白かったのがこれ。
[デパ地下にて]

フォションという、日本にもある高級パン屋ベーカリーなのだが、雰囲気が全然違う。
おしゃれさや高級さのかけらも感じさせない。
店から飛び出して、売り場を作っていて、さらに試食天国みたいになっている。
「らっしゃいらっしゃ〜い」という調子で、まるで道端で団子でも売っているような感じ。

話によると、最初は店の中におさまっていたのだが、隣にあるこれまたパン屋ベーカリーが通路に出て売り始めたため、フォションも同じ作戦で販売を始めたとか。いやー、韓国らしい。

 [今日の夕食]

いい意味で「洗練されてなさ」が韓国の醍醐味だと思う。
品良く食べたら韓国料理じゃない。

だけど!ますますイタリアが恋しい。西洋かぶれと言われても仕方ない。
洗練された、イタリアのスタイルが恋しい。もう、すべてにおいて。

ここではサラダのドレッシングが変な味がするやつしかない。
オリーブオイルと、バルサミコ酢と、塩が、どうして無いのだろう?

ここでは平気で音を立てて食べる人だらけだ。老若男女。
品とかマナーとかいうものは存在しないのだろうか?

売ってるものが全然「素敵」じゃない。
欲しい買いたいと思わない。

10年前だったら気にならなかったはずのことが、気になって仕方ない。
日本も大して変わりません。
だけど私にとっての「外国」として韓国イタリアを比較してしまってるんだと思う。

そして、もしこれが、例えばタイとかベトナムだったらきっとこんなことは思わない。
完全な「異国」だから。
タイとかベトナムは、国を挙げて欧米化を目指したりしてないのが分かるから。

でも韓国は日本と限りなく近くて、似ている点がたくさんあるからこういうふうに思う。
日韓、東アジアの国どうし、欧米にこれだけ憧れていながらも、素敵さに欠けることを惜しいと感じる。

言葉にしにくいですね、難しい。
こんなこと書いたら嫌な感じですね。
単なるpost-holiday syndromeです。
これはこれとして受け入れないといけない。
一時的な私自身の問題。

Wednesday 26 August 2015

韓国より

仕事で韓国にいます。
飛び回ってばかりで全然落ち着かない。
[ホテルの窓から]

昨日、一日だけでも家で過ごすことができて良かった。
ほぼ一ヶ月ぶりに合気道に行った。
行く前はとても緊張した。
久しぶりすぎて、色々忘れているだろうし、1人だけ変な動きをしたりするのではないかと思っていたから。
だけど、着いたらいつものようにたくさんの人が声をかけてくれた。
自然と、お互いに「夏はどうお過ごしですか」と会話が始まる。

ああ、素敵だー!

こういう大人どうしの、ゆるいつながりが日常に存在するなんて。
本当にありがたい。文字通り。

稽古は久しぶりなので、やっぱり戸惑いはしたものの、すぐに感覚は戻った。
「遠ざかって」はいるかもしれないけど「消えて」はいない。
言葉の勉強と同じ。
「忘れる」というのは「消える」ことではない。

今朝は5:30に起きて成田へ向かった。
この前も成田にいたのに、一週間も経たないうちにまた戻っている。
先日は個人の旅行だったので贅沢に行き帰りともリムジンバスを使ったのだが、今回は出張でバス代が全部出してもらえるとは思えなかったので、がんばって電車で行った。

が、やっぱり辛い。

2時間かかる。
空港到着時点でげっそり疲れている。
そして飛行機に乗っている時間は2時間未満なのだから、それを考えるとますます疲れてしまう。

韓国は日本と同じで肌寒い。
昨日台風が通り過ぎたからですね、とこっちの人が言っていた。

仕事ではあるものの、気持ちはほとんど旅行である。
広いホテルの部屋を1人で好き放題使って良いし、何よりも、日本にいない。

この際楽しむしかない。

Tuesday 25 August 2015

マウスピース事件

数ヶ月前、マウスピースを無くした。

(画像はどこかの歯医者さんのウェブサイトから借りてきました。)

