Wednesday, 8 October 2025

"The Buried Giant" 読んだ

とうとう読んでしまった。
9月に入ってから読んでいた、カズオ・イシグロの"The Buried Giant"を今朝ついに読み終えた。8月、夏休みのあいだに同氏の"Never Let Me Go"を読んだことがきっかけで「私も英語の長編読めるのか」と思い、本棚にあって読んでいなかったthe Buried Giantをやっと読み始めたのだった。(本棚を新調して、手に取りやすくなったのもあるかもしれない。)

すごい話でした。ファンタジー小説に興味はなかったけど、これを読んではじめて面白いと思ったしわたしがイメージしていたファンタジーとはだいぶ違った。Never Let Me Goに負けず劣らず、深い深いテーマ。だけどNever Let Me Goほどの衝撃はないかもしれない。最後のシーンの意味するものはなんだろう、と思わずにはいられなかったのでいくらか読後の感想をネットで読んでみた。なるほど、と思うものがいくつもあった。

よくわからないままの箇所がいくつかあり、あとから日本語訳を読んでみたい、と思ういっぽうで、英語で読んだままの雰囲気を保っておきたい気持ちもある。たとえばドラゴン退治のシーンはよくわからなくて、本当に何度も読み返したけど、それでもわからない。でもそこに並んでいる単語以上のものはないはずなので、それが読めたらあとはもうこちらが想像するしかないのだろう。

ドラゴンだけでなく、ogre(怪物)やpixie(妖精)なども出てくる。前知識のある人は読みやすいんだろう。5、6世紀の英国が舞台なので、使っている言葉も違う。旅をする老夫婦の話だが、そもそも「道」というものが存在しないころの話。霧に覆われた草地を想像するには、英国に行ったことがあるとより良い。もう20年前、長距離バスで英国を移動するときに見た、絵本のなかのような風景を無意識に思い出していた。羊がいて、霧がかかっていて、寒い、そんな感じ。

インターネット閲覧のできる機器、つまりPCやスマホ(もってないけど)やタブレットが身近にある環境で読書に集中するのはわたしにとってとても困難である。たぶん意見を同じくする人は世の中にたくさんいるはずだ。

それが夏休みに一冊読めたのはなぜかというと、朝起きてから1番最初に読んだから。タブレットを開くより先に本を開くようにする。実は、8月から実践し始めたわけではなく、以前から「朝起きたらまず英字新聞」とか「ビジネス英語のビニエットを一つ聞く」とか自分に課すようにしていた。8月はそれが本にかわっただけのことだが、出会った本が良い本だったので継続に至った。しかも朝はほかの音がないので読むことに集中しやすい。

話に入り込みづらいかと思っていたがしばらくすると慣れてきて、いつの間にかその世界に浸かっていた。毎晩、「明日の朝、またあの世界に戻れること」を楽しみに寝ることができた。ぜんぶで17章、345ページある。1日一章読む日もあれば3ページしか読めなかった日もある。それでも毎日読めた。

こういう読書経験を、もっと若いときにできたらどんなによかっただろうなと思う。今からでも遅くはないけど、若い時に読んでいたら人生にはまた違った深みが出たにちがいない。それでも、英語でこれを読むとなるとやっぱり今ぐらい語彙力がないと読めないだろう。

さて明日からは何を読めばいいだろう。まだもう少し、6世紀の英国にいたいような気がする。

ヴィクトリア・ベッカム、サイゼリヤ

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