Monday 22 July 2024

事故、しごとを楽にするには

 先週金曜日、事故にあった。自転車どうしの事故だ。自転車で走っていたら細い道から自転車が飛び出してきた。「あっ」と思った次の瞬間には道に仰向けになっていた。その間、わずか0.2秒くらいだったのではないか。びっくりする暇もなにもなかった。自転車歴30年?の私だが、ここまでしっかり事故らしき事故を起こしたのは始めてだったと思う。仰向けにはなったが背中も頭も打たず起き上がることができた。相手のせいだと思ったけど止まらなかった自分のせいでもあるのは認めざるを得ない。不思議と怒りもなかった。「とまってくださいよ」とだけ言ってそのあとは自転車で去った。あっちは「すみません」とは言っていた。女性だった。

怪我たる怪我はないが翌日、肩が痛かった。ぴりっとする程度。直後から左ひざのあたりと、左足、右手が腫れた。いまとなってはあざになっている。どんどん色が変わっていく。アームカバーと、ズボンと、靴があってよかったと思った。これがなかったらこの三箇所はすべて傷になっていたはずだ。

警察に届けるべきだった、とあとから思った。事故に遭わないように気をつけましょう、という教育はうけても事故にあったらどうすれば良いのか、というのは誰にも習ったことがない。

それにしてもあざくらいで済んでよかった。自信持って言うことはできないけど、もしかしたら合気道をやっていた恩恵はあったかもしれない。着地したときに背中をまるめることができたのかもしれない。あまりに一瞬だったので本当にそうしたかはわからないけど。

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出版社から依頼された仕事があり、締め切りが8月20日になっていた。依頼の内容は先日zoomで確認し、だいたい理解した。わたしは8月になってからこれにとりかかる人間ではない。この2日間、集中して取り組み、終わらせた。だって夏休みは休みたいから。達成感にひたり、「はー、わたしは優秀だわ〜」と言っていたら、子が一言:

「まま、どうやったらしごとが楽になるかしってる?」

「えー、わかんないな」

「やらなければいいんだよ。やらなかったら、このひとにはたのめないな〜、ってなって、もうしごとがこないから。」

まったくそのとおりであり、返す言葉がない。笑うしかなかった。こどもはなんでもしっている。

Wednesday 17 July 2024

『アンダーグラウンド』村上春樹

 村上春樹の作品は全部読んできた。ひとつを除いて。それが「アンダーグラウンド」だった。地下鉄サリン事件の被害者へのインタビューを集めたものだ。読むと絶対につらくなると思ったし、どうも向き合えなかった。あの厚い本を見るたびに「これは無理だ」と、読むのを避けてきた。

6月末、電車で出かけるので本を読む時間がたくさんある、という日があり、kindleで何か買ってから行くことにした。迷ったけど思い切って、ついにアンダーグラウンドに手を出したのだった。

最初の「千代田線」から読み出したが、乗っていた電車もまさに千代田線で、通った駅も「霞ヶ関」で、なんだか動悸してきた。気持ち悪くなってきて、すぐにでも地上に出なければと思った。こんな街に住んでられない、と。

その後、いつの間にか次々と読んでしまった。事件そのものよりも被害者の人々にフォーカスした本だ。読んでいくうちに、最初に本に対して抱いていたイメージが変わってきた。読み始めてよかったと思っている。本当に少しずつ読んでいるのでまだ「丸の内線」でとまっているところだ。それにしてもすぐれた作家だ、とつくづく思う。

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涼しい日々が続いている。湿度は高いものの、大雨が降るわけでもなく、こんなに快適に過ごせていいのだろうかと思うくらいだ。いつの間にか7月が半分終わっている。あと2ヶ月もすればもう秋が来ているのだ。

Saturday 13 July 2024

平日の朝稽古

ピークの忙しさが過ぎ去って少しほっとしている。ようやく元気になってきたというか、いろんなことができそうな気がしてきた。少しの「間」とか「余白」とかがないとアイディアも浮かばないしやる気も出ないのだ。ここ一週間ぐらい、自分がほっとしているのに気づいてようやくそれを思い知っている。

夏休みが始まるとなるとすかさず仕事の依頼が来るもので、まいったなこりゃと思っている。が、これまでの多忙さを乗り切ったことを考えると、まあなんとかなりそうな気がしている。休暇という大きな目標があるのでそれまでに全力でいろいろなことを終わらせようと思っている。

先日は初めて、平日の朝稽古に行ってきた。初めてなのだ。朝稽古に行くようになってだいたい半年が経つ。これまでとまったく違う角度から合気道に関わっている気がしている。たった半年で大きなことは言えないけど。

それで、仕事が休みだった今週の火曜、ふと思い立って、朝稽古に行ってみた。わたしのペースはこんな感じなのだと思う。朝稽古に行き始めた頃は「月に1回、朝行ければいいや」と最低限のめやすを考えていたが結局毎週行けるようになってきた。だからといって平日も行けるかというとそんな簡単にはいかないもの。いまになってようやく、行けるようになったというわけです。自分の身体と気持ちがついてくるまでは、焦らずにやるほうがよい。自然と行きたいと思うようになったときがチャンス。無理して行こうとすると長く続かない。

ものすごい汗をかく。はたからみていると軽くやっているように見えるかもしれないが、45分間ずっと、ぽたぽたと汗がとまらない状態だ。しかしこれが気持ちいい。特に終わってから自転車で帰宅するときの爽快な気分はほかの何にも替え難い。これだからやめられないな、と思う。朝7時半、すれ違う人たちが出勤・通学している。重い体を引きずっているような人を見ると、「私はすでにもう一仕事済んだ」と優越感さえ感じる。

行こうかなどうしようかなと迷うときはある。やめようかなと思うこともある。それでも私の励みになっているのは門人さんたちで、なかでもYさんである。なんと88歳。いや、89歳だったかもしれない。とにかくもうすぐ90歳。1日も欠かすことなく稽古に来られている。1日も、である。しかも徒歩で。ほかの門人と少しも変わることなく機敏な動きをされる。なんというか、全然弱くない。いわゆる「よぼよぼ」とは程遠い。そしてまったく偉そうでない。さわやかに挨拶をされる。会えると嬉しい。Yさんの存在が、この道場においてどれだけ希望をもたらしているだろうかと私は思う。Yさんのことを考えると、背筋が伸びるし、言い訳なんてしていられないなと思う。多くを語らずとも行動で示すというのはこういうことなのだな、と。

さて明日と明後日はやすみ。この余白をどう楽しもうか。

こればっかりは誰にも代わってもらえない

 全身全霊で子育てに関われたらいいのかもしれない、と思うことがある。仕事もほどほどにして、たとえばパートタイムで働き、子が帰宅する時間にはいつも家にいて、宿題を一緒に見てあげて、夕方にはすでに時間ができていて、夕飯を何にするかは日中から考える時間があって、そのための買い物に行けて...