Monday 30 March 2015

ニューヨーク3日目: Metropolitan Museum of Art

とにかく寒い。
昨日の午前中は、雪を眺めながらアパートで過ごした。こんなに寒いなら、METに行こうと思った。後にとっておきたい気もしたが、天気が悪いのだから外に出る必要の無いことをやったほうが良い。そしてこれまでの経験から言うと、美術館は腹ごしらえをしてからのほうが良い。ルーヴルも、オルセーも食べるのが後回しになってしまった記憶がある。

で、昼過ぎから86丁目へ。Upper East Sideというのは高級住宅地で、確かに通りの雰囲気が全然違う。東京でもたまに見かけるDEAN & DELUCAを見つけた。本物はこんな感じなのね。店も東京の10倍ぐらい広い。

たったの2話しか見たことが無いが、ゴシップ・ガールのロケ地はこのあたりらしい。そしてこれがメトロポリタン美術館。
確かに主人公たちがこの階段に座ってランチを食べていた。メトロポリタン美術館は、大きいとは思っていたけど想像以上だった。とてもじゃないけど全然見切れない。美術に特に興味が無ければ、本当に見所だけをチェックしていけば良いので2時間ぐらいで終わるかもしれないが、私のようにそもそも美術に興味がある者は、そんなにさーっと素通りはできない。

1階のエジプト→中世と見た時点で既にすごい時間が経過していることに気付き、これは目当てのものにたどり着くまでに日付が変わってしまうぞ、と思って2階に上がった。

フェルメールの部屋に入った時はやっぱり鳥肌が立った。この「信仰の寓意」は、確か10年ぐらい前に「絵画芸術」とともに東京に来ていたはず。なのでお目にかかるのはこれで2回目だ。頭を下げたくなる。
東京でフェルメールを見るとなると、押し合いへし合いで鑑賞どころではない。これだけ落ち着いて見れるのはありがたいなあと思った。しかもこんなにいっぺんにたくさん。

それからクリムト。こんな作品があるとは知らなかった。
極めつけにゴッホ。前日はMoMAで「星月夜」を見て、今日は自画像と、糸杉である。贅沢過ぎる。

小学校から本でしか見たことの無かった作品を目の前にしているわけで、それはものすごく興奮するし感動する。だけどその感動の度合いはおそらく、外国に行きたくても行けなかったころと比べるとそれほどではない。こうやって自分でお金を稼いで、脚を伸ばせば実現が可能なのだということがだんだん分かってくる。手の届かないものではない。

この時点で疲れきっていて、腰が痛かったのだが、休みながら最後の目的地を目指した。それは、アジア美術のセクション。きっと、日本では見られない浮世絵があるんじゃないかと思ったからだ。

で、行ってみてたまげた。
なんと写楽の、あの大首絵「三代目大谷鬼次」と「市川蝦蔵」がこんなところに並んでいる…。なんでこんなところに!?
 さらにたまげたのは北斎の「神奈川沖浪裏」がある…!
日本でいくら待っても国立博物館は公開してくれないというのに。
しまいには尾形光琳の八橋図まで。
一時的なのだろうか、それとも常設なのだろうか。少し調べてみたら、尾形光琳の八橋図は常にここにあるらしい。たぶん浮世絵はいつも明るいところに置いておくと傷むので、一時的なのだろう。そして所蔵は東京国立博物館であるはずだ。

これら国宝級の作品がニューヨークにあることを日本人は知っているのだろうか。たぶんほとんど知らないと思う。数年に1回、東京の美術館や博物館で公開されるときに人が押し寄せるわけだが、その期間以外は通常どこにあるのか、と考えてみると実は日本国内に無かったりするわけだ。政府があげたのか?それとも誰かが買い取ってコレクションにしたのか?

いずれにせよ、より世界中の人の目に触れるのはニューヨークのほうだろうから、注目を浴びるという意味では八橋図がここに立っているのはより良いのかもしれない。

いつの間にか時間が過ぎて7時になっていた。見ることのできなかったセクションを見にまた戻ってきたいなあと思った。

万年筆、外出

なくなったと思っていた万年筆が職場の引き出しから出てきた。一本千円のものなので、なくなってもあきらめはつくのだが少し気になっていたのは事実だった。中のインクは空っぽだが一体何色を入れていたのかさえ判然としない状況だった。家に連れて帰って洗うことにした。  翌朝の万年筆カートリッジ...