Friday 22 August 2014

映画館が一つの身体になる

今日はカナダ滞在で最後になるであろう映画鑑賞をしてきた。
"CHEF"という映画。
アメリカで2014年の3月に公開されたらしい。
日本に来るのはおそらく来年だろうか?
とにかく日本での公開はひどく遅れるのは確かである。たいていの場合。

ここの、キャンパス内にある小さな映画館では今日から3日間だけ公開される。
今日が初日のためか、驚いたことに映画館は満員だった!!

いつもはこんなこと無いのに。
有名な役者が出るということもあるだろう。
単に、面白そうだ、というのもあるだろう。

7時ぎりぎりに入って、空いている席をさして「ここいいですか」と聞いたら、右脇のおじさんが"Sure"と言って、左側のおばあさんが"It's all yours."と言った。

こういうさりげない一言がとにかくあたたかい。
ますます帰りたくなくなる。

一番後ろの列に座ったのだが、見渡す限り、観客は中高年だった。
髪が白い。

こんなに超満員の状態で映画を見るのは初めてだった。
さらに周りの年齢層がこれだけ高いのも初めてだった。

みんな、とにかくよく笑う。
しかも同じタイミングで"Hahaha"と笑うので一斉に映画館がどよめく。
笑うだけではない。
切ないシーンを見ると"Awww"と言うし、気持ち悪いシーンを見ると"Ewww"と言う。
シェフの話なのでとにかくおいしそうな食べ物が次から次に出てくるのだが、皆が一斉にため息をついたり"Ohh"と言ったりする。
間投詞が飛びまくる。

日本でも映画を見たことはあるけど、ここまで観客が一斉に反応する中に身を置いたことは無い。

映画館が、一つの身体になったような感じがする。

映画館で映画を見ると面白い、という人はつまりこういうところに魅力を感じるのだろうと思った。
同時に、イギリスにいたときも映画館がこれに近い感じだったのを思い出した。

日本人はやはり静かだと思う。

映画自体はとにかく面白かった。
ここで見る最後の映画にふさわしいと思った。
サントラが良かった。
ラテン音楽をすごく久しぶりに聞いて、目がさめたような、血が沸くような感じがした。

万年筆、外出

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