子が最近、「ごめんごめん」とすぐに謝る。
私は「そんなにいつも謝らなくていいんだよ、本当に悪いと思ったときでいいよ」と言った。
すると
子「ぼくはね、ごめんの練習をしてるんだよ。」
私「はぁ、なるほどね」
子「でも、本当に悪いと思ったときはごめんって言わないほうがいいよね」
私「なんで?ごめんっていうしかないでしょ」
子「だってさ、『ごめんじゃないでしょ!』っておとなは怒るから」
一瞬、言われたことがわからなかったのだが、考えてみればなるほどその通りである。本当に悪いこと(たとえばクラスメートを叩く、とか、物を投げる、とか)をしたときに「ごめん」と言われると、逆に怒(られ)る場合がある。
その場合の「ごめんじゃないでしょ」というのは、「そんな呑気なこと言ってる場合じゃ無いでしょ」「悪いとわかっているんだったらやらなきゃいいでしょ」という意味だ。
いっぽうで、「あやまりなさい」とか「ごめんて言わなきゃだめでしょ」という場合もある。
これが子にとっては板挟み的な状況なのだろう。「だったら何と言えばいいのか」と思うのももっともである。
やったことの悪さ程度によりごめんの響きが変わる。
こどもの視点は面白い。まったく気づかなかったことに気づかさせてくれる。