フィレンツェに滞在するときはこのサンタ・クローチェの地区であることが多かった。今もそう。というのは、学校がこの聖堂の近くだから。歩いて5分もかからない場所にある。ほかの場所より馴染みがあるせいかもしれないけど、少し落ち着いていて、庶民的で過ごしやすい。
こんなに近くにいたのに、サンタ・クローチェ聖堂に今まで一度も中に入ったことが無かった。誰に聞いても、一度は行くべきと言われる。8月10日、月曜日、学校が終わって一度家に帰り、行ってみることにした。あいにく雨が降っていたが、傘もささずにそのまま聖堂へ向かった。
ものすごい有名な人々がここに眠っている。今まで知らなかった。
[ガリレオ・ガリレイの墓]
手には球体と、望遠鏡を持っていて、下のほうをよく見ると惑星の図みたいなのがある。凝ってるなあ。
[ミケランジェロの墓]
[ダンテの墓]
色々な人物の像をあちこちで見るんだけどダンテの像が一番威厳がある、と個人的には思っています。時代が少し古いからかもしれないけど。表情の厳しさがほかの人に無い気がする。かっこいいね。
[マキアヴェッリの墓]
[ロッシーニの墓]
[聖堂内]
先生が"Sindrome di Stendhal(スタンダール症候群)"という言葉を教えてくれた。フランスの作家、スタンダールが、このサンタクローチェ聖堂を訪れたときに、聖堂内を見上げていたらその美しさに圧倒され、めまいがして具合が悪くなっちゃったという話。それに由来して、美し過ぎる作品などに圧倒されて具合悪くなることをこう呼ぶらしい。知らなかった!それならローマのヴァチカンのほうが圧倒的だと思うけど。
[中庭]
お墓以外に、今回見たいものがひとつあった。それはナイチンゲールの記念碑。
キエフの博物館で、クリミアの資料を見たときに、そういえばナイチンゲールってどこの人だろう、と思った。そのあと調べてみたら、フィレンツェ生まれだということが分かって驚いた。イタリア人ではないらしいけど。そして調べていたらサンタ・クローチェの中にナイチンゲールの記念碑があるという。ただ、ガイドブックも持たず、聖堂のどこにあるのか分からない。観光ガイド的な人を見つけたので「有名な看護士の像はどこですか」聞いてみたら、たぶんそれは聖堂の中ではないと言われた。その人も知らないらしかった。ナイチンゲールという名前を出したけど分かってなかった。もう見つからないかなと諦めかけていたそのとき、目の前に現れた。
ラテン語ではなくてイタリア語で書かれてあったのでだいたい読めた。
近くにあってなかなか行こうとしなかったけど、行って良かったと思った。何よりも、混んでないというのがいい。