冬に郷里以外のどこかへでかけたいとはあまり(いや、ほとんど)思わない。この短い期間にいっせいに人が動くわけだから、どこへ行っても混むし高い。海外に行く人の話を聞くたびに「よく行こうと思うよなあ」と、むしろ感心してしまう。羨ましくはない。いってもたったの1週間程度だ。英国留学中を除いて一度も、お正月を海外で過ごしたことはない。
読書の記録。
カズオ・イシグロのThe Remains of the Dayの最後の一章を残して、図書館での返却期限が来てしまったためやむなく返却をしたのが数週間前。仕方がなかったので読みかけていたアリス・マンローのDear Lifeに戻った。読みかけといっても短編なのでスタートしやすい。こういうときに短編はいいなと思う。最初の一話しか読んでいなかったので二つめの話から順番に読んでいる。二話以降もとても面白い。女性の視点から語られるので共感しやすい。場面が想像できる。こんなに面白いものをよく今まで何年も本棚に放置していたものだ。
しかし今朝読んだ"Pride"という話が今までと全然違った感じがしたので、気になっていろいろな書評や、読者の感想を読んでみた。まず語り手が男性だったという点。これに終盤まで気づかなかった。そして会話はほとんどなくて、語り手が淡々と語っていく形式。「いつものアリスマンローではない」というコメントがいくつか見つかった。発表?された雑誌も違う。the New Yorkerが多かったのにこれはHarper'sらしい。編集者とどういうやりとりがあったんだろう、と書かれたものもあった。わたしもそう思う。そしてタイトルとの関連性も考えさせられる。
さてきょうで2025年が終わる。2015年は自分にとっていろいろあった年だった、とよく記憶しているのだが、そうかあれからもう10年も経ったということか。振り返ってもどうしようもないのでいつもふりかえらない。一つ、よかったことを挙げるとすれば、読書の習慣が身についてきたことだろう。8月から、英語の本を、毎日少しずつ読んだ。
Never Let Me Go
The Buried Giant
How to Pronounce Knife
Klara and the Sun
Slaughterhouse-Five
Dear Life(途中)
The Remains of the Day(途中)
誰も知らない自分だけの深い世界を持っているようで楽しい。生きる楽しみが増えたようにさえ感じる。日本語の本もいくつも読んだけど、良質の洋書を読んでいると日本語はおまけ程度に感じる。そもそも、さほど重い内容のものを読んでいないためだが、英語に比べてあっという間に読んでしまうのもある。
先日、恩師から、読書家の私に、と図書カードをもらった。読書家と呼ばれるにはほど遠いと思っていたけど実際に本は読んでいる。わたしが想像する読書家というのはもっとずっとレベルが違うのだが、読書家について定義があるわけでもない。そう呼ばれたことは嬉しかった。もっと若いときから、もっとたくさん読んでいればよかっただろう。この年になってようやく楽しさに目覚めた感はある。遅くはない。「村上春樹以外読まない人」からは脱した感じがする。
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