きのうかおとといの朝、私の両親とテレビ電話中にそのへんで遊んでいたこどもが
non c'era(のんちぇら)
と聞こえた気がしたので「たぶんいま、過去形になった」と言っていた。
c'e'(ちぇ)=「ある」
non c'e'(のんちぇ)=「ない」
これらは完全にマスターしていて毎日「あ〜 きゅうきゅうしゃ のんちぇ〜 ざんね〜ん」などと言っている。
non c'era というのはその過去形で「あった」という意味。
ま、聞こえた「気がした」だけで、身についているかどうかはわからんなと思いながらもすごいねえと言いながらその場は終わり。
昨日夕方のこと。さんまを買うべくスーパーに3人で出かけた。ベビーカーの上でいつものようにいろいろしゃべっている。スーパーと家の間には消防署がある。往復で1回ずつ通ることになる。買い物を終えてスーパーを出て、「きゅうきゅうしゃ ふぉるせ のんちぇ(たぶんいない)」とこどもがイタリア語で話していた。「さあどうだろうね」と答えた。ここまではいつもどおりだったのだが、そのあとのセリフに我々は仰天した。
「Ieri non c'era(いえり のん ちぇら)」=(きのうはいなかった)
思わず目を見合わせ、「きのう、って言ったね?」「過去形だね?すごくない?」とひたすら驚きあった。当の本人はけろっとして道をゆく車を一生懸命見ている。そのうち、サイレンを鳴らしながら救急車が走ってきて、「おおタイミングよかったね」と言ってながめたのだがしばらく私は驚きの余韻が残っていて、「いやまじすごいな」とつぶやきつづけていた。
こども、すごい。本当にすごい。