興味があるものもたくさんあるが、興味がないもの、というのをあえて挙げてみる。すぐ出てくるのが
・スマホ
・スタバ
です。これらには興味がない。興味がないので否定するにも至らない。ただ、お金がないとか騒いでいる人たちはこういうものにお金を使いすぎているのではないかと思う。
スタバについて。
コーヒーに詳しくはないけど、スタバのコーヒーは高すぎるのではないか。コンビニのコーヒーは100円だが、それとどれほどの品質の差があるのだろう。スタバというブランドに値段をがついているだけなのではないか。いっそのこと中身をインスタントコーヒーと入れ替えてもそれに気づく人はいないのでは?
まあいい。
私は飲料を買うことがあまりない。水以外のペットボトルを買うことがない。最後に買ったのがいつか覚えてないくらいだ。年に1回、あるかないか、というくらい珍しいことだ。そもそも魅力的に見えない。ジュース類は砂糖と着色料と添加物の混じった液体にしか見えない。わざわざ病気になろうとするようなものだ。お茶も買わない。ジュースもお茶も、原価でいうと10円にも満たないだろう。喉が渇いているなら水だ。身体のなかを流れていくものでなければいけない。
いやもちろんジュースもお茶も飲むんだけど「買う」という習慣はないってことです。
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きのう。子の採血のために小児科へ行った。何のための採血か?アレルギー検査です。ピーナツと胡桃にアレルギーがあり、ピーナツに至っては食べたら死ぬレベル。実際そうなりかけてこの世のものとは思えない恐怖を味わった。あの時の救急車内の光景は一生忘れない。最後に検査したのが2歳の時なので、久しぶりにまた検査してみようということになった。もしかしたら何か変化があるかもしれないから。念のために避けているカシューナッツやアーモンドも一緒に調べてもらうことにした。
問題は、採血である。
ワクチン接種などと違って、針を刺す時間が一瞬では終わらない。これをどう5歳児に説明するか。「血をとる」と言っても、こどもにとっては所詮「注射」と同じである。長い注射、みたいなものだ。看護士さんが「採血には難しい年齢だと思う…」と言っていたが、まさにその通りだった。一度、膝の上に座らせて血管を見せてゴムで腕をしばるところまでやったのだが、どうしてもそのあと腕を出そうとしない。引っ張っても力が強いのでまったく動かない。嫌だ嫌だの連発である。怒っても何の効果もない。
「はい、そしたら待合室にいったん戻って落ち着いてきて下さい」
と言われて戻る。しょんぼり。イライラ。
説得を続けながらも、別のことをした。アンパンマンの本があった。それを読んだりしているうちに落ち着いてきた。アンパンマンを普段読むことはないが、助けられた。
5〜10分経ったころ、ふたたびお呼びがかかった。2回目。今度は腕を出した。案の定、叫ぶ。採血している間、お医者さんは「よし、かっこいいぞ」と励ましてくれていた。血をとっている間は泣かなかったくせに、針が抜けたとたんに号泣する。「もう病院なんかきらいだ!こわしてやる!」とかなんとか言って泣き叫んでいる。大袈裟すぎる。いつもこうだ。しまいにはこちらも「うるさい!」と叫ぶ。
病院の外に出てからもわんわん泣いている。イライラしながらも「がんばったじゃーん。よかったよかった。」と声をかけ、自転車の後ろにのせて帰ろうとするとぐしゃぐしゃの顔のまま「Qualcosa Buona(なにかおいしいもの)買わないの」と言う。
ちゃっかりしている。注射の類が終わると「よくがんばりました」のご褒美に病院の近くのセブンイレブンでチョコレートを買ってあげることになっているのだ。泣いているからもう覚えてないかと思ったが、しっかり覚えているしわかっている。ちゃっかりしているな、こいつは。
セブンイレブンに入り、アンパンマンのペロペロチョコを見つけた。なぜか昔からこれなのだ。ほかにもチョコレートはたくさんあるし、チョコレートじゃなくても美味しいものはたくさんあるのに、なぜかアンパンマンのペロペロチョコなのだ。しかも特にアンパンマンが好きと言うわけではないのに。ふと子の顔を見ると、全然泣いていない。ピタッと泣き止んでいる。またしてもアンパンマンに助けられた。いくらか種類があるが、アンパンマンよりバイキンマンのほうがいいらしく、それを手に取った。
ちなみにこのチョコレート、これっぽっちなのに80円もする。このかけらが、80円なのだ。信じられない…
そしていつのまにか「がんばったから二つ買っていい」というルールが子のなかでできている。前回買って気に入ったアポロチョコを手に取った。「まあいっか」と言って支払う。
自転車に戻ると再び泣きが始まる。「うあああああきらいだー病院なんてもうきらいだー!!おいしゃさんなんていやだー!!」
もはや、放っておくしかない。
そして家にたどり着き、手を洗って、ペロペロチョコを食べ出すと、途端に無言になる。「よかったね、がんばったね、あれ、もう泣かないんだね」と言うと、ニコニコしている。ケロッとした顔で「しってる?アンパンマンよりバイキンマンのほうがおいしいんだよ」と言う。
その後、夕飯を食べながら。
子「ぼくの血はいつ返してもらえるの」
私「あれは、返してもらえないんだよ。このまま科学者のところにいくんだよ。検査してもらって、いろいろわかる。返してもらわなくても、体の中で新しい血が作られているから、大丈夫」
子「ほねのなかだよ」
一瞬「ん?」と思った。2秒くらいして「ああ、あのことか!」と思い当たった。しばらく前に「からだのしくみ」についての本を読んであげたときに「骨髄で血が作られる」という説明があったのだ。それをこの子は覚えていたということか。
「すごいねーまったくこの子は!ほんとにすごいね、よく覚えているね」と頭をなでながら褒めた。ニヤニヤしている。あんな一文を、よく覚えていたものだ。私は忘れていたのに。本当に感心してしまった。
こどもはおもしろい。自分も昔はこどもだったんだけどね。こういうひとつひとつのことが、すべてが、新鮮です。
それにしても、どっと疲れた。本来の目的を忘れてしまうほどだ。検査結果は木曜以降にわかります、と言われた。「また病院にいくの?」と子がきくので「そうだよ、一緒にいく?」というと手のひらを私のほうに向けて「いや、いい」と答えた。最近、大人の言う「いいえ」の意味にちかい、「いや…」の言い方を覚えている。