風邪のひき始めによくある、鼻とのどの間がきりきり痛むやつだ。
はっきり言って、気温の変化に身体が対応しきれていない。
駅まで歩けば汗をかき、電車に乗れば強烈な冷房。そして職場まで歩けば汗をかき、職場では暑がりの同僚たちに囲まれて強烈な冷房。寒い思いをする。
春も、夏も、一日中、くしゃみばかりしている。
それでも今日は、プールに泳ぎに行こうとおもっていた。
しかしちょうど今、雨が降り出した。やめておきなさい、ということだろうか。
映画について。
小津安二郎作品を見るようになったのはしばらく前。
ここにも何度か書いたと思うが、とても気に入っている。
気に入ったのは良いが、以降、小津作品以外を見なくなってしまった。
DVDを借りに行っても、ほかのを見る気がしないのだ。
数年間(というよりは幼少期のジブリ以来)ずっと洋画以外はまったく興味を示さなかった私。
しかしなんということか、今、洋画を見ようとしても「浅」くて「チープ」な感じがしてしまう。
特に最近の作品。
どうやら、小津安二郎の影響が大きいらしい。
今も棚に「七年目の浮気」と「シェルブールの雨傘」が、私に見られるべくしてスタンバイしているのだが、どうしても小津安二郎ばかり見てしまう。
この傾向、つまり、「何か一つのことにはまると、飽きるまでとことんいく」というのは、私にはよくあることだ。一つの代表的な、私の性格である。
「まるごとバナナおいしい」と思ったら、毎日だって食べられる。猪突猛進型。
小津安二郎の話に戻って:
出演している女の人たちがとてもきれいだ。
なんというか、現代人より、骨が太い感じがする。
たとえば原節子の気品。岩下志麻の清楚さ。
鈴の音でも鳴りそうなくらいに、きれいだ。
日本人って、こんなんだったのか…と呆気にとられる。
私の祖母が若かった時の写真を見せてもらったことがあるが、ちょうどそれに似ていると思う。
目鼻立ちがはっきりしている。
化粧っ気は無いけど、清潔感がある。
決して痩せていない。けれど太くも無い。
はっきり言って現代人の「美人」よりも綺麗なんではないだろうか。
ま、きれいの基準も時代によって変わるけど。
でも、50年やそこらで、ここまで変わってしまうものなんだなあ。
映画のなかで必ず、教訓や名言が出てくる。
家族の大切さや、夫婦のあり方についてのものがほとんどだ。
教訓ではないが、忘れられないシーンがある。
「東京物語」という作品のなかで、原節子演じる紀子が
「あたし、歳とらないことにきめてますから」
という場面だ。
化粧品のCMかなんかに使えそうだなあこれは、と思う。とてもきれいだ。
興味のある人はぜひ見てみてください、小津安二郎。
どの作品も好きですが、「東京物語」には心を打たれました。