糖尿病の仕組みは高校時代の生物で聞いてはいたものの実際自分に関係ないとなるとほぼ忘れてしまっていた。あらためて説明してもらって、ははあなるほど、やっぱり食事と運動は大事なのだ、と感じた。研究者の方がやたらと言っていたのは「子どもたちがスナック菓子を食べながらゲームをするというのはよくない」ということ。それ以外にも例はあるだろうに、イラストつきで不思議とその例を繰り返していた。若い世代にも糖尿病は珍しい病気ではなくなってきているのだろう。
ショウジョウバエを使って糖尿病の研究をする女性がいた。「これが、ショウジョウバエの脳をスライスしたものです」とプレパラートを見せてもらった。インクのしみとも言えないほど小さな点が並んでいる。驚いた。「スライス、って言ってもどうやってスライスするんですか」と訊いたら「きゅうりの薄切りと同じですね」とにっこり。参った。
認知症の話もかなりおもしろかった。まず、認知症には色々な種類があるということをしらなかった。ALSも含まれるとは。認知症は脳にあるタンパク質の「つまり」が原因らしい。そのタンパク質の種類によって認知症の種類も異なる。それと同じ状態にした細胞が培養されている。培養細胞に化合物をふりかけて、その固まったタンパク質が消えるかどうかがこれからの実験らしい。培養細胞も顕微鏡で見せてもらった。
それにしても研究とはなんと時間と根気とお金のかかる作業だろう。すでに述べたタンパク質についての研究が行われていたのが2002年のことだ、と言っていた。この人たちも、施設も、資金と援助がなかったら終わりなのだ、ということをあらためて感じた。
ところで研究者というとどんな人を思い浮かべますか。白衣?ここであった人たちは極めてリラックスした格好をしていた。パーカーとサンダル、とか。ボーダーのシャツとか。こっちもリラックスできた。研究内容と服装は関係ない。いいですよね、そういうの。