が、マウスピースというのは、私が最近始めたボクシングとかホッケーやるときに使うものです。
というのは冗談で、私の場合はスポーツ用じゃなくて、寝る時に歯ぎしり防止のためのもの。

どれだけ探しても無い。そもそも部屋はそんなに散らかっている方ではないしそんなに広い家に住んでいる訳でもないので探す場所も限られている。それなのに見つからない。
探し物は、探さなくなった瞬間に見つかるものだ、と思って探すのを諦めた。

それで、この夏、イタリアにいる間に寝ている間の歯ぎしりを感じた。たぶんすごい勢いで歯ぎしりをしている。本人は寝ているわけだからそこんとこ確信は持てないんだけどそんな気がした。

一時期歯ぎしりをしなくなっていたようだったが、どうやら復活している。

長年の歯ぎしりにより私の犬歯はすり減っていて、いわゆる犬歯の形をもはやとどめていない。それに気づいたことでマウスピースを作ったのがかれこれ7年か8年前。

で、ここ最近、まあ無くても大丈夫かなと思っていたんだけどそうも行かなくなったというわけ。先日思い切って歯医者に予約をとった。

「すみません、使っていたマウスピースをなくしてしまったので新しいのを作りたいんですが」
と、名乗ってもいないのに電話口の人が
「あらぁ〜 だめじゃないですか ○○(私の名前)さ〜ん 笑」
と言われてびっくりした。
「えーっ、声で分かるんですか?!」と訊いたら
「分かりますよ〜♪」と。

この歯科衛生士さんは、長いこと知っていて、とても元気が良く、明るく接してくれる。25歳ぐらいだと思う。あっちは私の名前をこうやって呼んでくれるんだけど、私は彼女の名前を知らない。

ちなみに私は、しょっちゅう虫歯になっているわけではなくて、3ヶ月に1回ぐらい、歯のクリーニングに行っているのでよく顔を合わせる。

* * * * * *

というわけで今日は歯医者に行くことになっていた。
昨夜は結局2時すぎまで眠れず、今朝もかなり身体が重く感じた。
だるいな〜 と思いながら、近くにあったマウスピースのケースを見つめた。
ふと手に取ってみると、中に何か透けて見える。

あれれ…??

中に何か入っている。
まさかと思ったら…

あった。

そこにマウスピースが、あった。


今まで私は何をやっていたんだろう?
毎日、目に入る場所にこのケースがありながら、一度も開けてみようとしてなかった。
入ってないよなあと思ってケースを振ってみたことはあったのだが、音がしなかったので入っていないと決めつけていたのだ。この数ヶ月間…!
ちょっと違う方向に入れていたらしくて、ケースとマウスピースの隙間が無くなっていて、カタカタという音がしなかったのだ。
ただそれだけのことだった。

思い込みって怖いなと思った。
そして探し物は探すのを諦めたときに見つかるというのは本当だと思った。

しかも歯医者の予約2時間前に見つかるとは。何というタイミングだろう。
巡り合わせというか、世の中よくできてるなあと思わないわけにはいかない。

間もなく、歯医者に予約取り消しの電話を入れたのでした。
今日は数ヶ月ぶりにマウスピースをして寝よう。

話変わって、この投稿、ブログ始まって700件目の投稿らしいです!

Monday 24 August 2015

睡眠が不安定

泊まりがけの仕事から帰った。たった一泊だし、と思っていたけど23日の朝早く出て、今日の夜9時ごろに帰宅したので、まるまる2日間は働いたことになる。結構疲れた。

疲れた原因としては22日の夜にまったく眠れなかったことがある。夜中2時に目が覚めてしまい、その後から6時ごろまでまったく眠れなかった。本当に辛かった。時差ぼけだけが原因では無いと思う。少し「考え事」を始めてしまったらノンストップになってしまった。

