きのうから郷里に帰っている。春休みだ。春休みとはいえ忙しいのにかわりはないのだから、よくそんなに休めますね、と言われそうだけど休めるんじゃなくて、休む。なにがあっても休みは、休むと決めれば、休める。わたしは仕事を始めてからずっとそう。そんなことできないと言われていても春と夏と冬はしっかり休暇を取る。事実、学生時代に海外旅行をしていたように、色についてからも海外に行っている。
休めない人というのはなにかにビクビクしているんだと思う。わたしは休むことを何ヶ月も前から、正確に言うと一つの休みが終わったそのときから決めていて、休むときは迷惑をかけないように、休む前までにすべての準備をする。高速で、効率よく、集中して仕事を終わらせる。あとは目をつぶって、すみませんが戻ってからやります、と言う。
それで困ったことは一度もないです。気づいていないだけなのかもしれないけど。そもそもわたしがいないことを意識している人なんてほとんどいない。自分の不在について周りから何か言われているのでは、なんて、それはいわゆる自意識過剰というやつだろう。だって周りの人だって毎日働いているわけではない。誰がいついないか、なんて気にしている人はほとんどいない。あなたが思うほど、周りの人はあなたについて気にしていない。だっていまは春休み。
悲しくなるほど暗い雨のなか飛行機に乗ったけど、ついたらこちらは日差しがやわらかく、空気はあたたかくて、本当に気持ちがい。そこらじゅうをちょうちょが追いかけっこするように飛び回っていて、菜の花の黄色がまぶしい。黄色がまぶしいと思えるのは周りが自然だからで、花屋さんにある黄色ではこんなにまぶしいと感じることはないよ。川の水とか、うぐいすとか、すずめとか、遠くのトラクターの音とかがきこえる。そこらじゅう、いっぱいに、春の匂いがします。
持って来た本を今朝から読み始めた。カズオ・イシグロのNocturnesにした。たまには短編集。きょうすでに一話読み終えた。カズオ・イシグロの書くアメリカ英語。皮肉も混じっていていい。まさかThe Remains of the Dayと同じ作者の英語とはとても思えないんですねー。すごいよ。さてなにしようかな。