(8月3日の記録。)
ただいまローマからフィレンツェに向かう電車の中です。イタリアで電車に乗ったのなんて、いつぶりだろう。
ただいまローマからフィレンツェに向かう電車の中です。イタリアで電車に乗ったのなんて、いつぶりだろう。
今朝は無事にウクライナを出国した。色々心配したけど、結果的に大きな事故も事件も起きずに3泊4日を過ごした。7時半にホテルを出た。タクシーは昨日ホテルに頼んでおいた。昨日の帰りに乗ったタクシー運転手に260ではだめかと頼んだら「スリー・ゼロ・ゼロ」と言われた。300なら良い、と。問題は現金が263しか無いってことなのだ。友人は250フリヴニャで行けると言っていたのだが、ホテルの受付もそれではだめだと言った。仕方が無かったので両替所を探して両替した。なんとたったの5ユーロを。これはさすがに嫌がられたが、拒否はされなかった。半分笑いながら、122フリヴニャに替えてくれた。良かった。これでなんとか乗れる。
今朝、空港で嫌なことがあった。パスポート・コントロールの所で、写真と見比べて顔が違うと言ってなかなか通してもらえなかったのだ。こんなことは初めてだった。確かに、パスポートの写真とはだいぶかけ離れている。化粧も違うし髪型も違うし、そもそも8年前の写真である。変わっていて当然と言えば当然。そんなに老けただろうかとショックだったのもあるが、本人だと言っているのに信じてもらえないっていうのはとてつもなく悲しいです。例えば「この料理本当にあなたが作ったんですかー、うそー、信じられなーい」というのとはだいぶ違う。自分が自分であることを信じてもらえない。
3人もの人が顔を見に来たが、みんな私のことを信じなかった。そこでなんと別室まで案内された。ここまでくるともうほとんど怒りである。しかし何か罵ったところで、逆効果だと思ったので耐えた。そして別室の、また別のスタッフが顔を見て半笑いで「グッドラック」と言ってパスポートを半ば投げ返された。「ま、がんばって」みたいな感じ。これはもう本当にひどすぎる。
列に並んでから40分かそれ以上が経過していた。結局通してもらえたものの、こんなにひどい対応はされたことがなかったのと、自分が自分であることをここまで疑われたのは初めてだったのでショックで半ば呆然となっていた。
原因としては、もちろん私自身と写真がかけ離れているというのはある。それに加えて、東洋人の顔に慣れていないこともあると思った。空港中を見回して、あの時点では私以外に東洋系の顔は見当たらなかったし、全体としても数は少ないはず。
ここで私がウクライナ語を話すことができたらたぶんあれほどなめられた対応をすることは無かったのだろう。それに話は戻るがタクシーも250ぐらいで乗せてもらえたかもしれない。
観光客というのはなめられがちである。「旅をする人」にはtouristという言葉とtravellerという言葉がある。touristは観光客でtravellerはより旅人に近いだろう。賢いtravellerでありたいものだ。
今回の件でひとつ学んだことがある:それは、顔写真入りの証明書をあとひとつなにか持っておけば良かったということ。信じてもらえないなんてことは普通は無いんだろうけど、今日、日本の免許証でも良いから持っていれば良かったと思った。