Saturday, 20 June 2020

久しぶりに『彼岸花』

珍しく一人で夜を過ごしている。映画でも見ようと思ってすぐ心に浮かんだのは小津安二郎。「彼岸花」のDVDが手に触れてすぐに「これだ」と思った。

なんて良い映画なんだろうなあ。小津映画を見始めた当時はかれこれ10年以上前で、親に結婚すると言っても何ひとつ納得してもらえなかった時期だった。なんて古い家なんだ、と思ったし、言うことをいちいち聞いていたらやっていけないと思った。当然ながら「節子」の方に感情移入するわけだ。しかしながら今回は感情移入というよりこの親たち、特に母親の演技に注目してしまう。結婚を許さない頑固な父親と、反発する娘の間を絶妙な感じで取り持つ母親(田中絹代)。この表情、しぐさ、台詞がひとつひとつ響く。前見たときはこんなこと気づきもしなかったのになあ。

そして極め付けは笠智衆との会話。「いやあ、こどもにはかなわんよ」。子育ては思い通りにいかない、と、子育ての難しさを二人で語るシーンがもう痛いほど心に響く。セリフのひとつひとつがもはや美しい。

邦画をそれほど見ない私だが、小津映画はやはり別格だよなと思う。

お父さんの回復、12月の疲れ

父が入院している。経過は良いようで、退院が見えてきたらしい。よかった。毎日のようにテレビ電話で様子をきいているが、話す様子が1日、1日と元気になっていくのがわかる。人間の身体はすごいなあ。 話を聞くたびに、普段の姿勢とか、動き方とか、注意しなければと思う。身体に負担をかける動きを...