Sunday, 16 June 2019

初めてのハンバーガー

すべて納得いくようには生きれていないかもしれないけど日々は楽しい。あっという間に1日は過ぎるので先を見通しながら生きて行かないと貴重な時間を失うことにもつながる。

ふと気づくと、週末が怖くなくなっていた。去年の秋冬は、特に12月は家に帰るのさえ嫌だったし土日なんてもっとも恐れていた。仕事がいかに楽しくて、楽か、と思っていた。金曜の夕方が憂鬱で、月曜の朝が爽快だった。というのも、こどもといるのが大変すぎたから。大変すぎてこっちも泣いたことが何度かあった。それが、週末が怖くなくなっている。そして一緒にいるのが楽しくなってきた。

イヤイヤ期を抜け出したころ、ちょうど霧が晴れていくかのような感じがした。それからしばらく経った今、言うことも聞くようになってきたし、言葉で意思疎通ができるようになってきた。8月で3歳になる。イヤイヤが辛かったころ、「成長のあかしだから」とか「一生続くわけじゃないから」と色々な人に言われたし私自身も自分に言い聞かせていたのだが、実際その通りで、だんだんと大変さはなくなるのだ。その時によって「大変」の種類も違うのだろうけど。

つい最近、何がきっかけだったかわからないけど佐々木正美という人の「子どもの心の育て方」という本を読んだ。これが想像以上に自分にいい影響を及ぼした。正確に言うと自分と家族に。想像以上に、というのは、普段めったに育児書等を手に取ったり買ったりすることはないから。

読みながらとにかく思い出したのは父のことだった。父が私の子ども、つまり孫に接する態度はまさにここに書いてることそのものだったのだ。

この本を読んで以降、心が楽になったし、なんとなく「すべて受け止めよう」という気持ちの余裕ができてきた。そして明らかに変わったのは私に対する子どもの態度だった。単純に言うと、よりくっついてくるようになった。そしてより笑顔が増えた。

0~3才までの子育てについて情報が多かったので、こんなことならもっと早く読んでおけばよかった、とは思ったのだが、まあすぎたことは仕方ない。今からだって、いくらでも抱きしめてあげられる。そして遅かれ早かれこの本に出会えたのはよかった。

きょうは念願の「ハンバーガー」をふたりで食べにいった。

夏用のズボンを手作りしているのだがあと、ウエストのゴムだけが足りなかったのでそれを買いに行った。昼を食べて帰るつもりはなかったのだが私もおなかが空いたし、ふと思い出して「ハンバーガー食べようか」と持ちかけてみたら「そう」と答えた。

こどもの所有するトミカのコレクションのなかに「ハンバーガートラック」というものがある。トヨタのタウンエースなのだが、トラックの後ろに巨大なハンバーガーがのっている、という、トミカにしては珍しい架空のトラックである。それをいつも見ながら、つまんで食べるふりをしたり、「ごまがついてるね」とか「チーズが入っているね」と言っていた。「そうだね」と言いながらこれはいつか食べさせてやりたいと思っていたのだった。

それほど不健康ではなさそうなモスバーガーを選んだ。店のとびらの前でニコニコしながら「ハンバーガーやさん」と言っている。少し緊張した感じで店内に入り「モスバーガーとモスチーズバーガーを単品で」とお願いしたら「おこさんはこちら食べやすいかもしれませんよ」と普通のチーズバーガーを提案してくれた。年配の女性で、とにかく親切だった。つい「この子、きょう人生で初めてハンバーガーを食べるんです」と言うと、嬉しそうに対応してくれた。

外の席で食べることにした。それを伝えると「持ってきますからね、お待ちください」と言われた。トレーを持って外にでて「ここに座るんだよ」と言ったらこどもはおそるおそる、なんと椅子ではなく地面に座った。「こっちこっち」と言って椅子に座らせると「あぶないね」と言いながらじっとしていた。最近こうやって初体験があるとだいたい大人しくしていて、これがまたかわいいのである。

しばらくして持ってこられたハンバーガーたちを見て最初は食べ方に戸惑っていた。一口食べて見せると、小さな口を懸命にあけてかぶりついた。感動の美味しさであったようだった。結局私のぶんまで食べた。すぐに「モスバーガー」という名前まで覚えた。「ごちそうさま、って言ってトレー戻すんだよ」と言って中にもう一度入ると、レジのほうへ子どもはかけていって、「ごちそうさまでしたー!!」と大きな声で挨拶をした。店員はとても喜んでいて、後から追いかけてきて塗り絵をくれた。

こども以上に私が幸せだった。待つときの目も、食べるときの小さな口も、ハンバーガーを持つ手も、食べた後にハンバーガーについて語る様子も、すべてが愛おしくて仕方なかった。

いろいろな経験をさせてあげよう。ものすごく貴重な時期である。

お父さんの回復、12月の疲れ

父が入院している。経過は良いようで、退院が見えてきたらしい。よかった。毎日のようにテレビ電話で様子をきいているが、話す様子が1日、1日と元気になっていくのがわかる。人間の身体はすごいなあ。 話を聞くたびに、普段の姿勢とか、動き方とか、注意しなければと思う。身体に負担をかける動きを...