こどもがプールに行きたがる。
徒歩5分の場所にプールがある。15,17,18,19,20,21日…と、ほぼ毎日行っている。6月からは一般開放が6時以降になる。その時間から連れて行くと夕飯の時間も遅くなるので無理だろうと思っていたのだが、行ってみたらできないことはなかった。そもそも、この子が自ら何かをやりたいと言い出すのは、レゴ以外であまりないので、とても珍しいことなのだ。なるべくこちらも要求にこたえてあげたいと思った。仕事が終わってからのプールなので面倒ではあるけど。
そもそもプールは、おむつが取れた3歳ぐらいから連れて行ってはいた。が、顔をつけようとしないし、行こうと言って「えー」という反応が返ってくることがほとんどで、嫌々ながら連れて行くことも多かった。水に入るとなんだかんだで楽しそうなのだが、顔をつけようとはしない。泳ぐとは程遠かった。
それがどうだろう、この1週間でじゃばじゃばと顔をつけている。私が同伴したのは、確か19日で、きのうはそれから2日ぶりに一緒に入ったのだが、さらに顔をつける時間が長くなっていた。驚いた。
前から、腕に浮き輪をして入っていた。家から持って行って入っていたのだが、同じようなもの(浮き輪じゃないけど、ビート板と同じ素材で腕につけるやつ)がプールにあることに気づいて最近では持っていっていなかった。
きのう。
その補助を腕から自ら外して、顔をつけてバシャバシャやり、驚いた顔をして顔をあげて「braccioli(イタリア語で、腕の輪っかのこと)がなくても浮いてる!!」と言った。
私「そうだよ、浮かべるんだよ、できるようになったじゃん」
子「これをしてるからかな?」と言ってゴーグルを指差した。
私「それは関係ないよ、ゴーグルで浮かぶわけじゃないから」
子「はずしてみようかな」
ゴーグルをはずして同じように浮かんだ。またびっくりした顔をばしゃっとあげて「うかんでる!わーい!」と喜ぶ子。
「プールだいすきー!」と言いながら両手をあげている。
それをみて涙が出そうになった。何かができるようになるってこんなに嬉しいことなのか。人の成長ってすごい。
私が喜ぶ様子がさらにうれしかったようだった。しばらくして「きょうぼく一回も怒られていないよ」と言う。「宿題も終わったからこのあと怒られることもないよ」と。確かに。
6時から始まるプールにあわせて、自ら宿題を終えるようになってきたここ数日。プール効果は大きい。
顔をつけるようになるまで3年もかかった。だけどこれがこの子のやり方で、スピードなのだ。今週末からついに学校でプールが始まる。
家に帰り、パパの作ったcotolette impanateという、うすーいチキンカツみたいなものを食べた。感無量だなあなんて思いながら、学校に持って行くのに必要なプールカードを準備しようと思ったら、ない…。あらかじめ名前も書いて準備しておいたのに。ない。どこに置いたんだろう。あれがないと学校でプールに参加できない。なんてこったい。
探し物は、探してないときに見つかる、という法則を思い出して探すのをやめた。もう一回先生にもらうしかない。これから連絡帳にそのことを書くところ。こういうの全部デジタルにしてくれないのかなあ、というのはカード紛失した保護者の言い訳です。