Wednesday, 25 December 2024

「どんな思い出もとっておきたい」

 きのうから小学校は給食がない。Fは仕事がある。4時間で帰宅するのでお昼には家にいなければならず、仕事どうしようかと頭を抱えていた矢先、Fの仕事が午後からだからお昼は心配ないということがわかった。ホッと一安心。それでも少し早めに退勤して3時には家についた。お好み焼きを作ることになっていたので材料を買って帰った。キャベツ、卵、そして大事なのがお好み焼きソース。先月作って以来、こどもがとても気に入っていて、なんだかんだで週1くらいで作っている気がする。

3時になるや否や、子は隣の家に遊びに行った。「4時まで!」と言い残して去った。大きくなったなあ、としみじみする。その間に私は、先日買った布でクッションカバーでも作ろうとミシンを出してきた。掃除機をかけたり、片付けをしたり。

4時すぎてこっちに戻ってこさせた。学期末なので宿題はないらしいが空欄だらけのテストがどっさりある。すべては無理だけどとりあえず目立つものを1枚、やることにした。算数だ。以前なら断固としてやらなかったが最近は「わかったよ〜」と渋々ながらも取り組むようになった。足し算、引き算、掛け算、図形のまとめ。

ようやく表が終わって、裏に入る。大した問題ではない。集中して考えればわかる。なのに「こんなのを子供にやらせて正しいと思うの?」「どうせママが勝つんでしょ」「ママは勝ちたくて言ってるんでしょ」もはや文句しか言わない。ゼロの書き方が反対だったので注意すると「そもそもこんなにたいへんなのにやる気がなくなることを言わないでよ」と言う。さらに「もう疲れた」「脚が痛い」…

こちらの我慢が限界に達した。「もうやらなくていいよ」「先生がこの前泣いたっていう気持ちがよくわかるよ」と怒った。

そう、先生は泣いたらしい。不平不満しか言わない上にふざけつづける子を前に涙したらしいのだ。それは相当だ…と思っていたけど、実際これに付き合っていたら私も悲しくなってきた。無力さと苛立ちを感じる。ここまで辛抱して、横について、手伝おうとしているのに、文句しか言わない。屁理屈ばかり言っていてる。「これは先生も泣くわ」と思った。つきあっていられない。

そうするとさすがに反省したらしくしょぼんとなって残りの1問を解いた。私は席を立ってお好み焼きのためのキャベツを刻み始めた。

「ぜんぶ自分でやる…」としょぼんとしてお風呂に入りに行く子。

廊下に出てから声を出して泣いている。様子を見に行くと「こんなに叱られたら僕だって泣くよ」と言う。「だったら、どうせ勝ちたくて言ってるんでしょとか言うのはやめて」と言うと、わかった、と言ってとりあえず落ち着いて、お風呂に入り始めた。

うーん、わたしはよくないことをしているのだろうか。自己嫌悪に陥るいつものパターンである。怒らずにいられるほどの忍耐力がない。説明をすればわかる子、なのかもしれないけどあの場で説明することばは私には残っていなかった。こうやって子の自尊心をつぶしているのかもしれない。さっきも4+6がわからないとグダグダしているときに「一年生の問題だよ。◯◯くんはきっとわかるよ」と近所の1年生のことを言うと「どうして人と比べるの!」と言っていた。あれはよくなかった。やっていけないことをやってしまった。

ネチネチ怒るのはよくないのでこれはこれで終わらせた。髪を乾かしてあげて、お好み焼きを焼いた。ボウルに入ったキャベツの山を見て「うーん、おいしそう!」と言う子。焼く前の状態がおいしそうとは思えないのだがこれは私の機嫌をとるための、この子のやり方なのだ。不自然なんだけど、こうするようになってしまったのもわたしに責任があると思う。なにかしら興味、関心、反応を見せないと怒るというパターンがこれまで多々あったのだ。それで、こうなってしまった。

