Thursday 31 August 2017

雨の朝

こどもの誕生日。
保育園に行こうかというときに雨が降り始めた。仕方ないのでカバーのついたベビーカーで行くことにした。体調があまりよく無さそうだ。鼻水も咳も出ている。せっかくの誕生日なのに。

いつもの道を、傘を片手に、もう片方の手でベビーカーを押しながら小雨の降る中を進んだ。雨よけカバーのなかで、なんだかもぞもぞ動いているなと思ったらこどもがベルトから抜け出してベビーカーの上で立ち上がろうとしている。

こらこら、と言いながらいったん傘を地面に置いてこどもを抱えた。その瞬間、ぶわっと涙があふれてきた。

4月の、ある雨の日。今かよっている保育園の見学をするためにこどもを抱っこして同じ道を歩いた。ストライプの傘をくるくる回すと、珍しそうに上を見上げて喜んだ。抱っこしての移動にお互いに慣れていなくて、何度か抱えなおした。重いなあと思いながらなんとか保育園へたどり着こうと必死だった。あの日の光景(葉っぱに雨があたる音と、雨に濡れた地面の桜の花びらと、少し肌寒い朝)がきょうまた、みるみるうちによみがえった。

小雨の降るなか、傘を地面に置いたまま、こどもを抱きしめた。

「お誕生日おめでとう」

そして、産まれてきてくれてありがとう、と本当に思った。心から。
この一年、どれだけの距離を一緒に歩いただろう。そしてこれからどんな日々が待ち受けているのだろう。

涙が止まらなかった。きょとんとした顔をしてベビーカーに戻った子どもと、また同じ道を前に進んだ。雨はだんだん弱まっていた。

ありがとうとカルボナーラ

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