Tuesday, 3 May 2016

田舎に帰りたい

引き続き雑誌の話。
また別の本屋で『TURNS』という雑誌を手に取った。
初めて見る雑誌だった。そのタイトルが表すとおり、「地方に戻ろう、地方で暮らそう」というもの。
表紙を見たとき、常々頭のなかにあったのに意識化されてなかったことが、外から小突かれたような感覚だった。ハッとした。

九州が気になるのは熊本の地震のこともあるかもしれない。
いずれにせよよく思っていることだ、「東京に未来は無い」と。
特に23区。

ここでの生活は持続可能とは決して言いがたい。
そして家族を持つのにはまったく適さない。
どうしてそれが分かるかというと、私は九州の田舎でのびのびと育ったから。
今の私があるのは、裸足で走り回って自然の中で毎日を過ごしたからだ。
東京に来て初めて、足腰が強いとか、運動神経が良いとか言われるようになったが、意識して自分の身体をそう育てたわけでもない。部活もやらなかったし、体操教室みたいなものに通ったわけでもない。そういう環境で18年を過ごしたからだ。
コンクリート・ジャングルの中で育った人たちには到底分からないだろうが、これによる影響はものすごく大きい。

私には緑のにおいが分かる。空の色と、湿度と。
説明のしようがないけど、それはひとつひとつの細胞に染み付いていて、たぶん死ぬまで分かる。

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東京に出てきたのが2002年。今のところ14年をこっちで過ごしている。
最初の5年間は府中市に暮らしていた。お店はたくさんある一方、緑がいっぱいの街だった。あまり人でごった返しているという印象は無かった。
仕事を始めたら、職場まで1時間半はゆうにかかるようになってしまった。
朝8時〜夕方6時まで勤務をして、さらに通勤往復3時間がかかるとなると、家で過ごす時間がほとんど無かった。
そして通勤はというと、控え目に言っても地獄だった。

何かきっかけになったことがあったのかどうか覚えてないが、引っ越すことにした。
2007年の冬だった。
それから今までずっと23区内に住んでいる。

生活ははるかに便利になり、フットワークが軽くなった。
都心に出るのに覚悟がいらない。欲しいものは何でも手に入る。おいしい店はいつでも試せる。
今も、とても便利なところに住んでいる。

しかしながらここ数年、そういう生活に飽き始めた。
正確に言うと、飽きがきているということに気づき始めた。

なんだろう、このつまらなさは、この満たされなさは、と。
歩いていて、見えてくる景色が同じである。
どれだけモノを買っても、いつまでも満たされない。
心が休まらない。

休みのたびに故郷に帰るようになったのは、たぶんそういうことだろう。もう少し一人分の広いスペースが欲しい。
自分で野菜を育てたいし、自然の変化に敏感でありたい。

具体的に移住する考えは今のところない。
だけど想いとしては常にある。「このままでいいのか」と自分に問いかけている。

お父さんの回復、12月の疲れ

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