「全力で観光客」
です。今回は。2週間も滞在するからダラダラできるんだけど、この街に来るのも実際のところ2008年以来のことで、だいぶ久しぶりだし、毎晩遊んでいた当時からすると私もだいぶ成長したわけです。つまり、この街の歴史や文化をもっとよく知りたい思う。その手段としてイタリア語はある。時間の許す限り、色々な場所に行ってみようと思った。
で、考えてみたら一度も行ったことない名所がいくつもあるのだ。昨日のバルジェッロ美術館はそのひとつで、もう1つがヴェッキオ宮殿。結論から言って、かなり気に入ったし、面白かった。
しかも午前中に、学校で先生に見どころをいくつか教えてもらっていたのでラッキーだったし違った視点で見ることができた。
フィレンツェの人たちの何がすごいかって、みんな当然のように有名な作品についてよく知っていること。もちろん先生だから知ってるというのはある。でも、「イタリア語」の先生で、歴史や美術の先生ではない。ほかにも例えば、カフェの店員とか、バッグ屋のお兄ちゃんでも、「今からバルジェッロ美術館に行きます」と言うと、それに対して何かしら語る。「特に興味ないんだよね」とは言わない。教育の力もあるかな。
さて、500人広間の話は色々な場所で聞いたことがあったがこれも実際に見たことは無かった。入っていきなり圧倒されてしまった。
これはすごい。ミケランジェロとレオナルドが壁画の競争をしたという場所だが、ここまで巨大だとは。
これはすごい。ミケランジェロとレオナルドが壁画の競争をしたという場所だが、ここまで巨大だとは。
実はミケランジェロの彫刻がここには飾られていて、うっかりすると見逃しそうになる。「勝利」というタイトルになっている。
前を向いて、右側がヴァザーリ、左側がミケランジェロの絵。
最初はどっちがどっちの絵だろうなと思っていたけど、ミケランジェロの絵は、システィーナ礼拝堂と同じ感じがするので見てすぐに分かった。
一般的にパラッツォ・ヴェッキオでは最大の見所と言われているポイント。
未完成のレオナルドの絵がヴァザーリの下に隠れているらしいということが数年前に明らかになったらしいが、それを見ることはできない。
闘いの様子が、結構おどろおどろしい。未完成のレオナルドの絵がヴァザーリの下に隠れているらしいということが数年前に明らかになったらしいが、それを見ることはできない。
ヴァザーリの絵の中に"CERCA TROVA(探し、見つけよ)"という言葉が隠されていて、それが兵士の持っている旗だということも分かるし場所も分かるんだけど、遠すぎて肉眼では確認できませんでした…。写真を撮っても分かりませんね。
今度は双眼鏡持って行かないと。
メディチ家がかつて住居として使っていたらしくて、椅子やクローゼットがその辺に置いてあったりする。先生が言っていた通り、「美術館というよりは人の家だから、一枚一枚会がを見るんじゃなくて、全体を見渡した上でもっと細かいところに目を向けると面白い」
このタイプの天井画↓がとても気に入りました。こういう柄のシャツなんてあったら欲しいんだけどなあ。
この天井画はよく見ると人の顔がある。
先生が教えてくれた見どころポイントのひとつ。イルカをだっこするプット。プットというのは羽の生えた男児、要するに天使です。表情もかわいいけどこういうテーマがルネサンスの時期に存在することに驚いた。かわいい。
あと、面白かった家具その他。
よく見ると顔になってる↓
これも。絶妙な表情。↓
水道の蛇口。
ルネサンス期からこういう遊び心とユーモアを人は持ち合わせていて、さらにそれを表現する場と、受け入れられる環境があったということに感心した。