Wednesday 17 July 2024

『アンダーグラウンド』村上春樹

 村上春樹の作品は全部読んできた。ひとつを除いて。それが「アンダーグラウンド」だった。地下鉄サリン事件の被害者へのインタビューを集めたものだ。読むと絶対につらくなると思ったし、どうも向き合えなかった。あの厚い本を見るたびに「これは無理だ」と、読むのを避けてきた。

6月末、電車で出かけるので本を読む時間がたくさんある、という日があり、kindleで何か買ってから行くことにした。迷ったけど思い切って、ついにアンダーグラウンドに手を出したのだった。

最初の「千代田線」から読み出したが、乗っていた電車もまさに千代田線で、通った駅も「霞ヶ関」で、なんだか動悸してきた。気持ち悪くなってきて、すぐにでも地上に出なければと思った。こんな街に住んでられない、と。

その後、いつの間にか次々と読んでしまった。事件そのものよりも被害者の人々にフォーカスした本だ。読んでいくうちに、最初に本に対して抱いていたイメージが変わってきた。読み始めてよかったと思っている。本当に少しずつ読んでいるのでまだ「丸の内線」でとまっているところだ。それにしてもすぐれた作家だ、とつくづく思う。

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涼しい日々が続いている。湿度は高いものの、大雨が降るわけでもなく、こんなに快適に過ごせていいのだろうかと思うくらいだ。いつの間にか7月が半分終わっている。あと2ヶ月もすればもう秋が来ているのだ。

いつまで読んでくれるかな

 「まま!!がんばって!」 ハッと目を開ける。これを繰り返す。 何のことかというと、寝る前に子に本を読むときのことだ。毎日こうではないが、昨日はうとうとがすごくて最後のほうはずっとこんな感じだった。 文字もなにもわからない頃から、寝る前に本を読むというのが親子の習慣である。無理矢...