Friday, 23 August 2024

トゥスカーニャ散策 ラツィオ州 Tuscania, Lazio ②

21日、トゥスカーニャの続き。
この小さな町は、これがとにかくきれいで、よく管理されている。イタリアの有名な観光地は人が殺到して汚れるがここはそんな感じがしない。

チェントロ・ストリコ(中心街)をゆっくり歩いてみた。いい風が吹く。
ふと横を見るとこういう感じ。絵画のよう。ヨーロッパではこういう石畳のシーンが当たり前すぎるのだが写真にとってあとから見ると「わーきれいだ」と思う。
つたで覆われたこの建物、レストラン。木がにょきにょきはえていて、その間にテーブルがある。
ここにしましょうか、ということでお昼休憩。人気の店なのか、テーブルはあいていなかった。ほんの数分たったら座れた。
「特徴的なのは、メニューがないこと」とマリア。ええっ、と驚くが、考えてみればイタリアでこういう店に出会うのは初めてではない。その日にある、その場のメニューを、言われてサッサと選んで答える。店員がでてきて、「ニョッキかタリアテッレ」x「トマトソースかラグー」というメニューをすごいはやさで伝える。わたしはタリアテッレのラグーにした。メニューがないということは値段も不明。

まあ美味しかったけど特別に美味しいとは感じなかった。なので写真もなし。私にとっては量が少なかった。
ながめのいいところに行こう、ということで少し歩くと、これまたよく管理された公園のようなところに出た。ここからトゥスカーニャのパノラマが見渡せる。これは本当にきれいだった。

よく晴れているけどそれほど暑くはない。30度台の前半だと思う。汗もかかない。気持ちが良い。
遠くに見えるのはお城か、教会か、と思っていたら「さっき行った教会」ということ。そうか、あっちからこっちにきたのか。
中世(より前)からこれがまるごと残っているというのはもはや奇跡に近いなと思う。シルヴィアは「有名な観光地はたくさんあるけどトゥスカーニャは真珠だと思う」と言っていた。perla(真珠)と。ちっちゃく、宝物のように、きれいに管理されて、そのまんま残っている町。
かつて演劇が行われていた場所。
かわった椅子があるなあと思っていたら、女性への暴力防止の啓発のため近年作られているらしい。赤い色がそれを表す、とのこと。

女性といえば、ほんの数時間だったけど女3人で出かけたのは楽しかった。自分が年取ったのもあるけど、イタリアの女性がどう生きているのかというのはとても気になる。話す内容や、立ち振る舞いが日本人とは違う。どっちがいい悪いではない。それでもなんだかのびのび、かつ堂々としている雰囲気はどこからきているものなのか、会話をしているうちに感じるものがある。

マリアは自分より20歳か30歳年上。小柄。小麦色の肌だけどシミがない。背筋が伸びていて、落ち着いて話す様子がとても知的だと思った。

シルヴィアは私と同世代。あちらは2歳と5歳の男の子の母親であり、私は7歳の男の子の母、という時点で共通して話せることは尽きることなく、ある。日伊の違いについてお互いに興味があってたくさん話した。お互いに、母親であるというのは、やりがいはあるけどやはりすごく大変なことであり、言語や環境が違っても共感できることはたくさんある。

家に着いたら、男5人はまだ帰ってきていなかったので「もう少しだけ静かな時間があるわ〜」と言いながらゆっくりした。どこの国に行っても、同じだ、と思った。こどもが生まれてから、そして40過ぎた今となってからのイタリアの見方は、自分のなかでちょっと変わった気がする。なんというか、欧米人に対して抱く劣等感が以前に比べて減ったと思う。子供うまれて、年取って「いろいろたいへんよね」はどこの国行っても変わらず、こどもがいるという経験を経た今は、以前より堂々としている。
本当はもう1泊する予定だったけど、翌日の予定を考えると厳しい、ということに気づいて1日早めてローマに戻ることにした。モンタルトの駅を18:18に出る。まだまだ日が高い時間。
友人に別れを告げる。今度会うときにはきっとお互いのこどももずいぶん大きくなっているだろうね、と。

お父さんの回復、12月の疲れ

父が入院している。経過は良いようで、退院が見えてきたらしい。よかった。毎日のようにテレビ電話で様子をきいているが、話す様子が1日、1日と元気になっていくのがわかる。人間の身体はすごいなあ。 話を聞くたびに、普段の姿勢とか、動き方とか、注意しなければと思う。身体に負担をかける動きを...