買い物にいくとワインやビールを手に取ることが多かった。理由はない。なんとなく、である。たぶん半年くらい前までの話。それが最近まったくなくなった。
きっかけが何かあったかというとそういうわけでもない。あえて言うなら、夏の間、水代わりにビールを飲むのはやめようと思ったことかもしれない。これは今年はじまったことではない。ビールが飲みたいわけではなく、喉が渇いていてとりあえずビールをあけることが習慣になっている、と去年あたりに気づいた。ビールを飲みたくなったらとりあえず水を飲むようにしたら特に必要なくなった。それでも時々飲むことはあったけど、夏はそもそも暑いので、アルコールを摂取すると体温が上がる感じがして、飲まないで過ごした。いわゆる「禁酒」というわけでもないし、すごく我慢したというわけでもない。自然と「いらない」状態になった。だから外食する機会があれば飲む。ただ、「買って家に持ち込む」ことがなくなったのだ。
それで、去年は夏の間がそんな感じで、その後はお酒を買う生活に戻っていった。が、今年は夏からそれがずっと続いている。特に必要ない。たぶん夏からだったと思う。記録を取っているわけではないが、その前はもう少し買ってたんじゃないか、と。
そんな感じで何ヶ月かが過ぎて、この秋、ある変化に気づいた。
ハンドクリームを手に塗るとき、なんだかこれにおいがするなあと思った。今までと同じクリームを使っているのに、妙に気になるようになった。暑い夏をへて、ハンドクリームの性質が変わってしまったのかもしれないと思っていた。何のにおいだろうな、まったく、と思っていた。
それがある日、拭き掃除をしていたときに「あっ」と気づいた。これはハンドクリームと同じにおいだ、と。拭き掃除にアルコールを噴きかけたとき、同じにおいがしたのだ。
変わったのはハンドクリームの性質ではなく、自分だった。自分のからだからアルコールがすっかり抜けて、その結果アルコールのにおいに敏感になったのだ。実験や検証をしたわけではないので、確実とは言えないが、その期間に感じていたいろんな「?」がつながっていく感じがした。
もちろん極端なお酒臭さは敏感でなくても感じる。感じるようになったのは、成分のなかに「アルコール」が含まれているもののにおい。
人生にこんな気づきがあったとは、と感心している最近。健康状態に変化があるかというと、意識して比べているわけではないので正直なところよくわからない。ただ確実に言えるのは、出費とゴミが減った。ゴミを買っていたのかもしれない、とさえ思えるくらい。