土曜日は朝から仕事で、しかし時間があったのでずっと読書をした。春日武彦の『問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ』を読んでしまった。久しぶりに1冊いっきに読み終えた。同僚に精神的な不調に関する本を借りたことがあり、そのタイトルはなんだったか忘れたけど躁鬱病についての章をこの医師が書いていたのを覚えていた。先日図書館で見た時にこれは面白いかもと思って手に取った。
「うつ」のほうばかりが取り沙汰されるが、「躁」については問題とされることは少なく、傍目から見ても「元気があってよろしい」となってしまう場合が多い、というあたりからはじまる。具体的な対処法が書いてあるわけではないが、歴史において、おそらく躁の人が起こした事件や問題について具体的に取り上げられていた。内容も面白いが文の書き方が面白い。ユーモアがある。読んでいて引き込まれた。これは笑っていいのかどうか、と思う箇所がいくつもある。不謹慎だと思ったり深刻にとらえる人は多いだろうけどわたしは笑う。ユーモアだ。
こういうのを読んでいると「問題を抱えている人たちはたいへんだな」と思ってしまうが、自分もいつでもそうなりうるということを忘れてはいけない。昨年、村上春樹の『アンダーグラウンド』を読んで思った。その箇所を具体的には覚えていないが「自分はこっち側で、あの人たちはあっち側の人、と思ってしまうこと」について書かれていた。この事件の場合は、オウムであるわけだが、たいていの人は自分がそうなりえない前提でものごとや事件をみる。実際のところたいした壁はなくて、自分は「そうじゃない」と思っていても、そうなりうる。
さてきょうはちょっと涼しい。朝から忙しいが、きょう夜寝ることを楽しみにして1日を生きる。