ナニソレ、という人のために説明すると、髪をまとめるためのゴムである。
ただし、普通のゴムではなくてその周りに布がついている。
ちょっとそのあたりを見回してみれば5分間以内に使用している女性を3,4人は見かけるだろう。
もともとはフランス語で
chou chou
と書く。chouは「キャベツ」の意である。
chou chouと繰り返すとmy favouriteの意になるらしい。
chou chouと繰り返すとmy favouriteの意になるらしい。
2004年当時、それは流行っていなかった。確実に記憶している。
なぜなら、イギリスに滞在していたときに日本人の友達とこういう会話をしたことがあるからだ。
「韓国人いつもあれつけてるよね」
「うん、あんまり綺麗じゃないよね」
「うん」
「あれがどうしても必要で、韓国からわざわざ送ってもらっているらしいよ」
「え、まじで」
「イギリスにはないしね」
「日本にもなかったね」
シュシュに対して「あんまりかっこよくない」というイメージしかなかったのだ。
それは私の個人的な意見ではなく、同年代の日本人女性にとってもそうだった。
そもそもシュシュという名前さえ浸透していなかった。いや、そもそも無かったかもしれない。
「韓国人がどうしても頭につけたがるアレ」
に過ぎなかった。
当時の(日本の)大学生たちが映った写真があればそれを見てみるとよい。
シュシュをつかっている子はほとんどいないはずだ。
2002年に初めて韓国に行った時、確かにそれをつけている女性は多かった。
どうしてもっとシンプルなものでまとめないのだろう、と思っていた。
それがどうだろう。
流行というものは恐ろしい。
「ダサい」はずだったのに、そこらじゅう皆シュシュをつけるようになった。
ただの布切れのはずなのに、1000円とか、1500円とか、法外ともいえる値段がつくようにもなった。
不思議なことに、ダサいと思っていた私も、だんだんと見慣れると「悪くない」と思うようになった。
シュシュも日本人の手にかかると進化を遂げる。
ただのふわふわゴムではなくて、エレガントなものや細かい細工を施したような進化系がどんどん出てきた。
もしかすると、そもそもダサいと思っていたのは私だけかもしれない。
しかし、ここまで皆そろって同じ髪型をしてシュシュ・パレードをしていると、すこし滑稽に見えてくる。
日本にはありがちなことだが、皆で一気に同じスタイルをし始める。そしてその時の勢いはすごい。
シュシュもだいぶ浸透したので、一時期ほど全員がこぞって「頭にふわふわスタイル」ではなくなってきた。
個人的な意見を言わせてもらうとあまりにもフリフリしているやつは好きではない。
フリルとかリボンとか、ああいうものを身に着けると、軽い感じに見える。
つまり、「頭」まで軽い感じに。
シンプルなのが一番よい。
ちなみにヨーロッパではシュシュをつけている人を見たことは無い。
すくなくともイタリアでは。
フランスはどうなのだろう。“chou chou”の生まれた国では。
2005年に行った時には、見かけなかったが。
正確な統計もしらないしそもそもそんなものは存在しないだろうけど、シュシュ人口がもっとも多いのは日本じゃないかと思っている。