Thursday, 25 October 2012

本格(東京)イタリアン

そもそもあまり食べ歩きにこだわる人でもないし、わざわざ外に出てグルメスポットを探したりもしない。一皿に少量がのせられたフルコースに5000円払うのも良いが、どちらかと言うと缶ビールと500円程度の寿司でとてつもない幸せを感じられるタイプの人間である。ただし食べ物の質の良さは、だいたい分かるつもりだ。

ここ3,4年、イタリア料理を食べに外に出たことは無かった。パスタは家で作るものだし、それ以上に美味しいパスタにはなかなか出会わないし、東京で外食するときに出されるパスタは量と値段が絶対に合っていない。皿の飾り程度である。ピッツァは本場の2倍を払わないと本当に美味しいものには出会えない。だから、せっかく日本にいるのだから、外食するなら日本で食べてこそ美味しいものを食べる。つまり、ごく普通の、飾らない居酒屋で壁に貼ってあるメニューを見ながら「手羽先2本」と注文するのが、一番ここちよい。

そんな私が、今日、ひょんなことから「本格イタリアン」で食事をする機会を得た。日本人が10人ばかりいたのだが、面白いことに(しかし日本では当たり前なのだが)1人一皿ではなく、いくつか頼んで勝手に取り合う形で色々なものを頼んだ。

通常、イタリアンの流れはこうだ:
アンティパスト→プリモ・ピアット→セコンド・ピアット→ドルチェ 

しかしながらここではこれが見事に破られる。
まさに日本の居酒屋と同じ「好きなものを好きなときに頼んで、つつきあう」スタイルだ。
チキンが来たかと思えばここでスパゲッティの登場。
そしてさらに誰かがカプレーゼやサラダを注文する。

案の定、そこにいたイタリア人は「今、肉を食べたのにまたパスタを食べるなんて変な感じがする…」と言っていた。それはそうだろう。肉は通常セコンドでパスタがプリモにあたるのだ。なのにそれをほぼ交互に食べているのだから。

しかも「本格イタリアン」なのに、ナプキンではなくおしぼりが用意され、さらに、フォークとナイフの下には箸置きのようなものが。こういうのって普通、イタリアでは、無い。

でも。

これはこれで、いいなあと思った。居酒屋スタイルを、イタリアンにも持ち込めるというこの気ままさ。これはこれとして、「東京式イタリアン」がすっかり成り立っているのだ、と理解する。

でもやっぱりパスタはうちで作るほうが断然美味しい。近々、かじきとナスのパスタをまた作ろう、と思った。

おやすみなさーい

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