そのおかげでこの昨日と今日はこれでもかというくらい眠い。昨夜はしっかり眠ったはずなのに、それでも足りない。毎年のことだが、調子を整えるにはだいぶ時間がかかる。

しっかし睡眠が安定しないというのは辛いなあ。さてそろそろ寝ます。

Saturday 22 August 2015

16.8 ローマは夜

話は遡ります。
書いておかないと書かないまま終わってしまうから。自分のメモとしても。

8月16日のこと。名残惜しくはあったがフィレンツェを出てローマへ。
天気は良くなかった。15日にフィレンツェを出ても良かったのだが、Ferragostoは祝日で、避けておいたほうが色々と良いと思ったので16日にしておいた。
電車はFrecciarossaでとても快適だった。日本で新幹線に乗ることがほとんど無いのでちゃんと比較できていないかもしれないけど、ここまで快適とは。途中で飲み物とお菓子のサービスみたいなのまで来たんだけど、当然有料だと思って断っておいた。そしたらどうやら無料だったらしい。びっくりですね。新幹線でもここまでのことはしない。ちなみに片道39ユーロ。90分で移動できる。

ローマに来るのは何回目だろうな、と毎回思うんだけど、もう数えきれない。途中までは数えていたけどもう忘れた。10回は来ている気がする。
となると回数はフィレンツェよりも意外と多いのかもしれない。

5時ごろに着いてホテルにチェックインをすませた。昼を食べてなかったのでフロントの人にすすめられるがままに近くのトラットリアに入ってツナのサラダと、きのこのタリオリーニとビールを頼んだ。

それから少し休んだ。イタリアの馬鹿っぽいテレビがとても好きだ。いちいちツッコミを入れたくなる。それにしてもニュースを聞いても、コメディを見ても、たいてい分かるようになった自分に感動する。「オチ」の面白さまで結構分かる。

そしてジェラート片手に散歩に出かけた。夏はやっぱり夜に限る。ローマは夜がとにかくきれいだ。街灯の色がこの上なく素敵だと思う。

「春はあけぼの」
「ローマは夜」

Via Cavourをまっすぐ歩いて行く。

するとコロッセオに突き当たる。
何度見てもすごい。圧巻である。そしてやっぱり夜に見るのが断然いいと思う。


観光客は朝から晩まで絶えることがない。


ローマには地下鉄が2つしかない。A線とB線。だけどC線を作ろうとしている。コロッセオの前あたりに。もう何年も前から。2年前の夏も同じ光景を見た気がする。何も変わっていなかった。工事中、歩道は狭い。
 「C線 ローマの新しい地下鉄」

夜であれ昼であれ、誰かが工事をしている姿は見たことが無い。少し掘るたびに遺跡が出て来てストップ、を繰り返しているらしい。10年前にも「生きている間に完成を見るのは無理だね」とローマの人が言っていたのを覚えている。先日、イタリア人の友達に聞いた話だが、そもそも戦後からずっとC線の話は出ているらしい。戦後…70年経った。

2年前に無かった気がするのが、この説明。読んでなかっただけかもしれないけど、少し概要が書いてあった。
「工事開始日:2013年4月、工事期間、83ヶ月」だそうだ。本当だろうか。


 

近くまで行ってみて分かるけど、ほんとにびくともしません。
養老孟司が「トラウマ的」とか言ってたっけなあ。こんなでっかいの抱えて生きて行くんだなこの街は。日本は何でもさーっと消えちゃうし取り壊されちゃうんだけど、それがまた良いところでもある。桜みたいに。
 重いですよね確かに。
[コンスタンティヌス帝の凱旋門]

フォリ・インペリアーリに行ってみた。そういえばここまともに歩いたこと無かった気がする。これは「○○帝のforo」とそれぞれに書いてあって、まあつまりここが政治とかなんとかの中心だったわけですね。foroというのは「フォーラム」の語源で、広場みたいな感じ。皇帝たちはここにいたわけ。
はやりのプロジェクション・マッピングもやっていた。

 光の中に浮かび上がる遺跡群はやはり鳥肌モノである。こんなん残っちゃってるのー、という感じ。
 同じ場所を、紀元前(つまり2000年以上前)に、カエサルやアウグストゥスが歩いていたわけだ。いや、歩いていただけだったらそんな場所は世界中にどこにでもあるんだけど、それが、残っちゃってるんですね。
こういうののすぐ横に道路があって車が走ったり、普通の店やら事務所やら立ってたりする。やっぱりローマには敵わん、と思う。ほかのどの都市にもこんなのはない。

