内容は決して軽くないが読みやすく、結構癒されるし「そうだそうだ」と思いながらあれこれ考えるうちに気持ちが楽になってくるので内田先生の書いた文を読むのは好きだ。
ここ最近はとても忙しかった。朝5時台に起きた日が二日ほどあった。でも仕事は順調に片付きつつある。明日までもうひとふんばりすれば、明後日と明々後日は有休をとる予定。
その、忙しいなかのおかしな出来事を一つ。
3,4日前にカルボナーラを作ることにした。4時か5時ごろ、2人とも昼ごはんを食べておらず、遅めの昼食兼夕食として作った。質の良いベーコンを買いに行き、同じスーパーマーケットでパルミジャーノも買った。いわゆる粉チーズである。クラフトのチーズが高すぎたので、どうしようかと迷った挙句、雪印のを買った。今まで買ったことなかった。
できあがってから、熱いうちに食べはじめた。美味しいのだけど、イマイチ塩が足りず、振り入れる。ゆでるときにかなり多めに入れたはずだったのだが。
それでも足りず、もっと塩をふりかける。
「なんか甘いねこれ」
「うん、たぶんあのパルミジャーノのせいだろうね」
「もっと塩をかけよう」
「こしょうもかけよう」
ところがだんだんとその甘いパルミジャーノにうんざりしてきた。
不思議なことに、どんどんまずくなっていく。
きっと、熱が失われていくことに影響しているのだろうと思った。
「これは食べきれない…」
しまいには気持ち悪くなってしまった。
結局、残った分は捨てざるを得なかった。
「スーパーに爆弾をしかけてやる」
「いや、スーパーのせいじゃないと思うけど」
「メーカーに送り返す?」
「あんまり意味無いと思う。」
「残念ね」
「うん、残念ね」
さて翌日。
魚が食べたくなったので、魚屋へ。
めばるを2尾。アクアパッツァを作ってみることにした。
魚屋さんにさばいてもらったら、最初に見たのより分量が少なくなってしまった。
まあ当然である。内臓と骨と頭とるからね。
これじゃあ物足りないだろう、ということで、ナスをオーブンで焼くことにした。
ナスを3つ、薄めに切ってオリーブオイルと塩をかけてオーブンに入れる。
めばるを食べ終わってからナスに箸をのばし、「やはり塩が足りない」と思った。
ナスにこれでもかと塩をふりかける。
「やっぱり甘い」。
「もしかして」
その時初めて気付いたのだ。
正確に言うと、塩の正体を疑ったのだ。
なめてみるとそれは甘かった。
塩ではなくグラニュー糖だったのだ。
砂糖より粒がこまかくて、サラサラしている。
それまで買ったことはなかったが、最近よく作るマフィンに使うために買ったものだった。
しかも、袋が食塩の袋ととても良く似ている。
そりゃああれだけ大量にグラニュー糖かけたらカルボナーラも甘くなる。
ナスについている味は塩のみだったので、これでやっと気付いたのだった。
2人で笑った。
「スーパーに爆弾を仕掛けなくて良かったね」と。
翌々日、リベンジということでまたカルボナーラを作った。
とーっても美味しくできましたとさ。