3歳の子たちの人間関係というものが、実感できない。外から見たらもちろん「あら二人は仲良しなのねー」とわかるけど、本人たちの気持ちに近づくことはできない。つまり、友達というもの、そして特定の子と仲良くすることについてどう思っているのか。他のこと、たとえば、いたずらすると怒られると分かっているのにあえてする、とか、そういうときの気持ちだったら想像がつく。だけど急に気の合う仲間ができて手をつなぐ、というその気持ち。まあもちろん嬉しいんだろうけど。
実はここに至るまでには紆余曲折があった。自分は仲間だと思っていた数人の集団がいるのだが、どうしても一緒に消防士ごっこをしてくれないという。仮面ライダーごっこをしているけど、自分は仮面ライダーに興味がない。だから仲間に入れない。家でも毎日「○○くんも、消防士したらいいのにねえ」と言っていた。時々、あっちへ行けと言われるらしい。これは聞いていると親としても切なくなる。「みんなが消防士やりたいわけじゃないんだよ〜」と言って理解させようとした。
そのうちに消防士ごっこしてくれる友達が数人現れた。「ぼくはAくんとBくんの友達になってみようと思うの」と言っていた。そして登園するなりいきなりAくんに直接「ぼくね、Aくんの友達になりたいんだー」と言うとAくんが「やーだよ」とピシャリ。これはまいった!戸惑いながらも「なんで?」と会話が続く。そんなこんなで本人としても疑問が残り、納得のいかない日々はまだ続く。
つぎはBくんと仲良くなり始めた。消防士ごっこをしてくれることがきっかけのようだが、それだけではなくどうも気が合うらしい。追いかけたりあえてコケたりしながら仲良く遊んでいる。
いわゆる「親友」というものを持った経験がない私としては同性の友達とこんなにくっつくという感覚がわからない。急に仲良くなってお互いに遠慮なんてないのだろうか。それは3歳だからだろうか。これで気が合わなくなる時がきたらお互い気まずかったりしないのだろうか。そんなことまで考えてしまう。いやもちろん余計なお世話だろうけど…。
環境も、興味も変わるうちに人間関係も変わっていくのは当然だけど、おそらくこれが初めて、本人が意識している「一番仲の良い友達」なのだろうと思う。ここまで楽しそうなのは初めて見た。
もうすぐ3歳が終わろうとしている。