 トラウマ的である、確かに。





この遺跡群の向かいに「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂」がある。
これまためちゃくちゃでかい。
昼に見ると、もっと真っ白な感じで、まばゆいのだが、夜はいっそう荘厳な感じがする。
[ Monumento Nazionale a Vittorio Emanuele ll]

[ディオクレティアヌス帝の浴場]
via Nazionaleをまっすぐ歩いて帰る。
ディオクレティアヌス帝の浴場はテルミニ駅の目の前にある。街に遺跡が溶け込んでいるのを見ると、まず、ローマに来たなという感じがする。

というわけでローマを歩くなら夜です。夏は特に。
危なくないのか?
危なくないです。危ないところを避ければ。そして自分さえしっかりしていれば。

10年前、初めてローマに行ったときはもっと変な人たちが多くて、東洋人もすごく少なくて、街を歩くだけでからかわれたりしていたし、危険そのものだったのだが、最近ではそんなことは無くなった。街も以前に比べたらだいぶ整備されたのではないかと思う。

当然のことながら初めて行ったときは他の都市と比べてローマに良い印象を持てなかった。カオスな感じがしたから。でもその手に届かない感じこそが魅力でもあった。だからこそ何度も足を運んだ。まだ地図無しでは歩けないけど。

たいていのものが歩ける範囲にあるので、地図を片手にウロウロしてみると良い。迷ったら道を聞けば良い。

表に出ない感情の行き先

19日の朝に日本に戻り、今日は既に22日。ようやくちゃんと寝て、調子が戻ってきた気がする。調子が戻るというのは、時差ぼけから回復するということだけではなくて、睡眠をきちんととって、顔がしゃきっとしてきて、増えていた体重が戻り始めて…というようなこと。疲れが取れつつある。

時々、「さっき成田に着いた」と言って、成田から直接仕事に来たり、すぐに人に会ったりできる人がいるけど、私には信じられない。私がヨーロッパから成田に着いたときの疲れ方は凄まじい。機内では睡眠もほとんど取れない。その結果、頭もガンガンするし、揺れのせいで吐き気もする。それが全て顔に表れる。目の下にはくまができ、肌が荒れて、脚もむくむ。はっきり言って笑顔に人に会えるような状況ではないのだ。この10年ちょっとで長距離の移動にもだいぶ慣れたといえば慣れたけど、ケロっとさわやかにしている人を見るとすごいなあと思います。

日本に帰ってきてから寝屋川の事件を知った。ずっと前に日本とイギリスのハーフの子がこういうことを言っていた。

日本は通常とても平和だけど、時々起こる事件がすっごいひどくて気持ち悪くて犯人も変態みたいなのが多い。イギリスは、そういう極端なのはあんまり無い代わりに、悪いことは常に起きる。窃盗とか、飲みすぎてケンカとか。日常茶飯事。

寝屋川の事件を見て、イタリア人の友達も同じことを言っていたので、そのことを思い出した。イタリアで盗みなんて本当に日常茶飯事だし、怪しい人たちは見るからに怪しい。避けるべき場所や人が、誰にでも分かる。住んでいる人は常に注意を払って生活している。たとえば日本からの旅行者などにはそれが分らないから被害にあう。

日本人は普段とても穏やかだ。誰かに銃で撃たれるかも、とか、財布盗まれるかも、みたいな心配はあまり要らない。犯罪率が低くて、こんなに安全な国は無いと言われる。だけど、普段表に出ない分の感情の行き先が、時々変な方向に向くことがある。

ちなみにほかの国では痴漢はこんなにしょっちゅう起きませんが。

普段、几帳面で、いわゆる「まじめ」で、これまで優等生でやってきました、みたいな人がすごい変態で事件を起こしたりするのをたまに見ると、「何考えてるか分らない」って怖いなと思う。だったら普段から感情を表に出していてくれたほうがずっと良い。

