Thursday 28 July 2016

日経WOMANについて

涼しい図書館に入って好きなだけ雑誌を読む、というのが楽しみの1つである。したがってお金を出して雑誌を読むことは滅多に無い。3年に1回も無い。もしかしたら5年に1回も無いかもしれない。

好きな雑誌、特に手に取る雑誌というものがいくつかある。ざっと挙げるとAERA, Newsweek, 暮しの手帖, CREA, FRAU, ELLEなど。最近では天然生活が意外と面白いということに気づいた。そしてリニューアル以降世間では評判がよろしくないが私には評判の良いのがKu:nelである。

月のテーマによってはまったく興味が無かったり、「お」と思って読んだりもするのがPen, BRUTUS, 芸術新潮など。

優先順位としては低いがなんとなく手に取ることがあるのが日経WOMANとか日経ヘルスとか。

そう、日経WOMANについて書こう。
結論から言うと日経WOMANに書かれてあるような生き方を「あえて」目指したくない。私の考える素敵な生き方からはあまりにも遠いのである。つまり、「がんばりすぎ」「こまかすぎ」なのだ。

日経WOMANのターゲットとしている読者は「仕事バリバリがんばる素敵女子」である。つまり自分のことを「女性」ではなく「女子」と認識する人たち。

そしてその女性が「何歳」で「どこに勤務」していて「独身」か「既婚」か、ももちろん書かれてある。これがおそらく読者自身の立場と比較するためには重要なデータである。自分により近い人がいればその人の情報についてはより興味を持って読むことになる。

よくあるテーマが「仕事のマナー」「バッグの中身」「手帳これ使ってます」「100万円貯蓄する方法」など。開いてみたことがある人は分かると思うが、これが細かいのなんのって…!!

そもそも1ページあたりの情報量がめちゃくちゃ多い。そしてそこに出てくる人々の生活っぷりは私には到底真似できない。例えば節約するために何をいつ買って、それが食べ物ならいつ調理してどう保存するか、さらにその容器は何を使っているか、までこと細かに写真とともに書かれてある。小さな小さな写真。編集部大変だろうなあ。

そもそも家計簿さえつけていない私には信じられない細かさである。そんなに小さいことを気にしながら生きていてそんなにまで節約してたら、例えば友達とごはんを食べに行く時とかどうするんだろう?1番いい方法は「断る」しか無いじゃないか。

バッグの中身も凄まじい。こんなにいろいろ入れたら重くて仕方ないだろうに?財布と携帯と家の鍵しか持ち歩かない私にとってはこれまた信じられない。メイク道具も、まあ分かるんだけど、重いバッグを持つことで自分自身が疲れてしまうのでは、と思う。

手帳だって、はっきり言って何をどう使っても同じである。しかもどのペンを使ってどういう書き方をしていて、どの付箋を使っている、なんて、知ってどうするのか。それを公開するほうもすごいと思うが、参考にする人もすごい。参考にしようがないのだ。まあ、業種によるのかもしれない。

とにかく仕事がテーマの雑誌なので、仕事中心に生きたくないと思っている私のような人にとってはやっぱり信じられないことだらけなのである。

それでも、だ。

それでも手に取ってしまうのは何故なのか。単に「がんばりすぎだよ」とバカにするためなのか。

結局、自分に似た立場の、世の中の日本人女性たちがどういう日々を過ごしているのか、どれくらい稼いでいるのか、何を考えているのか、それが気になるんだと思う。そういうつもりはなくても。

この歳(30過ぎ)になって思うのは、30過ぎの女性はいろいろと不安なのである。そういうつもりがなくても、意識していなくても、「これでいいのかしら」という疑問を常に抱えている気がする。

結婚、出産、育児…といろいろな条件が絡まってくる中で、やはり仕事は最重要課題である。30を過ぎればちょうどキャリアという言葉が意味をもって響いてくる。30年も生きれば身体の不調も出てくるかもしれない。そんな時、誰に頼るのか。

この雑誌を手に取る「仕事バリバリ頑張る素敵女子」たちに共通するのは自立して生きて行きたいという想いだろう。頼れる人も欲しいしいないわけじゃない、だけどどうにかして自分の力で生きていきたい。そんな想い。

私はこの雑誌に出てくる人たちに「もう少しゆっくりしていいよ」と声をかけたい。もうちょっと「天然生活」を送っても「クウネル」しても、誰も文句言わないよ、と。そんなに完璧じゃなくてもいいから、肩の力を抜いて行こうよ、と。

たぶんそう声をかけたくて、無意識にこの雑誌を手に取ってしまうのだ。そしてそれはきっと、「誰にも頼りたくない、自立心旺盛な」「肩に力の入った自分」が、どこかにいるのを分かっているからなのだ、ということを認めざるを得ない。

ありがとうとカルボナーラ

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