夜、ふとんに横になる。この冬買った布団乾燥機が活躍していて、あっためているところに「あったかーい」と言いながら子が入っていく。そして不意に

「まま、ぼく、どんな思い出もとっておきたい」

と言う。なんのことかと思って、どういうことか聞くと「怒られた思い出も、楽しい思い出も」と言う。

いきなりどうしたのかとびっくりした。

私「なに、これから遠いところに去るとか、そういうわけじゃないよね」

子「サル?」

私「どこか行くってこと」

子「ああ、それはないよ」

私「やだよ、明日の朝いなくなってたら。ふとんを手探りして、いない!いない!とか」

子「そして机の上に…」

私「机の上に?」

子「おてがみとかね」

私「やだなあ、『たくさんの思い出をありがとう』とかね」

子「そんなこと言ったら、ぼく涙出てきちゃうよ」

私「泣かないで」

子「うれしい涙だから、しんぱいしないで」

言っている間に私も涙が出てきた。ふと子の顔を見ると、本当に目がうるうるしている。そして一滴だけ涙がこぼれた。

2人で抱き合って、笑って、泣いた。

怒ってばかりでごめんね、と言うと、いいんだよ、怒られないと悪かったって思わないし。それにあんなに上手にお好み焼きを作れるママはいないと思うよ、と言う。

わたしは、自分自身についてこんなに反省することしかないのに、この子は私のことをほんとうによく見ていて、機嫌を取ることと、気に入られることにこんなに全力を尽くしている。わたしがこんなにしくじっているというのに、こんなに優しい子に、ちゃんと育っている。心配しなくていい。

Friday, 13 December 2024

お父さんの回復、12月の疲れ

父が入院している。経過は良いようで、退院が見えてきたらしい。よかった。毎日のようにテレビ電話で様子をきいているが、話す様子が1日、1日と元気になっていくのがわかる。人間の身体はすごいなあ。

話を聞くたびに、普段の姿勢とか、動き方とか、注意しなければと思う。身体に負担をかける動きを、無意識のうちにたくさんしている。

12月ももう半ばにさしかかろうとしている。なんだか疲れた。1年間のバッテリーがこの辺で切れる。充電のためにコンセントにつながないといけない。この時期はワクワクするはずなんだけど今年は疲れのほうを余計に感じている気がする。夜に出歩きたいとか、微塵も思わない。人生の優先順位はその時々で変わる。

 

Thursday, 12 December 2024

パネットーネとパンドーロ

先月、イタリアから巨大な荷物が届いた。パネットーネ3つと、パンドーロ3つが入っていた。日本でもようやくパネットーネは見かけるようになってきたが、値段はイタリアの3~5倍くらいする。パンドーロはほぼ見かけることはない。イタリアではこの季節、切り分けながらこれを食べる。じつにイタリアらしい、シンプルなお菓子(パン)。自然とパネットーネ派とパンドーロ派が発生する。日本の「きのこの山vsたけのこの里」みたいなものだろう。

これはパンドーロ。

それで、最近困っているのが、食べるのをやめられないということ。いや、やめればいいんだけど視界に入っている以上、手を出さないわけにはいかない。あわせて6つもあるのだ。食べない日はない。体重が増えて困る、とイタリアのおじいちゃんとおばあちゃんに言うと「1年にこの1ヶ月だけだよ」と言って笑っていた。

パネットーネはだいぶ知られるようになってきたのでパンドーロを紹介すると、上の写真のようなものです。1kgある。人の頭より大きい。最初からこんなに白いわけではなくて、粉砂糖をかけるから白い。

粉砂糖はこれで、なんと60gもあった。60gっていうと、チーズケーキ1個作るときに入れる量に近い。この粉砂糖を、パンドーロの入った袋に入れて、振る。単純。作る側がやるんではなくて、食べる人が、袋を開けたときにやる。がっさがっさ、と降る。

日本の繊細なお菓子はこういうことしないと思う。砂糖は最初からかかっているはず。イタリア菓子はざっくりしている。すべてがシンプル。

日本でのパネットーネの扱い方をネットのどこかで前に見たけど、わざわざ切ってラップで包んで冷凍したりしていた。想像するに日本人はたぶん本当にうすーく、しか食べないんだろう。我が家にそんな心配はなくて、パネットーネも、パンドーロも、1kgあっても3日でなくなる。 がっつり切ってむしゃむしゃ食べる。密閉する必要もない。すぐ食べるから。(いや、私も日本人なんだけどね。)

それにしても視界に入ると手が伸びてしまうのは困るので、きのうは「どこかに隠そうか」という話にまでなった。そうなったら必死で探し回るに違いない。体重は増える一方である。

Wednesday, 11 December 2024

相談室で話したこと


 12月4日に撮影。「あっ」と思って撮った。この季節は自転車を止めているとこういうことが多い。上にある木から落ちた葉っぱは大きいものだとそのまま運んでいく。嬉しくなる。

10日、きのうは朝から子を連れて病院へ。具合が悪いわけではない。アレルギーの定期的な検診で、久しぶりの血液検査もあった。いつもより時間がかかった。学校には遅れて送っていった。