Wednesday 19 August 2015

18.8 空港にてメモ

今からイタリアを出てルフトハンザでフランクフルトを経由して日本に帰ります。これからドイツの管理下(?)に入ると思うと少し安心する。だけど同時に寂しいですね。

目があった瞬間に、目が何かを語りだす、そういう人たちの中にいると、やっぱり日本はだいぶ物足りない気がする。すべてがきちんと機能して何も困らないんだけど。
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イタリアを出てフランクフルトに着いた。すでに寂しい。イタリア語が聞こえてこないというだけで、ああ別の国に来てしまったのだなという感じがする。コーヒーのにおいもしないし、空港に清潔感があるし。
ローマ→フランクフルト便で、ビーチ・サッカーのチームと一緒になった。イタリア代表らしい。ユニフォームを着ている。

あれだけ生命力にあふれた若いイタリア人男性が20人もいると突如その場の空気が染められる。分かる人は分かると思う。イタリア人じゃなくてもそうですよね、たとえばアメフト選手が20人同じ飛行機に乗ってたら、その場の雰囲気が支配されるはず。それがよりによってイタリア人だから、例えるなら小学(中学じゃなくて)2年生ぐらいの少年がそのまま大きくなったような感じ。

私はちょうどその群れの中に座っていたのだが、本当にこの人たちじっとしてない。少しも黙らない。CAにやたら話しかける。
仲間にまず聞く:「おい、気温は何度ですかって何て言うの」「ハウ・メニ・ディグリーズだよ」「オッケ」
CAに聞く「ハウ・メニ・ディグリーズ?」
20度ぐらいです、と答えられてすぐに、向こうの席の仲間に「おい20度だってよー!」と話す。

この人たち、すごい距離で会話をするのだ。スーパーでもそう。レジの人たちが、レジ同士で会話をしている。それぞれに数メートルずつ離れているのに。


さらに、サッカー選手、ずっと立ってうろうろしている。ついにCAが「座って下さい」と言う。

私の隣の選手がパニーノを食べだしたのだが、パンくずがぼろぼろこぼれる。
床がくずだらけになった。

この人たち、まったく周りの迷惑を考えてはいない。…というのも、周りもみんなこんな感じだから!イタリアでは何よりも自由気ままに、自分が心地よく過ごすことを優先して考える。その結果、こういうことになる。

私は興味を持って彼らの生態を眺めているので特に迷惑だとは感じない。むしろ、見ているだけでこんなに面白い人たちもなかなかいないなと思う。
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で、今日本に戻ってきました。日付変わって19日。やっぱり寂しい。人と目が合うことが無いし、なんかこう、素敵なことが起こりそうな予感が無い。うまく言えないけど、そういうのが道に転がってない。人が、人を見ていない。道の照明もギンギラギンで雰囲気のふの字もない。素敵な服を着て歩いても、街に自分が合わない。逆か。自分に街が合わない。素敵な服を引き立たせてくれる街には、無意識なようで計算されて作られた統一感のもとに、ある空気がうまれる。壁、屋根の色、窓の形、それから何よりも、照明。

[ヴェルヴェデーレから降りるところ]

それにしても日本は静かだと思う。今になってようやく分かった。成田に戻って来たときの、最初の印象をまとめる言葉は「静か」。そういう時間帯に着くというのもあるかもしれないけど、相対的に、住んでいる人たちの口数が少ないから。電子音だけはやたらよく聞こえるけど。

Sunday 16 August 2015

15.8 Ferragosto フェッラゴスト

2週間住んだアパートを出た。クリーニングが入るのは日曜の朝らしいので滞在を一泊延長することもできたのだが、それを知ったときには既にホテルを予約してしまっていた。まあいっか、と思って荷物をまとめて出た。今はホテルにいる。やっぱり少し切ない。ほかの場所を出る時と少し違う。いろいろと理由はある。初めて来た時から10年経った今、もはやここで私は観光客では無い。


今日、道で、10歳前後の男の子に声をかけられた。電話番号ちょうだい、と言う。これは過去最年少だ。あいにく電話を持っていなかったので、電話無いのよと答えたら「ああ…」と納得して帰って行った。
いやはや。

今日は8月15日、イタリアではFerragostoという祝日。祝日と言っても夏休み中なので関係無さそうだけど、祝日の雰囲気は漂っている。通りが静かだし、多くの店が閉店している。今週と来週でヴァカンツァに出かける人たちが多い。今年、久しぶりに来てみて気づいたのは、昔よりも土日祝日に営業をする店が増えているということ。以前は、食べるものがなくても土日は諦めるしかなかったのに。

