Saturday 23 March 2013

『テイク・ディス・ワルツ』『ブルーバレンタイン』

何週間か前に『テイク・ディス・ワルツ』を見た。
ミシェル・ウィリアムズの演技を見たのはこれが初めてだった。
特に美人というわけでもないし、ブロンドでこういうタイプの女優はどこにでもいる感じがする、と思っていたのだが、かなり印象に残る人だということが分かった。
見たあとも、あの特徴のある声と、大人なのか子どもなのか分からない丸顔が頭に残っている。

この映画は、結婚して5年ぐらい経つカップルの話。
不幸せじゃないはずなのに、なんだか満たされない女性。
監督も女性である。
細かい心情がよく表現されている。

ミシェル・ウィリアムズの演技が上手いのだ。
極上の美人じゃないからこそ、良いのだろう。
こういう留学生、大学で見なかったかしら、と思うくらいの、その辺にいそうな人である。
演技がリアルに迫ってくる。

評価としては★★★★☆をつけたい。
一応ことわっておくと、私は幸せじゃないわけではない。
だけど共感できるところがたくさんあった。
いわゆる「出会った頃の新鮮さ」を越えたらどうすればよいのか。
誰もが当たる壁だと思う。

だから、「出会ったばかりで新鮮」という人たちが見てもとくに共感はしないかもしれない。

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今日は、『ブルーバレンタイン』を見た。
特に意識したわけでもなかったがこれもまたミシェル・ウィリアムズの映画だ。
以前からタイトルだけは聞いたことがあったし見てみたいとは思っていた。

これがまた、『テイク・ディス・ワルツ』と同じように、「出会った頃の新鮮さ」がなくなってしまったカップルの話。
この話の場合は、娘もいるし、6年経っているので状況はすこし違うが。

「愛さえあればうまくいく」と信じている男。
学歴も高く、医師として活躍する女。

すごいのは過去の回想シーンと現在での、2人の外見の異なり方。
体型も、表情も、ハゲ具合も、服装も全然違う。
ライアン・ゴスリングの服がとんでもなくダサい。
6年でここまで変わるか、と思うぐらい。

現在のほうは、とてつもない悲しさが画面全体を覆っている。
「どうしても、うまく行かない」感が切なくて切なくて、泣ける。(いや、泣かなかったけど、ほんとに、分かる。)
どちらをどう責めることもできないし、結局お互いに「ごめん」というしかない。
ライアン・ゴズリングの泣き方が、本物だった。うまい。
この人もまた「美男子」というわけではない。
だからこそ2人の現在には生活感が漂っている。

この映画のうまいところは、途中で何があったのかについては何も触れられていないというところ。
始まりと終わりだけが交互に描かれている。

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誰かのブログに、ブルー・バレンタインについてこう書いてあった:
「鑑賞者の人生がどういう状態かによって評価が分かれるかもしれない。」
まさに同感。繰返すが、「出会ったばかりでラブラブ」という人たちにはあまり面白くないかもしれない。
そして、これは両方の映画について言えることだと思う。

うーん、人生いろいろ、である。
単なるラブストーリーにするには惜しいくらいに多くのテーマを抱えた映画だった。

ありがとうとカルボナーラ

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