3時半から小学校の相談室へ。最近の様子について話した。先生からしょっちゅう電話がかかってきていること。怒られてばかりだけど改善はみられる、ということ。カウンセラーの先生には、しかし、先生→子だけでなく先生→親→子の流れがうまくいっていない気がする、とのこと。そうかもしれない。先生から電話がくるとひたすら申し訳ないので、謝り、その分を子に注意する必要がある。正直いって電話には私は気が滅入っていて、電話が来るとそのあとから寝るまでの間はずどーんと暗い感じになる。「ママがどうやったら元気になるかと思って」「ぼくのこと悪い子だと思う?」と言って子は健気に明るくふるまったりする。これがまた申し訳なくて、自己嫌悪に陥る。

カウンセラーのすすめはこういう感じだった:

・先生からの電話は、事実として受け入れる

・子からは、子の言い分も聞いてあげる

・先生から言われたことを一方的に子に注意するのはしばらくやめておく

この辺を上手にやる必要がある。とても難しい。しかし今の状態では悪循環で、子の自尊心はつぶれまくっている。カウンセラーからきいた興味深い情報:

「子どもは、注意すればするほど、その注意された内容をやってしまう、という傾向があるんですよ。不思議なんですけど。」

そう言われればそうかも。どこかで聞いた内容だった気もするけど、もしかしたらまさに今がその状態なのかもしれない。

Tuesday, 3 December 2024

先生の電話と、父の入院と

学校での、子の様子を知らせるために先生から電話が来る。以前はそれほどこなかったのだが、知らされない限りこちらは「問題ないんだな」と思い込んでいるので、電話をもらうのは本当にありがたいと伝えたら1週間に1回くらいは電話が来るようになった。こちらも「そろそろだな」とかまえる。

声かけ?の成果あって、授業中の態度は以前よりマシになってきたらしい。これはよかった。ほめるに値すること。しかし体育と音楽はまだまだ問題だらけ。机、席がなくなるとコントロールできない。マット運動のときにほかの生徒のマットに行って邪魔になるしあぶない、と。

生活態度はあいかわらず困ることが多い、と。きょう言われたのは:

・列に並んで移動するときに一緒に並ばず1人で駆け出し、周りの生徒からも非難された

・「いただきます」を待たずに食べた

電話を切ったあと、本人に聞いてみたところ「たったそれだけで注意されるなんて」と納得いかない様子。とくに「いただきます」については驚いている様子でもあった。集団生活にはルールがあるんだから守らないといけないんだよ、というとふてくされて「ぼくはルールに従うと苦しくなる人なの」という。参ったなこれは、と思ったけど、これを「わかった、そうするよ」というまで言い聞かせたところで逆効果な気がしたので、小言は終わりにした。どうしたものか。

1年生の時からすると、進歩していることはたくさんある。たとえば、どうしたって宿題をしようとしなかったのに今学期始まってから自らすすんでやっていることがほとんどだ。私が帰宅してから「まだ宿題やってないの?」と怒ることがあまりない。そしてなによりも、朝学校に行こうとしなかったのに、それがない。朝ご飯、着替えを何も言われずともやり、ランドセルをしょって登校時間になるのを待っている。こんな日が来るとはなあ、と、去年と比べると別の人間のように思う。

別の話。

きのうから父が入院している。脊柱管狭窄症で手術をするからだ。手術は4日、明日なのに2日から入院する。振り返ってみても、父が病気、入院、手術をしたことは一度もない。手術することになった、と聞いた時は、やっと楽になれるんだなと思って「よかったね」と言っていたというのに、日にちが決まっていざ入院となるとどうもそわそわする。私の子は、おじいちゃんが手術するって、と聞いて「わー、聞かなきゃよかった」と言っていた。こわくていたそうでかわいそうだから、だろう。気持ちはわかる。「日にちが決まってもぼくには教えないでおいてよ」と言っていた。明日、弟が仕事を休んで母と病院に付き添うらしい。ちなみに私も仕事は休みなのに、付き添えない。ここにいるから。遠いから。なんだろうな、私も休みなんだけどな、なんかできるのにな、と、少しの無力さと、手の届かなさとを感じて涙が出る。そんな早朝。

寒稽古、土日の過ごし方

合気道の寒稽古に参加した。今年はなんと七日間のうち三日も参加することができた。これは大きな進歩だと思っている。11日(土)は結局行かず(言い訳をするとすれば、子が登校日だったので。私が朝いないとずっと寝ている可能性がある。)、12日に行ったら先生に「明日は?」と聞かれ、13日から...