土井善晴さんのツイッターをみている。時々出てくる味噌汁の写真にいつの間にか多大な影響を受けていて、私も味噌汁を作るようになった。生まれてこの方、味噌汁が好きだとおもったことはほぼなかったので自分で作ることもまずなかった。味噌は、買って1回使ったら2回目がほぼ来ずに賞味期限が切れて捨てることになるのがこれまで1人ぐらしをしてからの19年間だった。
土井さんの、味噌汁の写真の下には材料が書いてある。いつだったか
「おみず アボカド トマト おみそ」
みたいなことが書いてあって、「へー」と思った。これでいいんだ、と。土井さんの「決まりなんてない、好きなの入れて気楽に作ればいい」という考え方を知って、いつの間にか「そうだよな」と思うようになった。さらに「一汁一菜で良い」という考え方に触れて、「だよね」と思うようになり、作ってみるようになった。
そして、だしは有元葉子さんの本を読んでいたときに「冷凍しておく」という案を見て、やってみることにした。顆粒だしは使いたくないし、だからといって毎回だしをとる時間もない。なので、一回作ったら、冷凍が二つ分できるようにした。野田琺瑯の容器に入れて冷凍庫へ。
中学校の家庭科や、母親の作り方などがどうやらしっかり根底にあるらしく、手順や具材もきっちり守らなければいけないものだと、いつの間にかプレッシャーを感じていたらしい、ということに気づいた。味噌汁の具は3種、だと、なんとなくずっと思っていたけど、1つでも2つでもいいじゃんと思えるようになった。豆腐入れたらすでに味噌汁である。ちなみにブロッコリーやカリフラワーの味噌汁は本当においしいです。
一汁一菜あれば、それ以上おかずはいらない。こどもに味噌汁と、梅と昆布のご飯を与えると、この2皿でちょうどおなかいっぱいになる。満足して「ごちそうさま」という。
土井さんのことばはまるで裸の王様という話のなかで出てくる「王様は裸だ」の言葉みたいだ。なにを今までこだわっていたのだろう、と、思う。解き放ってもらえてよかった。何歳になっても、考え方や行動を変えることはできる。