天気も良かったし、博物館へ行った。
東京都国立博物館は毎年「博物館に初詣で」をやっている。
12日までで終わってしまうのが分かっていたので、行ってみた。
東京で美術館に行くとなると絵画というよりも人を見に行ったのではと思うようなことが多い。
しかも料金も高い。
文化的に後進だと感じる。
イタリアやフランスでは無料で入れるミュージアムがたくさんある。
その点、博物館はいい。
特別展を見るのでない限り、料金は600円程度で、混みまくることもない。
気軽に行けるのである。
ボランティアガイドが1時と2時に2回あるというので参加してみた。
1回目の近代美術ツアーは、中年の女性(複数)がガイドだったが、緊張していて声が聞こえにくいだけでなく、なんと原稿をまる読みだった。しかも途中でつっかえながら読む。
これではガイドツアーに参加している意味が無い。
だったらその原稿配ってくれれば良いのに、と思った。
いくら学芸員ではないとは言え、これは無いわと思うくらいにひどかった。
かなり失望した。
参加者が50人以上いたのもあり、だんだんと耐えられなくなってきたので途中離脱した。
一方で2回目の浮世絵ガイドツアーは良かった。
(参加者が100名を越えていた。こんなガイドツアーは普通無い。)
学芸員並みに詳しい中年の男性が解説をしてくれた。
もちろん原稿を読んだりしていない。
それで、思わぬ収穫があった。
広重の名所江戸百景があると知らずに拝見することができた。
以前行ったときにもあったのだろうが、その当初は私自身があまり詳しくなかったのだと思う。
見ることができたのは以下の3点。
「する賀てふ」特にこの「する賀てふ」は気に入っていたので「おっ」と思った。
3点とも、構図がすごい。
「山下町日比谷外さくら田」は、ぐーっと手前に(しかも端に)羽子板、羽、門松など正月モチーフを出している。この遠近感を、しかもこの時代に絵で表現しているのである。かっこよすぎる。
ほかにもたくさん気に入ったのはあったが、とりあえずこの3点を挙げておく。
葛飾北斎ばかり見ていたのだが最近ふと広重の良さに気づかされている。