新年度が始まった。始まってしまった。あまり実感がないのだが周りは少し興奮状態というか張り切っている。当然だろう。桜と一緒にすべてがスタートする。誰もが新しい出会いにドキドキしている。この1週間が、とにかく疲れるのだ。みんな一斉に始めなければいいのに、と思う。全体的にもっと遅く、ゆっくり始めればいいのに、前の年度がおわってたったの1週間のうちに次の準備ができてしまっている。どれだけ自分を追い込んでがんばるのだろう、日本人は。それが美しいとも言えるのだが、あまりに一斉すぎる。そして短期間すぎる。4月7日に「すみませんまだ準備できてません」という人がいてもいいだろうに。この国の空気はそれを決して許さない。誰がそうしているわけでもないし、誰のせいでもないけど春のこの時期はみんながんばってしまう。そういうふうにできているのだ。あえて言うなら桜のせいかもしれない。
満開の桜の下を自転車で通りながら、入学の時期を9月にする話があったなあと思い出した。実現していないが。もし桜が9月に咲くなら可能かもしれない。