どこもかしこも"Buon Ferragosto!"と挨拶し合う人たちばかり。この感覚ってなかなかつかめませんね。「祝・お盆」とか言って祝ったりもしませんしね。

今朝はPalazzo Davanzatiに行った。学校が用意したプログラム。詳しくは後から書くとして。それからアパートに戻り、パスタをゆでて、ゆっくり昼を食べて、パッキングをして、ホテルに移り、少し散歩をした。

テレビでは『パール・ハーバー』をやってます。あと、終戦記念日です、というニュースも。この前、花屋の奥さん(ロシア人)から、「ヒロシマとナガサキについてどう思うか」と聞かれた。驚くほどにイタリアでは日本の原爆について人々がよく知っている。というか気にしているんですよね。

さて、寝ます。

Saturday 15 August 2015

10.8 Basilica di Santa Croce サンタ・クローチェ聖堂

フィレンツェに滞在するときはこのサンタ・クローチェの地区であることが多かった。今もそう。というのは、学校がこの聖堂の近くだから。歩いて5分もかからない場所にある。ほかの場所より馴染みがあるせいかもしれないけど、少し落ち着いていて、庶民的で過ごしやすい。

こんなに近くにいたのに、サンタ・クローチェ聖堂に今まで一度も中に入ったことが無かった。誰に聞いても、一度は行くべきと言われる。8月10日、月曜日、学校が終わって一度家に帰り、行ってみることにした。あいにく雨が降っていたが、傘もささずにそのまま聖堂へ向かった。

ものすごい有名な人々がここに眠っている。今まで知らなかった。

[ガリレオ・ガリレイの墓]
手には球体と、望遠鏡を持っていて、下のほうをよく見ると惑星の図みたいなのがある。凝ってるなあ。

 [ミケランジェロの墓]


[ダンテの墓]

色々な人物の像をあちこちで見るんだけどダンテの像が一番威厳がある、と個人的には思っています。時代が少し古いからかもしれないけど。表情の厳しさがほかの人に無い気がする。かっこいいね。

[マキアヴェッリの墓]

[ロッシーニの墓]

 [聖堂内]
先生が"Sindrome di Stendhal(スタンダール症候群)"という言葉を教えてくれた。フランスの作家、スタンダールが、このサンタクローチェ聖堂を訪れたときに、聖堂内を見上げていたらその美しさに圧倒され、めまいがして具合が悪くなっちゃったという話。それに由来して、美し過ぎる作品などに圧倒されて具合悪くなることをこう呼ぶらしい。知らなかった!それならローマのヴァチカンのほうが圧倒的だと思うけど。

[中庭]

お墓以外に、今回見たいものがひとつあった。それはナイチンゲールの記念碑。

キエフの博物館で、クリミアの資料を見たときに、そういえばナイチンゲールってどこの人だろう、と思った。そのあと調べてみたら、フィレンツェ生まれだということが分かって驚いた。イタリア人ではないらしいけど。そして調べていたらサンタ・クローチェの中にナイチンゲールの記念碑があるという。ただ、ガイドブックも持たず、聖堂のどこにあるのか分からない。観光ガイド的な人を見つけたので「有名な看護士の像はどこですか」聞いてみたら、たぶんそれは聖堂の中ではないと言われた。その人も知らないらしかった。ナイチンゲールという名前を出したけど分かってなかった。もう見つからないかなと諦めかけていたそのとき、目の前に現れた。

ラテン語ではなくてイタリア語で書かれてあったのでだいたい読めた。

近くにあってなかなか行こうとしなかったけど、行って良かったと思った。何よりも、混んでないというのがいい。 

ありがとうとカルボナーラ

 新学期スタート。 子が帰ってくる時間に家に人がいる、というこの幸せ。保育園は4時とか5時まで預けていたのでこんなことはなかったけど小学校は本当に「帰ってくる」ので誰かいないといけない。自分が仕事していてその時間に家でFが子を迎えてくれているというこの安心感は、あらためて、ほかの...