Saturday, 22 August 2015

16.8 ローマは夜

話は遡ります。
書いておかないと書かないまま終わってしまうから。自分のメモとしても。

8月16日のこと。名残惜しくはあったがフィレンツェを出てローマへ。
天気は良くなかった。15日にフィレンツェを出ても良かったのだが、Ferragostoは祝日で、避けておいたほうが色々と良いと思ったので16日にしておいた。
電車はFrecciarossaでとても快適だった。日本で新幹線に乗ることがほとんど無いのでちゃんと比較できていないかもしれないけど、ここまで快適とは。途中で飲み物とお菓子のサービスみたいなのまで来たんだけど、当然有料だと思って断っておいた。そしたらどうやら無料だったらしい。びっくりですね。新幹線でもここまでのことはしない。ちなみに片道39ユーロ。90分で移動できる。

ローマに来るのは何回目だろうな、と毎回思うんだけど、もう数えきれない。途中までは数えていたけどもう忘れた。10回は来ている気がする。
となると回数はフィレンツェよりも意外と多いのかもしれない。

5時ごろに着いてホテルにチェックインをすませた。昼を食べてなかったのでフロントの人にすすめられるがままに近くのトラットリアに入ってツナのサラダと、きのこのタリオリーニとビールを頼んだ。

それから少し休んだ。イタリアの馬鹿っぽいテレビがとても好きだ。いちいちツッコミを入れたくなる。それにしてもニュースを聞いても、コメディを見ても、たいてい分かるようになった自分に感動する。「オチ」の面白さまで結構分かる。

そしてジェラート片手に散歩に出かけた。夏はやっぱり夜に限る。ローマは夜がとにかくきれいだ。街灯の色がこの上なく素敵だと思う。

「春はあけぼの」
「ローマは夜」

Via Cavourをまっすぐ歩いて行く。

するとコロッセオに突き当たる。
何度見てもすごい。圧巻である。そしてやっぱり夜に見るのが断然いいと思う。


観光客は朝から晩まで絶えることがない。


ローマには地下鉄が2つしかない。A線とB線。だけどC線を作ろうとしている。コロッセオの前あたりに。もう何年も前から。2年前の夏も同じ光景を見た気がする。何も変わっていなかった。工事中、歩道は狭い。
 「C線 ローマの新しい地下鉄」

夜であれ昼であれ、誰かが工事をしている姿は見たことが無い。少し掘るたびに遺跡が出て来てストップ、を繰り返しているらしい。10年前にも「生きている間に完成を見るのは無理だね」とローマの人が言っていたのを覚えている。先日、イタリア人の友達に聞いた話だが、そもそも戦後からずっとC線の話は出ているらしい。戦後…70年経った。

2年前に無かった気がするのが、この説明。読んでなかっただけかもしれないけど、少し概要が書いてあった。
「工事開始日:2013年4月、工事期間、83ヶ月」だそうだ。本当だろうか。


 

近くまで行ってみて分かるけど、ほんとにびくともしません。
養老孟司が「トラウマ的」とか言ってたっけなあ。こんなでっかいの抱えて生きて行くんだなこの街は。日本は何でもさーっと消えちゃうし取り壊されちゃうんだけど、それがまた良いところでもある。桜みたいに。
 重いですよね確かに。
[コンスタンティヌス帝の凱旋門]

フォリ・インペリアーリに行ってみた。そういえばここまともに歩いたこと無かった気がする。これは「○○帝のforo」とそれぞれに書いてあって、まあつまりここが政治とかなんとかの中心だったわけですね。foroというのは「フォーラム」の語源で、広場みたいな感じ。皇帝たちはここにいたわけ。
はやりのプロジェクション・マッピングもやっていた。

 光の中に浮かび上がる遺跡群はやはり鳥肌モノである。こんなん残っちゃってるのー、という感じ。
 同じ場所を、紀元前(つまり2000年以上前)に、カエサルやアウグストゥスが歩いていたわけだ。いや、歩いていただけだったらそんな場所は世界中にどこにでもあるんだけど、それが、残っちゃってるんですね。
こういうののすぐ横に道路があって車が走ったり、普通の店やら事務所やら立ってたりする。やっぱりローマには敵わん、と思う。ほかのどの都市にもこんなのはない。

 トラウマ的である、確かに。





この遺跡群の向かいに「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂」がある。
これまためちゃくちゃでかい。
昼に見ると、もっと真っ白な感じで、まばゆいのだが、夜はいっそう荘厳な感じがする。
[ Monumento Nazionale a Vittorio Emanuele ll]

[ディオクレティアヌス帝の浴場]
via Nazionaleをまっすぐ歩いて帰る。
ディオクレティアヌス帝の浴場はテルミニ駅の目の前にある。街に遺跡が溶け込んでいるのを見ると、まず、ローマに来たなという感じがする。

というわけでローマを歩くなら夜です。夏は特に。
危なくないのか?
危なくないです。危ないところを避ければ。そして自分さえしっかりしていれば。

10年前、初めてローマに行ったときはもっと変な人たちが多くて、東洋人もすごく少なくて、街を歩くだけでからかわれたりしていたし、危険そのものだったのだが、最近ではそんなことは無くなった。街も以前に比べたらだいぶ整備されたのではないかと思う。

当然のことながら初めて行ったときは他の都市と比べてローマに良い印象を持てなかった。カオスな感じがしたから。でもその手に届かない感じこそが魅力でもあった。だからこそ何度も足を運んだ。まだ地図無しでは歩けないけど。

たいていのものが歩ける範囲にあるので、地図を片手にウロウロしてみると良い。迷ったら道を聞けば良い。

お父さんの回復、12月の疲れ

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