自分の心にあるとてつもなく暗い部分が最近見えるようになった。そういうものがあることを意識するようになった。「黒い」部分というより、「暗い」部分だ。心の闇、と言うと隠れた悪い性質のように聞こえるが、ずーんと沈んだ、暗いところだ。たぶんこの世ではこれを「孤独」と呼ぶ。
心の闇を、孤独を、どうやって乗り越えるのか。5年、10年前には決して考えなかった。自分と向き合うこの時間に背を向けたくなる。少しでもいいから助けが欲しくなる。それは他者への依存なのだろうか。そんなとき、村上春樹の言葉を見つけた。
"There is one thing I can say for certain: the older a person gets, the lonelier he becomes. It's true for everyone. But maybe that isn't wrong... In a sense our lives are nothing more than a series of stages to help us get used to loneliness. That being the case, there's no reason to complain. And besides, who would we complain to, anyway?"
「人生というのは孤独に慣れていくためのステージの積み重ねである」
日本語が見つからないのだがもともとは日本語で発せられた言葉だと思うし、以前どこかで読んだことがある気がする。
困難は人生の一部である。じっと耐えるしかない。少し外の空気を吸いに出るとか、なんとかして自分で乗り越える。最終的には自分は自分以外になることはできない。心の闇に向き合うのは、たぶん村上春樹の小説でいう「井戸掘り」なのだと思っている。寂しいのは誰のせいでもないし、自分の人生は自分で選択をする。そしてすべてにおいて自分で責任を負う。