昨日書こうと思っていたことをうっかり忘れていた:
イタリア語で、甥っ子のことをnipoteという。つまり、兄弟姉妹の子ども、のことである。それはよく知っていたのだが、なんとnipoteがさすものはもう一つある。
それは
孫。
初めて聞いた時は信じられなくて、直接イタリア人の口から聞いているにも関わらず「イタリア人ならもっとちゃんとイタリア語を勉強しなよ。まったく、嘘でしょ。だって、nipoteは、兄弟姉妹の子どものことを言うのに。Nephewのことだよ…」と、笑って言った。相手もまた「あれ、いや、たぶん、間違ってないと思うけど」という感じだった。
それ以降あまり気にしないまま時は流れた。
そして昨日、ふと、それが気になって調べてみたら
nipote
①姪、甥
②孫
とあるではないか。信じられない。姪と孫なんて、区別して当然のことではないのか。そんな言語があったなんて。
また、①と②を区別しないという事実と同じくらいにショッキングなのが、イタリア語を勉強し始めて今までの間に「孫って何て言うんだっけ」と、一度も思わなかったことである。思わずにいられたことである。つまり、3年近く、その場面に遭遇しなかったわけだ。「孫」という、実に基本の基本と思われる単語をおさえないまま、これだけの年月を過ごすことができたわけである。
どうやって、孫という単語を使わずにいたのだろう
①一度も会話の中に登場しなかった。
②他の単語で置き換えて回避していた。
可能性としてはこの両方がありうるだろう。もし、自分に孫がいれば、会話の中での頻度は高かったかもしれない。しかし、自分のことを話す場合、「私は、おばあちゃんから見たら孫で…」なんて言い方はしない。figlio di figlio(息子の息子)という言い方はできるけど、そもそも自分には子どもが居ないので、そこまで話す必要は無いのだ。
やっぱり、会話の中に、なかなか出てこないのである。
単語の由来がやはり気になって、少し調べてみたら、インターネットでは、ロマンス語、ラテン語、ルーマニア語、と言ったワードとともに、色々な説が紹介されていた。詳しい説明はここでは避けるので(というか単に面倒だ)、グーグルで「イタリア語 nipote」と検索してみてほしい。
イタリア人を笑い飛ばしていた私だが、相手は全然間違っていなかったことになる。(それにしても、相手も自信が無さそうだったのだが…。) 面白いのは、対して区別をしていないということである。nipoteには二種類ある、と意識している人はどのくらいいるものなのだろうか。実は我々人間にとって、甥と孫の区別なんて大した問題ではなかったのである。イタリア人に限らず、きっとそういうことなのだ。面白い。
Tuesday, 11 November 2008
無理がきかない歳
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