◆33週 つづき
鍼灸に通い始めて2,3度目に「みなさんだいたい何週くらいで逆子が回るんでしょうか」と先生に聞いてみた。すると「人によるけど、外回転をやってみるというのもひとつの手です」と言われた。
外回転…。それまで考えてもいなかったし、究極の、最後の手段だと思っていた。だけど自分の週数はそれを考えてもいい時期に来ていた。ネットでも本でも読んだことはあったが実際にそこに手を出そうとはしていなかった。あまり現実味は無かった。
ところが鍼灸の先生は外回転を試した人たちをたくさん知っていて、結構明るい感じで外回転の話をする。ほとんど成功しているそうだ。
ここから少しネットで調べ始めた。ネットでしか調べようが無い、というのがまた情報の無い者にとっては困ったところである。近くに経験者がいるならまだしも、私の友達に逆子の経験がある人はいない。そして、通っている産院からも特にすすめられない。少なからずリスクを伴うので、病院側はおおっぴらに「やってます」とも言わない。昔は施術をする人が多かったらしいが、最近ではどんどんやらなくなってきている。
調べたところ、堂々と「外回転やってます」と言っている病院はどうやら成育医療センターだった。そもそも「骨盤外来」というのまである。説明がとても詳しく載っていたので読み込んだ。
勢いで電話をかけると「病院からの紹介という形で承ります」と言われたので、通っている産院に電話をした。すると、次回の検診のときに逆子のままだったら紹介状を書きましょう、と言われた。これが33w3d。
鍼灸の先生にいろいろ聞いたら「外回転で成育に行く人は多いし、成育は日本一ちゃんとしてるし有名。逆に成育で回らなかったら、どこ行っても無理でしょう」と言われた。
33週のこの時点で外回転を「視野に入れ始めた」わけだが、ちょうど良かった気がする。35〜36週で外回転を試す場合もあるらしいので、外来に行って、そのあと施術という流れであればこの時点から本気で考え始めなければ間に合わなかったかもしれない。
◆34週
7月20日。34w2dで通常の検診に行った。もうこの時期にはおなかを触っただけで頭の形も分かるようになっていた。胎児が成長しているというのもあるかもしれないし、慣れたというのもあるかもしれない。鍼灸の先生がいつも「ここ頭ですね」と言うので判断が自分でつくようになっていた。だから検診の前に「もしかしたら回っているかも」という期待も特になかった。みぞおちのあたりにボコっと硬いものがあって、それが頭。
検診のときに、「成育に行ってみますか」と言われた。先週かけた電話の内容が先生にちゃんと伝わっていたのは嬉しかった。「やれるだけのことをやってみようと思います」と言った。そしたら紹介状を書いて、翌週の月曜に外来の予約を取ってくれた。
このあたりで、大きな希望ができたことに対してちょっと気持ちが明るくなった一方で、これって「もう回らない」とあきらめたことになるのかなとも思った。外野は「あきらめるな」みたいなことを言うのだが、この時期、子どもが大きくなったのがはっきりと分かるし、動き方も以前とは変わってきたのが分かった。回ろうにもスペースがない。苦しそうである。「あきらめるな」と言う人たちには決して言えなかったけど、「なんとなく回りそうな気配が無い」と思っていた。
だからと言って私は何か悪いことをしたか、というと特に何もしていない。体操をサボったか?いやいや、毎日やった。それでも何か足りなかったのかもしれない、と思うと、どーんと気分が落ち込んだ。何か私に原因があったのだろうか、と。考えても良いことない。
いずれにせよ35週に取ってもらった外来は1つの大きな「望み」である。007にQも言っていたじゃないか。「逃げ道は常に残しておけ」と。いや、逃げ道とは違うのかな。いずれにせよ、選択肢は多いほうが良い。
(つづく)
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