今週は重要なイベントがいくつかあり、日曜の夜にはプレッシャーを感じていた。プレッシャーに「押しつぶされる」というほどではない。
まずは6日の月曜、朝早くに仕事で遠くまで行き、行ったかと思うと2時間後には早退した。何のためかというと、小学校の保護者説明会。来年度、子は小学生になるのである。この優先順位は高かった。
同じ時間帯、その裏では、子の整形外科通院があった。これは体を半分に割って行くわけにはいかないので相方にお願いした。日本語がよくわからないかもしれないけど、みたところ右腕は回復してきているので、たぶんわからなくても大きな問題はないと思った。保育園に迎えに行ってもらって、そのまま病院へ。
2件とも3時ごろに終わり、なんとか終了。小学校への不安はさておき。
7日の火曜はフルに働く。授業と会議で空き時間がほぼない。
そしてきょう、8日。メインはこれである。アレルギー負荷試験。1月に行ったのがクルミで、今回はいよいよピーナッツだ。ラスボス、最強の敵と言っても良い。
2歳の3月、子はこれを食べて死にかけたのだ。お風呂で真っ青になっていたこと、吐いたこと、段々と意識が遠のいていく様子、目が閉じていく様子、叫びながら頬を何度も叩いたこと、救急車に乗りながら、この子は死ぬのかもしれないと覚悟した時のこと、意識を取り戻して病院で眠った瞬間号泣したこと、すべてを鮮明に覚えている。これまで自分がいかにアレルギーを甘くみていたかを痛いほど思い知った。
そのピーナッツを食べる。ほんの少し、0.05gをまず食べる。それから時間を置いて0.1g。怖くはあったものの、1ヶ月前にくるみの試験で症状が出なかったのと、だいたいの要領がわかっていたので準備もそこまで手間取らずにできた。そして、この病院のこの環境なら、何が起きてもきっと大丈夫だという確信があったので、不安も抑えられた。
それにしても持参するものが多い。朝8:30〜午後までずっと病院のベッドにいることになるので、退屈しないように、ぬりえ、レゴ、i pad、本などなどたくさん持っていく。さらに、症状が出て入院が必要になったときのための着替えや洗面用具も持っていかなければいけない。それに提出の必要な書類がいくつか。水のボトルと、ピーナッツと一緒に食べるためのパン、チョコレートクリーム。そしてお昼ご飯のおむすび。キャンプ並みの荷物だ。最も大事なのは、ピーナッツを持っていくこと。先週のうちにスーパーで買っておいた。「落花生」と書いてあって、まあこれで間違いないだろうなと思いながらおそるおそる買った。
9時半ごろから始まった。2回食べたが結果的に症状が出なかった。1回目を食べたあとに、しつこいほど「大丈夫?」ときいたけどどうやら大丈夫らしかった。4年間で体質の変化もあったのかもしれない。ホッとした。心からホッとした。
会計を済ませて(といっても0円)、病院の休憩場所で、きのうパパが焼いたマフィンを食べ、仮面ライダーのぬりえを買ってあげて、帰った。3時ごろ家に着いた。
「はあ、よかった」「がんばったね」と何度言ったことだろう。本当によかった。こうやって少しずつ世界は広がっていくのだ。
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完全にクリアはしなくても、閾値をひろげていくこと。ここ半年くらいでいろんなことに当てはまることに気づいた。9月ごろ、アレルギー検査の説明で、閾値をひろげるという話を聞いた時に、なるほどと思った。ちょうどそのあと行った合気道でストレッチをしたとき、同じだと感じた。いつものストレッチとは違って、ギリギリまで相手に押してもらって伸ばすストレッチだったのだが、この後から、可動域、つまりが広がった気がした。それからストレッチのやり方を変えて、人に押してもらうようにしている。そのうち開脚がペタンとできるようになるのではと期待しながら。
勉強や人生経験、同じことが言えるのかもしれないと思っている。閾値を広げる。完璧じゃなくてもいいから。少しずつ。
話は戻って、くるみとピーナッツはここから食べてよいというわけではなくて3月の診察を待つことになる。これから長ーい付き合い(というか、たたかい?)になるのかもしれないが、少しずつ閾値を広げていくことになるんだと思う。
そんなこんなで今週のストレスフルな大イベントはいったん終了。ぐったり疲れてしまった。ストレスというのは、必ずしも敵ではない。外的な「押し」があるからこそ動ける機会でもある。というようにポジティブにとらえていきたい。「なんでこんなことやらなきゃいけないんだよ」ではなくて。