Thursday 13 August 2015

語学の教室というものは

書きたいことはたくさんあるのにまったく追いつかない。見たり聴いたりすること、つまりインプットがあるとアウトプットも自然とあるんですね。これだけ毎日色々なものを吸収していると、時間さえあれば文章なんていくらでも書ける。提供できる話題も山ほどある。
[通常の朝食]

ここに来て約10日が経った。一番の目的はイタリア語の上達なのだが、学校ではかなり細かい文法まで教えてもらっているのでとても助かっている。これまでいかに曖昧にしたまま話してきたか、痛いほど分かる。

前置詞、冠詞、定冠詞だけでもかなり重い。これについては、イタリア語の場合は英語ほど規則正しくない。先生曰く、「どう考えても理屈に合わない、ばかみたいなルールがあるし、イタリア人だって何故だか分からないのもある」。常にしょっちゅう首をかしげてばかりだ。

で、先生が言ってたことのなかで納得したのが「passivoになってみる」ということ。つまりある程度は受身でいることが大事。何でもかんでも「なんでなんで?」と疑問を持つよりも「ふ〜ん、そういうもんなのね」ぐらいの姿勢でいたほうが言語は身に付きやすい、と。なるほどそうかもしれない。その証拠に赤ちゃんなんて何も疑問を抱かず、あらゆるものをすいすい身につけていく。

ただ、私ぐらいの年齢の場合は、時制と、名詞と動詞の一致に関してはきちんとした説明があって頭を使って理解をすることが必要だと思う。英語ならまだしも、イタリア語はもっと細かい。過去から見た未来の言い方とか、半過去の正しい使い方とか、結構細かいところまで教えてもらって、毎日本当に有り難いと思っている。

[授業について]

私がとっているコースは:
9:00~10:50 授業①
11:10~13:00 授業②
×5日間×2週間。

生徒は12人以下ということになっているが、たいてい5〜10人におさまる。
コースの終わりと始まりが人に寄って異なる上に途中で数日間休暇に出たりする人もいる(お金もったいなくないのかなあ?)。

国籍は様々で、同じクラスにいたことのある人たちを思い浮かべてみると:
ベルギー、アメリカ、スペイン、ポーランド、ロシア、中国、シリア、クロアチア。
各国から1人ずつなので、本当に国際色豊かだ。
今日はそのうち5人だった。
[瓶ビールが€1で手に入る。イタリアだからと言ってワインばかり飲む訳ではない。]

授業①では文法。これはもう徹底的に。先生がとことん説明をして、練習問題を解く、というたったそれだけ。こんなにシンプルなのに、時間はあっという間にすぎていく。ひとつには、少人数だからというのがあるだろう。生徒がとにかくよく質問をする。

授業②では、読解と会話。先生が実に色々な話題の文章を持って来る。たいていの場合、エッセイ。読む前に先生がその話題についての質問を投げかけるので、自分の国ではこうです、とか、自分の経験ではこうです、とかしゃべりたいだけしゃべる。全員。そのあと、文章を順番に声に出して読み、分からない単語、箇所があれば聞く。1人が読むたびにまた先生がその話題についての質問をする。それに1人ずつまた答えていく。

これであっという間に110分x2が過ぎて行く。先生の話題の豊富さもすごいし、なにより、気持ちが楽なのだ。「これやったら怒られるかも」みたいなのはまったくない。私たちが大人だからなのかと言えばそういうわけでもなく、生徒の中には10代の子もいる。厳しさって何でしょうね。

当然だけど、先生も椅子に座ってます。途中でコーヒー買いに行ったりもする。買い物に行って遅れて来たりもする。「スマホのマナー」について読んでいる間に先生のスマホが鳴ったりもする。

先生のことを下の名前で呼ぶのが普通で、生徒と教師の関係に水平さを感じる。文法を少し間違うと先生が「ちがーう!」みたいな感じで言う。これを生徒も特に気にしないあたり、日本との違いを感じずにはいられない。つまり「ちがーう」と言われても特にショックを受けている様子はない。

そして練習問題を解くときも、日本だったら「はい次」とか名前を呼ばれてからじゃないと答えを言わないのが普通なのだが、この場だと生徒が次々に自発的にしゃべる。日本人の繊細さと丁重さと慎重さと、(言葉に表すのが難しいんだけど)あの独特の空気は、この人たちには分からないだろう。逆に、日本人が普段、無意識のうちに気にしているようなことはあくまで日本特有であり、世の中(地球上)の人たちにとっては実に些細で瑣末なのだ。

…ということも、いったん外に出てみないと一生気づくこともないわけですが。

[ダンテ先生。動き出しそう。]

この学校の授業には少なくとも3回は参加している。短くて1週間、長くて1ヶ月。何が良いかというと、このシンプルさだと思っている。ローマでほかの学校にも行ったことがあるが、やたらとアクティビティやゲームが多かった。それはそれで楽しかったし、多くのことが身に付いたと思う。

だが、個人的には、アクティビティ系のもの無しで落ち着いて座って説明を聴くのはとても居心地が良い。少人数で、質問したいだけして、ホワイトボードにきちんと整理して書かれた説明を、ノートに写す。ただし説明は本当にきちんとしてなければいけない。ネイティブ・スピーカーで、しかもプロだからこそできる説明は、本当に分かりやすいし、隅から隅まで疑問が解決される。

外国語学習に関してはよく○○メソッドとか○○法とか騒がれているけど、うーん、あんまり凝ったことしなくてもいいのかもしれない。インプットと、アウトプットのバランスさえ取れていれば、あとは本人の努力次第ですかね。

…なんて偉そうに言ってみたりして。

あと、先生が楽そうだと、こっちも楽です。ある程度の距離を保った状態でさえあれば。恐怖とか緊張感無く学べるかどうかは先生にかかっている。合気道やってても同じことを思う。先生はめちゃくちゃ穏やかで優しいんだけど、みんな、大事なことはきちんと学ぶ。厳しさって何でしょうね。

ありがとうとカルボナーラ

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